都「ひどいです…」
ごめんねミヤコちゃん(´ω`;)
都「きやすく呼ばないでください!」
すいません…
どうか温かい目でお読みください
ジウの言葉にミナトだけでなく、烏間やイリーナ、周りの生徒達も驚愕していた。
「今…なんて…」
「彼女は元々、普通の人間だったって言ったんだよ」
その言葉に寺坂が反論した。
「ふざけんな‼︎ただの人間があのタコの動きについているわけないだろ‼︎」
「話は最後まで聞いた方がいいよ?寺坂君…少しミヤコの昔話をしてあげるよ」
ミヤコは何の変哲も無い普通の少女だった。
あの日までは………
ミヤコが家に帰り玄関を開けると、目の前には母を庇うように立つ父と、その父にナイフを向ける強盗犯がいた。
父はミヤコに気づくと叫んでいた。
「ミヤコ‼︎今すぐ逃げなさい‼︎」
だが、ミヤコが動くよりも前に強盗犯はミヤコを捕らえると喉元にナイフを当て、娘を殺されたくなければ言う通りにしろと叫んだ。
「まさか、ミヤコちゃんの両親はミヤコちゃんを守るために…」
ジウの話に岡島はそう応えるが、それに対しジウは笑って応えた。
「死んだとでも思ったかい?それが違うんだな〜」
「じゃあ、どうしたって言うんだよ?」
海莉がそう言うとジウは生徒達1人1人を見渡し、笑みを浮かべ応えた。
「殺したんだよ。ミヤコが強盗犯をね♪」
ミヤコは強盗犯に捕らわれながらも目の前の両親に目をやっていた。
(お父さんもお母さんも怯えてる…私が…私が2人を助けないと!)
ミヤコは強盗犯のナイフを持つ手に噛みついた。
予期せぬ一撃に覆面の男はナイフを手放した。
ミヤコはそのナイフを瞬時に拾うと、何の迷いも無く強盗犯に突き刺した。
「かはっ………」
「お父さんもお母さんも殺させない…2人は私が守る!」
それからミヤコはナイフを根元まで突き刺し、強盗犯はその場に倒れこんだ。
「嘘…だろ…」
「いつの話だよ…それ」
磯貝とカルマは互いに冷や汗をかいていた。
「う〜ん、確か小学校6年生の時だったかな〜。僕もそこら辺は曖昧でねw」
青ざめた表情を見せる女子の中で、片岡はジウに問いかけた。
「それからどうなったの?」
「決まっているじゃないかw自分の娘が12歳にして人を殺した、何の迷いも躊躇い無く…ミヤコの両親は彼女を捨てたよ。恐怖したんだ、迷いも無く人を殺した彼女にね…」
強盗犯の返り血を浴び真っ赤に染まりながらもミヤコは振り返り、両親に声をかけた。
「お父さん!お母さん!大丈夫?怪我とか無い?」
しかし、両親は応えることなく黙り込んでミヤコを見ていた。
「どうしたの?」
ミヤコが首を傾げながら問いかけると、父親はやっとの思いで口を開き言った。
「バ…バケ…モ…ノ」
「え……?」
それがミヤコと両親の最後の会話だった。
「ふぅ、それから彼女は様々な家庭を転々としたよ。でも最終的に彼女が辿り着いた場所は」
そのまま言い続けようとした時だった、突如ジウに向かってナイフが投げつけられるが、ジウはそれを難なく捌いていた。
ナイフを投げたミヤコは冷たく目でジウを睨みつけていた。
「しゃべりすぎですジウ…これ以上私の過去を彼等に話さないでください」
「いや〜ごめんごめん、彼等が君の強さの秘密を知りたいって言うからついw」
その言葉を聞き、ミヤコはため息を吐くと再び意識を暗殺に向けナイフを振るい始めた。
「まぁ結局何で彼女が強いのかっていうと、彼女が生まれつき持っていた、驚異的なスピードの反射運動と力の強さが理由ってことかなw」
そう応えるジウの言葉に生徒達はミヤコと殺せんせーに視線を移した。
慌てふためく殺せんせーを相手に、迷い無くナイフを振るうミヤコの姿に生徒達は誰もが彼女の強さを痛感した。
「なかなかしぶといですね殺せんせー」
「ヌルフフフ、先生も少しずつあなたの速さに慣れてきましたから」
「それでは私ももう少し加速します。
どうか失望させないでくださいね?」
そう言うとミヤコはナイフを合計4本まで増やし、さらに加速した斬撃を繰り出した。
(イトナ君と違い、狙う場所も的確でありながら常に私の動きに目を向けている…恐ろしい生徒です)
ミヤコは殺せんせーの顔面めがけナイフを投げる、と同時に懐に潜り込んでいた。
「顔面の攻撃に気を取られましたね…あなたの弱点も把握している…これで終わりです‼︎」
そう言うと共にミヤコは殺せんせーの心臓めがけナイフを振るった。
対先生用ナイフが殺せんせーの心臓を突き刺し、暗殺が成功する……はずだった…
「何故あなたがそこにいるのですが?……兄様」
ミヤコの一撃をミナトは先生用ナイフで受け止めながら、殺せんせーに言った。
「緊急事態だ殺せんせー…凛香の熱が上がった。今すぐ病院に運んでほしい」
「にゅっ⁉︎」
殺せんせーが生徒達の方に目を向けると、烏間とイリーナに支えられる速水の姿があった。
ミヤコと殺せんせーがリング内で戦いを繰り広げている頃、ミナトは速水の様子が明らかにおかしいことに気づいた。
「凛香大丈夫か?顔色悪いけど…」
「私は平気…だから…心配しない…で…」
そう言い残し倒れかかる速水をミナトは支えながら烏間とイリーナに速水を任せ、2人が戦いを繰り広げるリングの中へ向かっていった。
「ミヤコ、今すぐこの暗殺を中止してくれ…早く助けないと凛香が危ない」
ミナトのそんな言葉にミヤコは珍しく怒鳴り返した。
「暗殺を…中止?ふざけないでください‼︎兄様は目の前の破壊生物を殺す事よりも1人の生徒が大切だと言うのですか……あなたは人類が滅びてもいいというのですか‼︎」
だが、その瞬間ミヤコはミナトが放つ異様な気配に後退りした。
「あいつの命も俺にとっては大勢の命と同じくらい大切だからだ……だから早くそこをどいてくれ……さもないと……殺すぞ」
ミナトが放つ異様な気配、それは紛れもなく殺気だった。しかも先ほど烏間との訓練の時に見せた殺気よりも鋭さも冷たさも増していた。
その殺気にミヤコだけでなく生徒達、イリーナや烏間までもが恐怖心を抱いた。
「ミナト君、心配には及ばないよ」
声のする方を見ると、ジウが速水の額に手を当てていた。
「お前…凛香に何して」
ミナトは苛立ちながらジウに向かって歩き出すが、ジウは手を前に差し出し向かってくるミナトの動きを止めていた。
「とりあえずこれぐらいなら市販の風邪薬でも平気だろう。まぁ、念のために病院に一度向かうことをお勧めするけどね」
そう言うとジウはミナトに向かって歩き出し、すれ違いざまにちゃんと守ってあげなよ?と言い残していった。
「ミヤコ、今日はもう帰るよ」
「何故です⁉︎私はまだ戦える‼︎暗殺はまだ終わっていません‼︎」
そんなミヤコの言葉にジウは今までに無い冷たい声質でミヤコに言った。
「君は一度ミナト君の殺気に怖気づいた。彼がもし殺せんせーを殺しに来た暗殺者なら、君はあの時点で殺されていたよ?」
「くっ……!」
ミヤコは悔しさのあまりジウから視線を逸らした。
「それに体に負担かけすぎ、焦る気持ちも分かるけど君を大切に思う裕翔さんの気持ちも考えてね?」
そう言うとジウは生徒達の方へ振り返ると明るい口調で言った。
「とゆーわけで、今回は帰るね♪皆も殺せんせーの暗殺頑張ってね〜♪」
「待て!お前らはいったい!」
そんな烏間の問いに応えることなく、ジウとミヤコはE組を去っていった。
「カラスマ!とにかく凛香を病院に連れてくわよ!」
イリーナの言葉に烏間は生徒達の元へ向かおうとした時、不意にそれは目に入った。
(なんだこれは…)
ミヤコと殺せんせーが戦っていたリング内、そこには所々に強い衝撃によって削り取られた跡、何か熱を持ったものによって焦がされた跡が残っていた。
さて、夏のオリジナルストーリーミヤコ編はこれにて終了ですv(`ゝω・´)
次はいよいよミナトと速水のターンです!
イチャつかせるぞ〜♪
ところで気になったことが一つ
みなさんはミナトと海莉とミヤコ この3人の中でどのキャラが一番好きでしょうか?ミヤコちゃんは登場回数はまだ少ないですが…
私はこのキャラが好きというのがあれば感想に書いていただけると嬉しいです(*´w`*)