ラブライブ!DM   作:レモンジュース

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 リンクヴレインズパック2、発売中!
 RRにSR、スクラップに蟲惑魔など、どのカテゴリも適切な強化がされていて、新しく組んでみたいデッキもちらほらと。
 え、HERO? ……イラストかっこいいです。
 来年には融合内蔵のアマゾネスリンクが出るといいなぁ。

 それでは、不審者VS不審者の後編を。ラストターンのイメージBGMは、11eyesより『劫の目』です。



千刃乱舞

「俺のターン、ドロー! 手札から、フィールド魔法《混沌の場》を再び発動! 今度は《超戦士カオス・ソルジャー》を手札に加える!」

 

 ヒトデ男の手にレベル8の儀式モンスターが加わると、黒羽仮面は身構える。攻撃力・効果ともに切り札級の力を持つカードであるためだ。

 

『ヒトデ男、ここで強力な儀式モンスターを手札に加えた! でも、残る手札はレベル7の《バスター・ブレイダー》と、ドローしたばかりのカードだけ! これでは儀式召喚なんてまず不可能! まさかのプレイングミスかー!?』

 

 儀式モンスターを呼び出すには、条件に合ったレベルを満たさなければならない。レベルが不足している状況で手札に加えるなど、確かに司会の少女が言う通り、プレイングミスだと思われても仕方が無いだろう。観客の多くも、その通りだと頷いている。

 

「ミスかどうかは、まだわからないぜ! 俺は魔法カード《手札抹殺》を発動! 互いに手札を全て墓地に捨て、同じ枚数分カードをドローする!」

「私の手札は0。よって、貴方だけが2枚引くことになりますね」

 

 彼の行動に、見る者はますます混乱した。なぜなら、手札・デッキから直接墓地へ送られた儀式モンスターは、場に呼び出すことができなくなるからだ。

 誰もが呆れる中、ヒトデ男は手札の1枚を抜き出す。

 

「俺は《ミスティック・パイパー》を召喚し、そのまま効果発動! 自身をリリースすることで、カードを1枚ドローする!

 引いたカードは、レベル1モンスター《超戦士の魂》! よって、もう1枚ドロー!」

 

 混沌の戦士を補助する下級モンスターを引き当て、追加のドロー。これで手札は3枚になったが、場にモンスターは無く、通常召喚権も使い切った。このターン、できることは無いと思われるが――

 

「ここで俺は、前のターンでセットし直した永続罠《ミラーフォース・ランチャー》を発動! 自分のメインフェイズに手札のモンスターカードを捨てることで、墓地から《聖なるバリア -ミラーフォース-》を手札に加える!」

 

 正体がわかっていても、ミラーフォースの驚異は誰もが知っている事実。だが、黒羽仮面が操る《BF-フルアーマード・ウィング》はあらゆるカード効果を受け付けない超強力モンスター。

 

(彼も身に沁みてわかっているはず。ミラーフォースによる後続への牽制もあるのでしょうが……)

 

「貴方の本当の狙いは、今墓地に送ったモンスターの効果を発動することですか」

「ああ、その通りだ! 俺は今墓地に送った《超戦士の魂》の効果発動! 自身を除外することで、デッキから《開闢の騎士》を手札に加える!」

 

 ヒトデ男のデッキが次々と圧縮され、カードが手札へと加わっていく。また、フィールド上でも新たな変化が起きていた。

 

「《混沌の場》は、互いの手札・フィールドのモンスターが墓地に送られる度に魔力カウンターが蓄積される! 墓地に送られたモンスターは――」

 

『《バスター・ブレイダー》《超戦士カオス・ソルジャー》《ミスティック・パイパー》《超戦士の魂》の合計4体! つまり、4つのカウンターが置かれてるよ!』

 

「…………」

 

 自身のセリフを奪われ、鬼の形相を浮かべるヒトデ男。決闘者にとって、自身のカード効果の説明を遮られるのは我慢ならないのである。気を取り直し、彼は最後の準備に取り掛かる。

 

「魔力カウンターを3つ取り除くことで、《混沌の場》の更なる効果発動! デッキから儀式魔法《超戦士の萌芽》を手札に加える!」

 

 《混沌の場》

 魔力カウンター 4→1

 

 「超戦士」の名を持つ儀式魔法カード。先の《超戦士の魂》及びその効果で手札に加わった《開闢の騎士》と同じく、混沌の戦士に関わるカードの1枚だ。

 肝心の儀式モンスターは墓地に眠っており、呼び出すことなどまず不可能。だが、今にも超戦士の魂が芽吹こうとしていることに気付く者は、どれ程いるだろうか。

 

「行くぜ! 俺は手札から儀式魔法《超戦士の萌芽》を発動! このカードはレベルの合計が8になるように手札・デッキから光と闇のモンスターを1体ずつ墓地に送ることで、「カオス・ソルジャー」モンスターの儀式召喚を執り行なう!」

「やはり、ここまでは儀式召喚までの布石。ですが《超戦士カオス・ソルジャー》は墓地に…………まさか!?」

 

 デュエルモンスターズは、常に進化し続ける。シンクロモンスターがチューナーとしての力を得たように、儀式召喚もまた新たな力を得るのだ。

 

「見せてやる! これが儀式召喚の新たな可能性だ! 俺は手札の光属性モンスター《開闢の騎士》と、デッキの闇属性モンスター《儀式魔人プレサイダー》を墓地に送る! 2体はともに、レベル4!」

 

 儀式召喚にデッキのモンスターを利用するだけでも、十分驚嘆に値するだろう。だが、これだけでは足りない。

 

「1つの魂は光を誘い、1つの魂は闇を導く! やがて光と闇の魂は混沌(カオス)(フィールド)を創り出す! 儀式召喚ッ!」

 

 

 

 ――今こそ蘇れ、レベル8! 《超戦士カオス・ソルジャー》降臨!!

 

 

 

 《超戦士カオス・ソルジャー》

 ☆8 地属性 戦士族 ATK3000

 

「本当に、墓地からの儀式召喚を成功させた……!」

 

 本来あり得ない場所から降臨した混沌の戦士に、会場内がどよめいた。当然、黒羽仮面も驚きを顕にしたが、真に恐ろしいのは儀式召喚に辿り着くまでの過程だ。

 彼、アテムの戦術をある程度把握している『μ’s』の少女3人は動揺が小さいものの、その決断力と強運には改めて舌を巻いた。

 

「まったく、アテムさんという人は……。連続ドローでキーカードを引き当てたから良いものの、相変わらず無茶をしますね」

「アテムくんなら普通だって思ってたんだけど、実際には凄いことなんだよね」

「お母さんのフルアーマードと、超戦士の攻撃力は互角。だけどアテムくんなら間違いなく……」

 

 ここまで手間をかけて呼び出した儀式モンスターを相打ちにさせるなど、観客はもちろんモンスター自身も納得しない。

 

「俺は手札から、装備魔法《神剣-フェニックス・ブレード》を《超戦士カオス・ソルジャー》に装備! 攻撃力を300ポイントアップさせる!」

 

 《超戦士カオス・ソルジャー》

 ATK3000 → ATK3300

 

 装備魔法としては上昇値が非常に小さいが、攻撃力を超えたことに変わりはない。得物を不死鳥の剣へ持ち替えた超戦士は、宙に浮かぶ漆黒の翼を見据え、助走も無しに跳び上がる。

 

「バトルだ! 行け、《超戦士カオス・ソルジャー》! フルアーマード・ウィングを攻撃!

 ――フェニックス・カオス・ブレード!!」

 

 カード効果で倒せない、すなわち無敵とは限らない。より高い攻撃力を持つモンスターとの戦闘では、耐性がなければ破壊されるのは必然。

 混沌の刃が厚き装甲を斬り裂き、勢いに任せてその身体を弾き飛ばした。

 

「くぅっ……!」

 

黒羽仮面 LP4400 → LP4100

 

 戦闘ダメージは微弱。だが、超戦士が持つ真の力はここからだ。

 

「《儀式魔人プレサイダー》を素材とした儀式モンスターが相手モンスターを戦闘によって破壊したことで、カードを1枚ドローする!

 さらに、《超戦士カオス・ソルジャー》の効果! このモンスターが相手モンスターを破壊して墓地に送ったことで、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!

 ――カオス・インパクト!!」

「ぐっ! なんという衝撃……!」

 

黒羽仮面 LP4100 → LP1100

 

 地面に叩きつけられ消滅したフルアーマード・ウィングの力が、黒羽仮面へと直接襲いかかる。覆面を被っていても、その素顔は苦悶の表情を浮かべていることだろう。

 前のターン大幅に回復したライフポイントが、瞬く間に初期値の約4分の1に。それでもこれは、伝説の戦士が持つ能力の一端に過ぎない。

 

「まだだ! 《開闢の騎士》を素材とした《超戦士カオス・ソルジャー》が相手モンスターを戦闘破壊したことで、このモンスターは続けて攻撃が可能となる!」

「ッ! 連続攻撃!?」

 

 戦闘破壊を引き金とした『ドロー』『効果ダメージ』『連続攻撃』、これこそが超戦士の最強形態。そして今、ヒーローを守るモンスターはいない。

 

「トドメだ! 《超戦士カオス・ソルジャー》で、プレイヤーに直接攻撃(ダイレクトアタック)!!」

『攻撃力3300のモンスターが、黒羽仮面に突き進む! 絶体絶命の大ピンチだぁあああ!!』

 

 地面に降り立った超戦士が、間髪入れず黒羽仮面に向かって駆け出す。このままでは、正義のヒーローが敗れてしまう。少女の若干わざとらしい実況が不安感を助長し、観客席から子供たちの悲鳴が上がる。

 

「まだ終わりません! 罠カード発動、《ピンポイント・ガード》! 相手モンスターが攻撃を仕掛けた時、墓地からレベル4以下のモンスターを守備表示で特殊召喚します!

 私が呼び戻すのは、このモンスター!」

 

 《BF-上弦のピナーカ》(チューナー)

 ☆3 闇属性 鳥獣族 DEF1000

 

 主の盾となるために、小さな鳥が超戦士の前に立ち塞がる。両者が示す数値の差は歴然だが、ピナーカは決して倒れない。

 

「《ピンポイント・ガード》の効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン戦闘・効果でによる破壊から守られます。

 破壊されなければ、当然私への効果ダメージも発生しません」

 

 間一髪。鉄壁の防御でヒトデ男の連撃を受け切ったことで、各所から安堵の声が漏れる。

 

「止められたか。だが、厄介なピナーカはここで葬る! 俺はバトルを終了し、《開闢の騎士》によって与えられた《超戦士カオス・ソルジャー》の効果発動!

 相手フィールド上のモンスター1体を『除外』する!」

『あぁっと! ここでヒトデ男、チューナーモンスターを『破壊』以外の方法で潰しに来た!』

 

 チューナーモンスターは【BF】の要であり、特にピナーカは墓地へ送られたエンドフェイズに仲間を呼ぶ効果を持つ。破壊ではなく除外によって場から消し去ろうという判断は、《ピンポイント・ガード》による耐性が無くとも適切だ。

 

 しかし、それは使用者である黒羽仮面が最も熟知している。

 

「【BF】を知る貴方であれば、ピナーカを除外してくることは読めていました!

 相手フィールドのモンスターが効果を発動した、この瞬間! カウンター罠《ブラック・バード・クローズ》を発動!

 自分フィールドの「BF」を墓地へ送ることで、その発動を無効にして破壊します!」

「何ッ!?」

 

 場から消え去ったピナーカの黒い羽根が超戦士に纏わりつき、爆散する。コストや無効化できるカードが限定されてはいるが、強力なモンスターを倒したことで客席から歓声が上がった。

 

「まだです! この効果で相手モンスターを破壊した後、私はエクストラデッキからこのモンスターを特殊召喚します! 秘めたる思いをその翼に現出し、舞い上がれ!」

 

 

 

 ――レベル8! 《ブラックフェザー・ドラゴン》!!

 

 

 

 《ブラックフェザー・ドラゴン》

 ☆8 闇属性 ドラゴン族 ATK2800

 

『なんとなんと! モンスター効果を無効にして破壊するだけでなく、レベル8のシンクロモンスターを特殊召喚! とんでもないカードだ! これでヒトデ男のフィールドはがら空きだぁああ!』

 

 巨大な黒翼と、6本の足。鳥のような口が特徴のシンクロモンスター。

 このカードはブラックフェザーと名がつくものの、肝心の【BF】に関する効果を持たなかったはず。だが、今の状況はどうだ。「BF」モンスターを使用して相手の効果を打ち消し、入れ替わるように黒羽の竜が現れている。

 

「いいや、がら空きになどさせはしない! 《超戦士カオス・ソルジャー》の最後の効果発動! このモンスターが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた『場合』、手札・デッキ・墓地から「暗黒騎士ガイア」の名を持つモンスターを特殊召喚できる!

 デッキから現われろ、《覚醒の暗黒騎士ガイア》!」

 

 《覚醒の暗黒騎士ガイア》

 ☆7 闇属性 戦士族 ATK2300

 

 あっさりとモンスターを倒されてしまったが、ただでは終わらない。次のターンに備え、ヒトデ男は暗黒騎士を出現させる。しかし超戦士が破壊された後に《ブラックフェザー・ドラゴン》が特殊召喚されたため、一見発動タイミングを逃しているようにも思えるだろう。

 観客の1人、魔法少女の格好をした桃色ツインテールの少女が、友人へと疑問を口にした。

 

 

 

「ねぇリリス、あれできるの? 破壊された直後に別の効果処理が入ったら、破壊をトリガーとしたカード効果は『タイミングを逃して』発動できないんじゃなかったっけ」

「ふっ。友梨亜(ゆりあ)は決闘者としてまだまだ勉強不足だなぁ。ヒトデ男も言ってたでしょ、破壊された『場合』だって。『時』じゃなくて『場合』とテキストに書かれてたら、全部の効果処理が終わった後で発動することができるんだよ」

「……いやそれ、ただの屁理屈だろ。開発者出てこい」

「しょーがないよ。作った人がそう決めたんだし。ちなみに墓地に『送る』と墓地に『捨てる』も全く違う意味だったりする」

「えっ」

 

 

 

 こうしたデュエルモンスターズ初心者が真っ先に躓く処理が終了したところで、ヒトデ男はバトル中にドローしたカードを繰り出す。

 

「手札から、魔法カード《強欲で貪欲な壺》を発動! デッキの上から10枚のカードを裏向きで除外することで、カードを2枚ドローする!」

 

 決闘者にとって、手札増強は必要不可欠。一挙に10枚ものカードを失うのは惜しいが、リスクを恐れてばかりもいられない。

 特に、黒羽仮面は驟雨のライキリやフルアーマード・ウィングといった、ミラーフォースが通用しないシンクロモンスターを操る。万全の状態を維持しようと考えるのは、むしろ自然のことと言えよう。

 

「最後に伏せ(リバース)カードを3枚セットして、ターンエンドだ」

「その前に、上弦のピナーカの効果をお忘れなく。自身がフィールドから墓地へ送られたターンのエンドフェイズ、デッキから「BF」1体を手札に加えます。

 私が呼ぶのは、《BF-大旆のヴァーユ》です」

「コストにしたモンスターで、さらなるアドバンテージを稼ぐとはな。だが……」

 

 ミラーフォースを含む4枚の伏せカードで、黒羽仮面を迎え撃たんとするヒトデ男。対する黒羽仮面も戦線強化のために後続のモンスターを手札に加えるが、選んだのは単体で活躍できないカード。

 いったい、彼女の狙いは? 主催者を除く、数多くの者は疑問に思わずにはいられなかった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「私のターン、ドロー! このままメインフェイズに移行し、墓地から《BF-南風のアウステル》の効果発動! 自身を除外することで、相手フィールドのカードの数だけ《ブラックフェザー・ドラゴン》に黒羽カウンターを置きます!」

「俺のカードは7枚……!」

「《ブラックフェザー・ドラゴン》は、自身に置かれた黒羽カウンター1つにつき700ポイント攻撃力を下げます。元々の攻撃力が2800ですから、過剰ではありますが」

 

 《ブラックフェザー・ドラゴン》(黒羽カウンター:7)

 ATK2800 → ATK 0

 

 黒白の翼が、瞬く間に赤黒く染まっていく。しかし、本来これはプレイヤーが受けるダメージを肩代わりするための変化。

 そして、そのカウンターは自身を弱体化させるだけのものではなく、真の力を解放するためのエネルギー。

 

「黒羽カウンターを全て取り除き、《ブラックフェザー・ドラゴン》のさらなる効果発動! 相手モンスター1体の攻撃力を、取り除いたカウンターの数×700ダウンさせ、その数値分のダメージを相手に与えます。

 対象モンスターは、《覚醒の暗黒騎士ガイア》!」

 

 解き放たれるのは、実に4900ポイントもの弱体化と効果ダメージ。残りライフが有り余っているヒトデ男も、自身とモンスターにそれほどのダメージを受ければただでは済まない。

 

「甘いぜ、黒羽仮面! 伏せ(リバース)カード、オープン! 罠カード《苦渋の黙札》!!」

 

 だが、彼の場には3枚もの伏せカードがある。そう簡単に通すはずがない。

 

「《覚醒の暗黒騎士ガイア》をリリースすることで、効果発動! リリースしたモンスターと属性・種族・レベルが同じモンスター1体をデッキか墓地から手札に加える!

 よって、闇属性・戦士族・レベル7のモンスター《疾風の暗黒騎士ガイア》をデッキから手札に加えるぜ!」

「ッ! リリース・エスケープ……!」

 

 迫る漆黒の雷が空振りに終わり、少年の手に新たなモンスターが握られる。また、ライフポイントも変化は見られない。

 いったい何故? 会場内がざわつき、穂乃果も疑問符を浮かべていた。

 

「アテムくんが無事だったのはいいけど、どうしてライフが減らなかったの? 《ブラックフェザー・ドラゴン》のあの効果は、ノートゥングと同じでモンスターとプレイヤーにダメージを与えるんじゃなかったっけ?」

「いいえ、その2体の効果は同じではありません。

 ノートゥングは効果ダメージを与えた後で相手モンスターを弱体化させる、『対象を取らない』効果。そのため相手フィールドにモンスターが存在せずともダメージだけを与えることが可能です。

 一方《ブラックフェザー・ドラゴン》は、『攻撃力を下げた分』のダメージしか与えられません」

「あ、そうか! 対象になっていたガイアが効果処理時にフィールドからいなくなったから、攻撃力は下がらない! それでダメージも発生しなかったんだ!」

「穂乃果ちゃん、正解。それにアテムくんの狙いは、お母さんのコンボを回避するためだけじゃない」

 

 いくら大ダメージを免れても、今の罠カードの発動によってヒトデ男の場からモンスターは消失した。ミラーフォースがあったところで危うい状態なのだが、これを挽回するための効果を暗黒騎士は持っている。

 

「この瞬間、《覚醒の暗黒騎士ガイア》の効果発動! このモンスターがリリースされた場合、手札か墓地から「カオス・ソルジャー」モンスター1体を選んで特殊召喚する!

 復活せよ、《超戦士カオス・ソルジャー》!!」

 

 《超戦士カオス・ソルジャー》

 ☆8 地属性 戦士族 ATK3000

 

 超戦士と《ブラックフェザー・ドラゴン》の攻撃力の差は、たった200。僅かでも攻撃力を変化させるカードを黒羽仮面が引いていれば簡単に超えられるが、ヒトデ男にはミラーフォースがある。そのため迂闊に攻撃することはできないだろう。

 また、万が一ミラーフォースをすり抜けたとしても、超戦士の効果で再び後続の「暗黒騎士ガイア」を呼び出すまでのこと。

 

「ライフポイントも十分だと考えているのでしょうが、甘いですよ。私は手札から、チューナーモンスター《BF-大旆のヴァーユ》を通常召喚!」

 

 《BF-大旆のヴァーユ》(チューナー)

 ☆1 闇属性 鳥獣族 ATK800

 

 インド神話における風の神の名を持つ、小さな鳥。学ランを纏い、下駄を履く姿は一昔前の男子学生のように見える。

 チューナーモンスターであることから、新たなシンクロモンスターをシンクロ召喚するというのが一般的だが、それは不可能。なぜなら――

 

『な、なんということだ! 黒羽仮面、大旆のヴァーユを攻撃表示で召喚してしまった! このモンスターはフィールドに存在する限りシンクロ素材にできない! これでは次のターンで大ダメージは避けられない!』

 

 これこそ大旆のヴァーユが単体で活躍できない理由。場に残す意味は限りなく薄く、ましてや攻撃表示で召喚するなどまず考えられない行動だ。

 

「確かに、《ゴッドバードアタック》などのコストにしない限り、普通は大旆のヴァーユを召喚するなどあり得ません。

 ですが、シンクロ召喚以外の目的があるとしたらどうでしょうか?」

 

 新マスタールールによって誕生した、新たな召喚法。これならシンクロ素材にできない制約など関係ない。狙いに気が付いたヒトデ男が身構えると同時、黒羽仮面はその右手を空高く掲げた。

 

 

 

 ――現れよ、天空(そら)へと翔ける未来回路(サーキット)!!

 

 

 

「アローヘッド確認! ライト・エクストラモンスターゾーン、解放!」

「ッ! 狙いは《見習い魔嬢》のリンク召喚か!」

 

 2体の闇属性モンスターを素材とする《見習い魔嬢》は、全ての闇属性モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる永続効果を持つ。ほぼ全てのモンスターが闇属性の【BF】ならば、リンク先を確保しつつ戦線強化を見込める、特に相性の良いリンクモンスターだ。

 

「残念ながら外れです。召喚条件は、『チューナー1体以上を含むモンスター2体』!」

「何だと!?」

 

 まるで、シンクロ召喚のような素材指定。そのような召喚条件など、誰も聞いたことが無い。

 

「私は、《ブラックフェザー・ドラゴン》と大旆のヴァーユを、『左下』と『右下』のリンクマーカーにセット! リンク召喚!」

 

 

 

 ――千歳(ちとせ)(ともがら)、リンク2! 《水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》!!

 

 

 

 《水晶機巧-ハリファイバー》

 LINK-2 水属性 機械族 ATK1500

 【リンクマーカー:左下/右下】

 

「ここで、水属性のリンクモンスター……!?」

 

 種族・属性ともに「BF」とは全く異なる、ガラスのように透き通った玻璃の戦士。シンクロだけでなく、リンクモンスターまでも未知のカードを繰り出した黒羽仮面に、観客は一様に目を輝かせている。

 

 

 

 一層会場が盛り上がりを見せる中、モニタールームから観戦を続けていた2人の男は笑みを浮かべる。

 

「ゾーン、改めて不思議なものだな。アンチノミーのためとは言え、君がシンクロ召喚をサポートするためのカードを作り出してしまうとは」

「我ながらそう思いますよ、パラドックス。「時械神」を復活させる過程で生み出してしまった『神祖』といい、どうやら私はシンクロ召喚への忌避がほぼ完全に薄らいでしまっているようです」

 

 《水晶機巧-ハリファイバー》は、毒風のシムーンを始めとした「BF」モンスターと同じく、彼らが独自に創り出したカードの1枚。誰も知らないのは当然のことだ。

 その能力は、最も有効活用しているアンチノミーですら「シンクロ召喚をこれまでで最も加速させる怪物」と評するほどで、ついやり過ぎてしまったと反省すらしている。とある機関を通じて実用化させるのは、当分先のこととなるだろう。

 

「さて、南理事長はハリファイバーの力をどう使うのか。期待していますよ」

 

 

 

 そんな大多数の期待に応えようと、黒羽仮面はリンクモンスターとともに右手を突き出した。

 

「ハリファイバーの効果発動! このモンスターがリンク召喚に成功した場合、デッキからレベル3以下のチューナーモンスターを守備表示で特殊召喚します。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン中フィールドで効果を発動することはできません。

 私が呼ぶのは、レベル3の《BF-隠れ蓑のスチーム》!」

 

 《BF-隠れ蓑のスチーム》(チューナー)

 ☆3 闇属性 鳥獣族 DEF1200

 

「くっ! デッキから新たなチューナーを呼ぶとは、なんて効果だ……!」

 

 「水晶機巧」シリーズは、シンクロ召喚に特化したカテゴリ。その名を持つリンクモンスターならばシンクロ召喚やチューナーに関する効果を持っていても不思議ではない。だが、レベルは限られるが任意のチューナーを特殊召喚するなど、強力極まりない。

 

「ここで私は手札から、魔法カード《終わりの始まり》を発動! 墓地から5体の闇属性モンスター、

 

 《BF-白夜のグラディウス》

 《BF-上弦のピナーカ》

 《BF-突風のオロシ》

 《BF-月影のカルート》

 《ブラックフェザー・ドラゴン》

 

 これらを除外することで、カードを3枚ドローします!」

「この局面で3枚のドローだと!?」

 

 除外されたカードは、ほとんどが墓地に残しておきたいカードのはずだが、それでも3枚もの手札補充は魅力的。

 墓地へ送られた大旆のヴァーユ、2ヶ所のリンク先、新たな手札。誰もが「何かが起こる」と期待を膨らませずにはいられない。

 

「まずは、墓地から《BF-大旆のヴァーユ》の効果発動! このモンスターは、墓地から自身とチューナー以外の「BF」1体を除外することで、効果を無効にした「BF」シンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚します。

 『右下(ライトアンダー)』リンクマーカー、解放!!」

 

 エクストラデッキから特殊召喚されるモンスターは、通常エクストラモンスターゾーンにしか出すことができない。しかし、リンクモンスターが持つ特性によりメインモンスターゾーンにも呼び出すことが可能となる。

 《水晶機巧-ハリファイバー》が持つ2つのリンクマーカー、その片方が黒羽仮面の掛け声に合わせて真紅の輝きを一層強くした。

 

「私はレベル6の毒風のシムーンに、レベル1の大旆のヴァーユ、ネクロ・チューニング!」

 

 

 

 ――千歳(ちとせ)(ともがら)、レベル7! 《A(アサルト) BF-涙雨のチドリ》!!

 

 

 

 《A BF-涙雨のチドリ》

 ☆7 闇属性 鳥獣族 ATK2600

 

 驟雨のライキリとよく似た姿かつ、能力値が完全に一致したシンクロモンスター。効果もさぞ強力なのであろうが、無効化されている以上確認することはまず不可能だろう。

 

「続けて、手札から魔法カード《死者蘇生》を発動! 墓地から《BF T-漆黒のホーク・ジョー》を復活させ、そのまま効果発動!

 墓地より蘇りなさい、《BF-フルアーマード・ウィング》!!」

 

 《BF T-漆黒のホーク・ジョー》

 ☆7 闇属性 戦士族 ATK2600

 

 《BF-フルアーマード・ウィング》

 ☆10 闇属性 鳥獣族 ATK3000

 

 左端より続けざまに蘇る、2体のシンクロモンスター。これでも十分な展開力だが、黒羽仮面は止まらない。残る2枚の手札から片方を抜き出し、フィールドへと繰り出した。

 

「手札より、《BF-砂塵のハルマッタン》の効果! このモンスターは自分フィールドに「BF」が存在する場合、手札から特殊召喚することができます」

 

 《BF-砂塵のハルマッタン》

 ☆2 闇属性 鳥獣族 ATK800

 

 西アフリカで吹く貿易風の名を持った低レベルの「BF」、これで彼女の場には合計6体のモンスターが並んだ。一方のヒトデ男は、この凄まじい展開力に感心してばかりもいられない。

 

「低レベルのモンスターを呼び出し、リンク先も1つ残されている。再び来るか、シンクロ召喚……!」

「ご明答。このカードもまた、貴方が知らないモンスターです。

 私は、レベル2の砂塵のハルマッタンに、レベル3の隠れ蓑のスチームをチューニング!」

 

 

 

 ――千歳(ちとせ)(ともがら)、レベル5! 《A(アサルト) BF-五月雨のソハヤ》!!

 

 

 

 《A BF-五月雨のソハヤ》

 ☆5 闇属性 鳥獣族 AK1500

 

 ライキリ、チドリに続き、日本刀の名を持つ新たな「A BF」シンクロモンスター。ただ、その攻撃力は並の下級モンスターと変わらない。攻撃表示で召喚されたということは、カード効果への耐性を備えているのだろうか。

 

「五月雨のソハヤの効果発動! このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、墓地から「A BF」を復活させます。

 並び立て、《A BF-驟雨のライキリ》!!」

 

 《A BF-驟雨のライキリ》

 ☆7 闇属性 鳥獣族 ATK2600

 

 リンクモンスターと、5体のシンクロモンスターによって埋め尽くされるモンスターゾーン。これほどの光景は滅多に見られるものではなく、会場の盛り上がりは最高潮に達していた。

 

「驟雨のライキリの効果発動! 今、自身を除く「BF」モンスターの数は4体! よって《超戦士カオス・ソルジャー》と《混沌の場》、そして2枚の伏せ(リバース)カードを破壊します!」

「そうはさせない! 俺は《混沌の場》を対象として、罠カード《スキル・プリズナー》を発動! このターン、《混沌の場》を対象として発動されたモンスター効果は全て無効となる!

 この時、同時に対象となった他のカードも破壊されない!」

 

 飛来した電撃が、あっさりと霧散する。1度目は破壊を利用され、今度は無効化。雷を斬る刀の割には残念な結果だ。小さな観客(こども)たちからも落胆が見て取れるが、黒羽仮面にとっては些細なこと。

 むしろ――。

 

「カオス・ソルジャーは戦闘前に倒しておきたかったのですが、まぁ良いでしょう。さて、貴方は今の私のフィールドがどうなっているか、わかりますか?」

「どうなっているか、だと? シンクロモンスターでメインモンスターゾーンを満たしたのは見事だが…………そうか、五月雨のソハヤの効果か!」

 

 黒羽仮面は言っていた。「A BF」シンクロモンスターは、「BF」を素材としてシンクロ召喚されている場合、チューナーモンスターとして扱われると。そして現在、五月雨のソハヤを除くモンスターのレベルは7と10のみ。

 まさか、とヒトデ男はその身を震わせた。

 

「見せてあげましょう、究極の「A BF」の姿を! 私はレベル7の驟雨のライキリに、レベル5の五月雨のソハヤをチューニング!

 『左下(レフトアンダー)』リンクマーカー、解放!!」

 

 擬似的にチューナーと化したシンクロモンスターと、シンクロモンスターによるシンクロ。さらに、その合計レベルはデュエルモンスターズの限界値。漆黒の翼が交わり、巨大な(いかずち)が会場中に轟く。

 

牡籥(かぎ)かけ(とざ)す総光の門。七惑七星(しちわくしちせい)が招きたる、由来艸阜(ゆらいそうふう)の勢。

 武曲(むごく)零零(れいれい)、急ぎて律令(りつりょう)の如く成せ。シンクロ召喚!」

 

 

 

 

 ――千歳(ちとせ)(ともがら)、真打! レベル12、《A BF-神立のオニマル》!!

 

 

 

 《A BF-神立のオニマル》

 ☆12 闇属性 鳥獣族 ATK3000

 

 雷を放出する大太刀を振るう、最高レベルの超大型シンクロモンスター。飛翔するための両翼は、左側が鋭利な刃物のよう。

 

「レベル12のシンクロモンスターとは、驚いたぜ。だがこれでやっとバトルフェイズに――、」

「いいえ、あと少しだけ付き合って頂きます。墓地から、隠れ蓑のスチームの効果発動!

 このカードはデュエル中に1度だけ、自分フィールドのモンスター1体をリリースすることで、自身を墓地から特殊召喚します。

 私は、ハリファイバーをリリース!」

 

 玻璃の戦士がエクストラモンスターゾーンから消え去り、入れ替わりで復活したレベル3のチューナーモンスター。それが意味することは――

 

「仕上げです。私はレベル7の《BF T-漆黒のホーク・ジョー》に、レベル3の《BF-隠れ蓑のスチーム》をチューニング!

 ライト・エクストラモンスターゾーン、解放!」

 

 

 

 ――千歳(ちとせ)(ともがら)、レベル10! 《BF-フルアーマード・ウィング》!!

 

 

 

「2体目のフルアーマード・ウィングだと!?」

 

 あらゆるカード効果を受け付けない耐性を持つ未知のカードゆえに、1枚しか存在しないと思われたモンスター。その2体目が現れたとなれば、脅威はどれ程のものか。

 4体の総攻撃力は11600ポイント、圧倒的な力を以て正義の進軍が開始する。

 

「バトル! 神立のオニマルで、《超戦士カオス・ソルジャー》を攻撃!」

 

 先陣を切るのは、最高レベルのシンクロモンスター。ヒトデ男が自らの伏せカードを発動させようという気配はない。攻撃力はともに3000ポイント、このままでは相打ちだ。

 

「私の手札が『攻撃力を変化させるカード』だと考え、消費させようと目論んでいるのでしょうが、そうはさせません。ダメージステップに入り、神立のオニマルの効果!」

 

 その瞬間、オニマルは超戦士の眼前で急上昇し、大太刀を天へと掲げた。

 

(くり)より生じし万鬼(ばんき)(おう)――」

 

 (おびただ)しい雷撃が全身を駆け巡り、全身を包み込んでいく。

 

神毒鬼便(しんどくきべん)(あか)狂水(きょうすい)を以って、その御霊(みたま)を鎮めん――」

 

 やがて変化は、ソリッド・ヴィジョンだけでなく数値としても現れる。

 

 《A BF-神立のオニマル》

 ATK3000 → ATK6000

 

「バカな! 攻撃力6000だと!?」

 

 レベル12のモンスターとして相応しい、全てを屠る力。それはまさしく鬼の刃。

 

「斬り裂け――」

 

 

 

 ――鬼刃絶刀(きがぜっとう)ォオオオッ!!

 

 

 

 急降下とともに繰り出される、縦一閃。極大な雷刃が、超戦士の甲冑を木の葉を踏み潰すように粉砕する。

 発生した衝撃はこれまでと一線を画し、大気を(つんざ)く爆音に誰もが耳を塞ぎ、噴煙がフィールド全体を覆い尽くした。

 

『けほっ、けほっ……。黒羽仮面、渾身の一撃が炸裂! これでヒトデ男のライフは残り200! 残るモンスターの攻撃で、勝利だぁあああ!』

 

 咳き込みながらも実況を続行する少女、珠樹。

 彼女が言う通り、黒羽仮面の場には攻撃可能なモンスターが3体残されている。超戦士の特殊能力によって新たなモンスターを特殊召喚しても、受けきれる数ではない。

 

「神立のオニマルはシンクロモンスターのみを素材としてシンクロ召喚されている場合、自身が攻撃するダメージステップの間だけ攻撃力を3000ポイントアップさせます。

 さぁ、終わりにしましょうか」

 

 煙が晴れて行く。黒羽仮面が見つめる先には、暗黒騎士と満身創痍の怪人が――

 

 

 

 《疾走の暗黒騎士ガイア》

 ☆7 光属性 戦士族 DEF2100

 

ヒトデ男 LP3200 手札:3

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 表示されるライフポイントに、一切の変化はない。それどころか手札が増えているではないか。そして変化はもう1つ。

 

伏せ(リバース)カードが消失…………まさか貴方が伏せていたカードは!?」

「そう、俺はダメージ計算時に罠カード《ガード・ブロック》を発動させていた。その効果で、俺が受ける戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドロー。

 最後に《超戦士カオス・ソルジャー》の効果でデッキから《疾走の暗黒騎士ガイア》を特殊召喚したんだ」

 

 戦闘によって引き起こされた爆発があまりにも莫大だったために、カードを発動する際の声が聞こえなかったのだろう。だが、それでも大多数の観客の疑問は完全に解消されたわけではないようだ。

 直前のターン、ヒトデ男がカードを伏せる前に空いていた魔法・罠ゾーンは2ヶ所。他のカードを除去から守る《スキル・プリズナー》は当然として、最後の1枚はダメージを防ぐ《ガード・ブロック》よりも相手モンスターを破壊できる《聖なるバリア -ミラーフォース-》の方が強力なはずだ。

 

「貴様は、一度見せた手が通用するような甘いやつじゃない。むしろミラーフォースを使わせることが狙いだったんだろ?」

「ええ、その通りです。神立のオニマルはカード効果で破壊されないため、ミラーフォースは通用しません。

 効果が無効化されている涙雨のチドリも、破壊され墓地に送られれば、墓地から他の鳥獣族シンクロモンスターを復活させる効果を持ちます」

 

 すなわちミラーフォースの発動は無意味。それどころか、星影のノートゥングが蘇生されることによって追加で800ポイントのダメージが発生していたことになる。

 

「《ガード・ブロック》には驚かされましたが、それも最後の足掻きにすぎません。涙雨のチドリで、《疾走の暗黒騎士ガイア》を攻撃!

 ――雷鳴の一撃、電光斬ッ!!」

「ちぃっ!」

 

 効果が無効化されていようと、攻撃力は並の上級モンスターを上回る。(いかづち)を帯びた刃が振るわれ、風の如き走る騎士は、馬ごと両断された。

 

「これで、貴方の場は今度こそがら空き! フルアーマード・ウィングで、ヒトデ男に直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

「ぐぁあああッ!?」

 

ヒトデ男 LP3200 → LP200

 

 無数の弾丸が、鉄砲雨のように怪人へと降り注ぐ。今度は《クリボー》のような防御カードはなく、大ダメージがヒトデ男のライフポイントを一気に削り取った。

 

「これで終わらせます! 2体目のフルアーマード・ウィングで、攻撃ッ!!」

「終わらせはしない! この瞬間、俺は手札から《護封剣の剣士》の効果発動! 相手が直接攻撃(ダイレクトアタック)を宣言した時、このモンスターを特殊召喚する!」

「ッ! 《ガード・ブロック》でそんなカードを……!」

 

 《護封剣の剣士》

 ☆8 光属性 戦士族 DEF2400

 

 蒼き鎧を纏った、光の護封剣を携える騎士。並のモンスターであれば防ぎきれる守備力だが、如何せんフルアーマード・ウィングの攻撃力は遥かに高い。漆黒の大剣が一振りされただけで、簡単に斬り伏せられてしまう。

 それでも、ヒトデ男の残り僅かなライフポイントを削り切るには至らない。

 

『な、なんと! ヒトデ男、怒涛の4連撃を防ぎきった! このしぶとさは、まさに何度倒されても襲ってくる怪人そのもの!』

 

 直後に上がる、大歓声。

 今の彼は悪役として舞台に立っているが、異世界では決闘王(デュエルキング)と呼ばれた伝説の決闘者。強大な力を持つシンクロモンスターの攻撃を耐えたことで、一気に味方を増やしたのだ。

 

 

 

 ――ヒ・ト・デッ!

 

「Yeah!」

 

 ――ヒ・ト・デッ!

 

「Yeah! ふははははっ!!」

 

 

 

 調子に乗って観客とともに騒ぎ始めるヒトデ男。その醜態に呆れる者もいれば、娯楽として楽しむ者もいる。

 

「ふふっ。流石はアテムくん。スクールアイドル界のエンターテイナーとして、私も見習わなきゃいけないわね。ねぇ、この後混ざってもいい?」

「却下に決まっているだろう。UTXの評判を落とすような真似は冗談でもやめてくれ」

「でも、ツバサちゃんの気持ちはよくわかるわ。特に、実際に戦った私には」

 

 3人の少女が、揃ってそれぞれのデッキのエースモンスターを模した仮面を被りながら観戦している。デュエル中のヒーローと怪人に比べれば常識的な範囲のコスプレであり、壁際で並んでいることもあって周囲からは全く注目されていない。だが、その正体を知れば注目どころの騒ぎでは収まらないだろう。

 

 

 

 ――彼女たちの名は、綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅ。

 

 

 

 日本の頂点に君臨するスクールアイドルグループ『A-RISE』の3人だ。

 

「もしもあの伏せ(リバース)カードがミラーフォースだったら、発動しても破壊耐性と蘇生効果によって、黒羽仮面が繰り出すシンクロモンスターの数は変わらない。

 しかも、ノートゥングの効果で追加の800ダメージまで受けていたのよね」

「結果的に4体の攻撃を防ぎきれず、彼は敗北していた。《ガード・ブロック》で引き当てた《護封剣の剣士》といい、随分とカードに愛されているようだ」

「さぁ、ここからアテムくんはどうやって逆転してくれるのかしら。怪人さんに贈る言葉としては似合わないでしょうけど、私たちを目一杯楽しませてね」

 

 

 

 そんなツバサの声が届いたのか定かではないが、(ひと)(しき)り騒いだヒトデ男は定位置に戻ると落ち着きを取り戻し、デュエルディスクを水平に構え直した。

 

「これで貴様の攻撃は全て終了した。残念だったな、黒羽仮面」

「ですが、貴方のライフは風前の灯火。次のターンで勝たせて頂きます。

 私はメインフェイズ2へ移行し、魔法カード《アドバンスドロー》を発動! エクストラモンスターゾーンに存在するフルアーマード・ウィングをリリースすることで、カードを2枚ドロー!」

 

 《アドバンスドロー》は、レベル8以上のモンスターをコストとする手札補充カード。効果を受けないフルアーマード・ウィングも、発動コストであれば自ら場から離すことが可能だ。さらにエクストラモンスターゾーンを空けたことで、新たなモンスターを呼び出す準備も整った。

 

(ここで《クレーンクレーン》が来ましたか。このモンスターは、召喚時に墓地からレベル3モンスターを特殊召喚できます。

 次のターンに彼が再び守備を固めてきても、蘇生させた隠れ蓑のスチームとともに新たな星影のノートゥングをシンクロ召喚すれば、効果ダメージで彼のライフは0となる。アテムくん、このデュエルは貰いましたよ)

 

「私は、カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 いくらヒトデ男が平静を取り繕っても、どちらが不利であるかは明白。次のターンは満身創痍の怪人による最後の悪足掻き、というのが客観的な現状だ。

 しかし角度を変えて見れば、黒羽仮面は勝利を掴む絶好の好機を逃し、ヒトデ男がその勝機を掴もうとしている。デュエルモンスターズはライフがたった200ポイントしか無くても、相手のライフを0にすれば勝利となるゲーム。

 追い詰められた怪人、窮鼠が(ヒーロー)噛む(倒す)ことができるのか。運命のラストターンが幕を開ける。

 

「俺のターン、ドローッ! よしっ、俺は墓地から装備魔法《神剣-フェニックスブレード》の効果発動! 墓地に眠る戦士族2体を除外することで、このカードを手札に戻す!」

 

 余程良いカードを引き当てたのだろうか。ドローカードを確認したヒトデ男は、即座に墓地の装備魔法の効果を発動させた。彼の墓地には条件に合うモンスターが大量に送られているため、選択肢はよりどりみどり。

 その中で選ばれたのは、《暗黒騎士ガイア》と《開闢の騎士》の2枚。

 

「この瞬間、《開闢の騎士》の効果発動! このモンスターが墓地から除外された場合、デッキから儀式魔法1枚を手札に加える! 俺が選ぶのは《カオスの儀式》!」

「《カオス・ソルジャー》専用の儀式魔法ですね。ですが今更呼び出しても――」

「焦るなよ。ここで俺はフィールド魔法《混沌の場》の効果を発動だ。魔力カウンターを3つ取り除き、新たな儀式魔法《超戦士の儀式》を手札に加えるぜ!」

 

 《混沌の場》

 魔力カウンター 6→3

 

 既に場から数多くのモンスターが墓地に送られていたため、《混沌の場》に蓄積された魔力は限界に達していた。しかし、2枚目の儀式魔法を手札に加えるというヒトデ男のプレイングには誰もが首を傾げた。

 彼の手札6枚のうち、周知されていないカードはたった今ドローしたばかりの1枚のみ。《超戦士の儀式》は、発動できず持て余すことしかできないはずだ。

 

「準備は整った! 俺は手札から速攻魔法《リロード》を発動! 手札全てをデッキに戻し、戻した枚数分だけカードをドローする!」

「なるほど。フェニックスブレードと2枚の儀式魔法は、さしずめ《リロード》の効果を最大限に活用するための弾丸というわけですか」

 

 この状況では役に立たないカードの数々が、新たな5枚のカードへと生まれ変わる。初期手札と同数を引き直す以上、何も起こらないはずはない。誰もがそう確信していた。

 

『勝利の女神は、どちらに微笑むのか! このドローが、ヒトデ男のディスティニードロー!』

 

 怪人の指が、デッキトップ5枚を掴んだ瞬間、会場全体の心が1つになったかのように、静寂が支配する。聞こえてくる音は、店内BGMと誰かが喉を鳴らす音のみ。いや、ヒトデ男にはそれらの音すらも耳に届いていないだろう。

 

 

 

 解き放たれる莫大なフィールとともに、5枚のカードが運命の軌跡を描いた――。

 

 

 

「行くぜ、黒羽仮面! 俺は手札から、魔法カード《死者転生》を発動! 手札1枚を糧として、墓地のモンスター1体を手札に戻す!

 これにより《覚醒の暗黒騎士ガイア》を手札に加え、通常召喚! 相手フィールドのモンスターの数が自分よりも多い場合、このモンスターはリリース無しで召喚可能!」

 

 《覚醒の暗黒騎士ガイア》

 ☆7 闇属性 戦士族 ATK2300

 

 並の上級モンスターの攻撃力しか持たないカードでは、黒羽仮面のシンクロモンスターには到底太刀打ちできない。だが、その程度のことは互いに分かりきっている。ヒトデ男は潤沢な手札から、新たなカードを繰り出した。

 

「続けて、手札から魔法カード《痛み分け》を発動! 自分フィールドのモンスターをリリースすることで、貴様も自分自身のモンスターをリリースしなければならない!

 俺がリリースするモンスターは、《覚醒の暗黒騎士ガイア》! さぁ、貴様も選びな!」

「私は涙雨のチドリをリリースします。ですが貴方の狙いはモンスターの除去ではなく、《覚醒の暗黒騎士ガイア》をリリースすることですね」

 

 《痛み分け》の効果を受けるのは、モンスターではなくプレイヤー。それゆえフルアーマード・ウィングのように効果を受けないモンスターをも除去できるのだが、相手が選ぶ以上最も不要なモンスターが選ばれるのは必然であり、確実性に欠ける。

 だが、これで条件は整った。

 

「ガイアがリリースされたことで、効果発動! 俺は、《超戦士カオス・ソルジャー》を再びフィールドへ呼び戻す!」

 

 《超戦士カオス・ソルジャー》

 ☆8 地属性 戦士族 ATK3000

 

 三度(みたび)現れる超戦士。相手の場に同じ攻撃力のモンスターが存在する状況も、先ほどとほぼ変わらない。今度は何をしてくるのか、実況の少女が叫ぶとともに、ヒトデ男はデュエルディスクへとカードを差し入れる。

 

「俺は魔法カード《増援》を発動! デッキからレベル4の戦士族モンスター《混沌の使者》を手札に加える!」

「ここで《混沌の使者》……!?」

 

 《超戦士カオス・ソルジャー》を小さくしたような姿の、下級戦士族モンスター。その能力は、わざわざ語るまでもなく「カオス・ソルジャー」をサポートするもの。

 

「このモンスターは、「カオス・ソルジャー」か「暗黒騎士ガイア」の名を持つモンスターがバトルする時、ターンの終わりまで攻撃力を1500ポイントアップさせ、相手モンスターの攻撃力をダメージ計算時のみ元々の攻撃力に戻す!」

 

『ヒトデ男、恐るべきサポートカードを手札に加えてきた! 効果が使われれば、超戦士の攻撃力は4500! この一撃で終わらせる気だぁあああ!』

 

 4500ポイントもの攻撃力を以てすれば、大抵のモンスターは容易く破壊できる。それどころか、《超戦士カオス・ソルジャー》の特殊能力とのコンボによって、ライフポイントが満たされていようと致命傷を与えることも難しくない。

 

「最後のバトルフェイズだ! 行け、《超戦士カオス・ソルジャー》! 《BF-フルアーマード・ウィング》を攻撃!」

 

 黒翼の戦士を討たんと、超戦士が空高く跳躍する。そして、ヒトデ男の手札には攻撃力を大幅に上げるカードがある。

 

「俺は――」

「させません! 自分フィールドの「BF」への攻撃宣言時、罠カード《ブラック・ソニック》を発動! 相手の攻撃表示モンスターを全て除外します!」

 

 発動されたのは、さながら「BF」専用の《聖なるバリア -ミラーフォース-》と言うべき攻撃反応型の罠カード。加えて、全モンスターを『除外』するという除去方法はミラーフォースを上回り、『破壊』ではないため超戦士の特殊能力が発動されることもない。

 

「ならば俺は、手札から速攻魔法《星遺物を巡る戦い》をチェーン発動! 《超戦士カオス・ソルジャー》をエンドフェイズまで除外することで、対象モンスター1体の攻撃力と守備力を、除外したモンスターの元々の数値分ダウンさせる!

 俺が選択するモンスターは、《A BF-神立のオニマル》!」

 

 《A BF-神立のオニマル》

 ATK3000 → ATK 0

 DEF2000 → DEF 0

 

 漆黒の嵐によって消滅する寸前、自ら場を離れつつ敵の力を奪い去る。攻守ともに底を尽きたオニマルは空を舞うこともできず膝をついてしまう。下級モンスターの攻撃でも最高レベルのモンスターごと黒羽仮面を倒すことが可能となったが――

 

「アテムさんの場に追撃を行なえるモンスターは無く、手札は《混沌の使者》1枚だけ。エンドフェイズになればカオス・ソルジャーが戻ってきますけど……」

「次のターン、お母さんはアテムくんの僅かなライフを削り切るためのカードを出してくるはず」

 

 大きく動いた割には、罠カード1枚で覆る呆気ない最後。観客たちも一瞬拍子抜けした表情を浮かべるが、あくまでも『ヒーローショー』であったことを思い出した。

 珠樹もその空気を感じ取ると、ヒーローの勝利を高らかに宣言するため、大きく息を吸い込む。

 

『これにて――』

 

 

 

 

 

 ――俺は言ったはずだぜ、これが最後のバトルフェイズだとな。

 

 

 

 

 

『――へ?』

 

 会場内に響き渡るのは、勝利宣言ではなく間の抜けた声。戦況を伝えるモニターにはまだ、『バトルフェイズ』と表示されている。

 

「アテムくんなら、大丈夫だよ。だって……」

 

 穂乃果が見つめる先、少年の瞳は未だ輝きを保っている。それは『諦めていない』と言うよりも、『勝利を確信している』かのようだ。

 

「黒羽仮面、俺にはまだカードがたった1枚だけ残されている。このデュエルに決着をつけるためのカードが」

「な、何を言いますか! 貴方の手札とフィールドのカードでは、もう何もできはしません!」

「ああ、その通りだ。だが貴様は1つ見落としているぜ。『ある1枚』のカードのことをな」

「『ある1枚』…………ッ!?」

 

 黒羽仮面は言われてようやく、思い出す。このターンの間、誰も気に掛けることの無かったカードの存在を。《死者転生》の効果を発動するために、墓地へ送られたカードを。

 あれはいったい、何だったか。さらなる記憶を呼び起こそうとした瞬間、怪人の墓地が激しい光を放ち始めた。

 

 

 

「俺は墓地から、罠カード《破壊剣の追憶》を除外することで、効果発動! 墓地の《バスター・ブレイダー》と《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》を除外し、エクストラデッキからこのモンスターを融合召喚する!」

「バトル中に、墓地のモンスターで融合召喚!?」

 

 罠カードは、伏せたターンに発動することはルール上不可能。しかし、墓地で発動する効果は発動条件が記されていない限りその制約から外れる。

 

「これが正真正銘、最後のモンスターだ! 破壊の剣を振るう剣士よ、蛮竜の力その身に宿し、真の力を解き放て! 融合召喚ッ!!」

 

 

 

 ――レベル8、《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》見参!!

 

 

 

 《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》

 ☆8 光属性 戦士族 ATK2800

 

 白銀(しろがね)の鎧を纏い、より長大な剣を振るう破壊剣士。竜を一方的に屠る能力を発揮することができないが、関係ない。

 その眼前には、刀を杖にして立ち上がろうとするシンクロモンスターの姿がある。

 

(どうやら、ここまでのようですね)

 

 無数の刃が乱舞する戦いに終止符を打つために、剣士は弾丸の如く駆け出した。

 

「ファイナルバトル! 俺はバスター・ブレイダーで、攻撃力0となった神立のオニマルを攻撃ッ!」

 

 

 

 ――真・破壊剣一閃ッ!!

 

 

 

 すれ違うほんの一瞬で振るわれる、破壊の(つるぎ)。怪人の決闘者としての魂が籠められた一太刀は雷刀を圧し折り、装甲を破砕し、黒羽仮面もろとも討ち滅ぼした――。

 

「……お見事です」

 

黒羽仮面 LP1100 → LP 0

 

 

 

 

 

 ライフポイントが0となったことを示す音が響き、会場がしんと静まり返る。その間にも場に残り続けていた互いのカードは、粒子となって消失していく。

 やがて2人の視線が司会の少女・珠樹へと移ると、彼女はハッと我に返り声を張り上げた。

 

『け、決着ーっ!! 正体不明のヒーローと、気色悪い怪人! デュエルを制したのはヒトデ男! 信じられない、まさかの結末だぁあああ!』

 

 大歓声が轟く。ヒーローが敗れたことを嘆く者も当然いるが、それは少数派。次々と未知のモンスターを繰り出す黒羽仮面と、その攻撃を防ぎ切り最後は墓地の罠カードを使った融合召喚による逆転勝利を収めたヒトデ男。

 2人のデュエルは、見る者全ての心を奪い、魅了させたのだ。怪人がヒーローを倒してしまったなど、本当に些細なこと。

 

 

 

 

 

「水緒里、そろそろ」

「うん、知ってる。皆が盛り上がっているうちに行かなきゃね」

 

 デュエルをステージ裏から見続けていた黒髪の少女が、歩き始める。その服装は、いつの間にか朱と白、桃色を基調とする麗しき和装へと変化していた。

 そして――

 

「流石は決闘王(デュエルキング)、我々イリアステルが創り上げたカードさえも超えてきますか。これで私も、中途半端なデュエルを晒すわけにはいかなくなりましたね」

「何を言う、ゾーン。君は『全知全能の神』の力を宿したデッキを操りし男。圧倒的な勝利以外、あり得ぬではないか」

「いいえ、間違いなくそうはならないでしょう。今から私が戦う少女は、全力を尽くすことでようやく対等に渡り合える可能性が生まれるほどの存在。『正真正銘の神』を相手に、油断などという言葉は以ての外です」

 

 主催者の男も、動き出す。生命の樹の力を宿すデッキを握り締めて。

 

 

 

 

 ――今ここに、神のデュエルが幕を開けようとしていた。

 

 

 

 




 本作でのハリファイバーは、イリアステルが開発したものであり、一般には出回っていないカードです。
 そのため、OCGで禁止カードに指定されても出番があるかもしれません。……禁止にならないよね? 割と安めな遊戯王OCGにおける数少ない高額汎用カードだし。ショップへの影響力が凄そう。
 今回はリンク先にモンスターを特殊召喚する際『右下』『左下』と記載しましたが、盤面の表示もあった方が良いでしょうか?
 リンク先にぽんぽん出すような構成にはあまりならない予定ではありますが。

 さて、次回はゾーンのデュエル。対戦相手は本物の神様。共通効果がアニメよりも強化された時械神ですが、一筋縄ではいかないデュエルになるはず。
 それでは、次回もどうぞ宜しくお願い致します。

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