やりたい放題が加速し続けた2人のデュエル、いよいよ決着です。
いつかまともに【サイファー】が組めるようになる日を信じて!
それでは、どうぞ!
「ウチのターン、カードドロー! これなら……!」
光り輝く竜に気圧されそうになる気持ちを振り切り、新たなカードを掴み取る希。それは、彼女に『希望』を与えるための1ピース。
「手札よりフィールド魔法、《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》を発動!」
荘厳な鈴の音が鳴り響き、室内の椅子や机が教会の内装に変質していく。しかしその華やかさも、既に発動されているフィールド魔法《エクシーズ・テリトリー》と混じり合うことで相殺されていた。
「む、ここでリチューアル・チャーチを引き当てたか。そのフィールド魔法は手札の魔法カード1枚をコストとして、デッキから『儀式魔法』または『光属性の儀式モンスター』1枚を手札に加える効果を持つが……」
儀式モンスターを使用していたことから、デッキに投入されていることを予測していたのだろう。ルイは第1の効果を口にした。だが現在、希の手札は0。捨てるためのカードどころか、儀式召喚を行なうためのカードが不足している。
「天元さんの考えている通りです! ウチはリチューアル・チャーチのもう1つの効果発動! 墓地から魔法カードを任意の数だけデッキに戻し、その数と同じレベルを持つ天使族・光属性のモンスターを復活させる!」
「やはりその効果を使うか……!」
デッキにモンスターを戻す効果は数あれど、魔法カードを戻す効果は珍しい。しかも任意の数であれば尚更。そして今、希の墓地には条件に見合う高レベルのモンスターと大量の魔法カードが眠っている。
「ウチはコストとして、
《カップ・オブ・エース》
《手札抹殺》
《草薙剣》
《アドバンスドロー》
《魔力の泉》
《儀式の下準備》
《浅すぎた墓穴》
《貪欲な壺》
《闇の誘惑》
この9枚の魔法カードをデッキに戻し、レベル9の天使族・光属性モンスター《聖占術姫タロットレイ》を墓地より特殊召喚します!」
《聖占術姫タロットレイ》
☆9 光属性 天使族 ATK2700
光に照らされながら、占術の姫が舞い戻る。
これにより強力な魔法カードの再利用が可能となったが、2700ポイントという攻撃力では光波刃竜を倒すことは不可能だ。
「お次はこれや、
《早すぎた帰還》
《聖なるバリア -ミラーフォース-》
《大革命返し》
《時空の落とし穴》
《運命の分かれ道》
この5枚のカードをデッキに戻して1枚ドロー!」
今度は5枚の罠カードをデッキに戻し、新たなカードを手にする。14枚ものカードが再利用できるようになったものの、当然ながら狙うカードを引き当てる確率は大幅に減少してしまう。しかし彼女の強運はこうした常識を覆すことを仲間たちは知っている。
「始まるよ、希先輩の大反撃が……!」
穂乃果の宣言を証明するかのように希は口角を上げ、デュエルディスクへと手をかざす。
「ウチは墓地から《聖占術の儀式》の更なる効果発動! 墓地に送られてから1ターン以上経過したこのカードを除外することで、デッキから「占術姫」の名を持つモンスター《占術姫ウィジャモリガン》を手札に加えます!」
彼女の手札に加わったのは、降霊術の道具の1つ『ウィジャ盤』の名を冠する戦争の女神。右手に短剣を、左手に小さな盾を携えていることからも、姫でありながら戦いを好むことが伺える。
「ウィジャモリガン……、リバースしたターンのエンドフェイズに余の守備モンスターを破壊する効果を持つ『闇属性』のモンスター。そうか、《貪欲な瓶》であのカードを引き直したというわけか」
「ご名答や! ウチは今ドローした《闇の誘惑》を発動! 新たに2枚のカードをドローして、闇属性モンスター《占術姫ウィジャモリガン》をゲームから除外する!」
引き直したカードによって、増強される希の手札。次いで彼女は勢いを殺さぬために新たな魔法を繰り出す。
「まだまだ引きます、魔法カード《カップ・オブ・エース》を発動! 当然正位置、2枚ドローや!」
「ちょっと、それズルじゃないの!?」
不正を疑う優香の怒声を気にも留めず、まるで《強欲な壺》を発動したかのように2枚のカードを引き抜く。しかしこれも日常茶飯事のことなのである。
「……ッ! 更に魔法カード《浅すぎた墓穴》を発動! ウチが裏守備表示で特殊召喚するモンスターは、もちろん《禁忌の壺》や!」
「ならば余も《太陽の戦士》を再び特殊召喚するとしよう」
両者の場に裏向きのまま蘇ったのは、先ほどと同じモンスター。どうせすぐに除去されるのだろうと察しているルイであったが、彼女は見逃していない。
希が《カップ・オブ・エース》によってカードをドローした瞬間に眉がピクリと動いた様子を。
「ここでウチは、タロットレイの効果発動! 裏守備モンスター《禁忌の壺》を攻撃表示に変更する!
そのままリバース効果も発動や!」
《禁忌の壺》(リバース)
☆9 地属性 岩石族 ATK2000
これで通算4回目となる、禁じられた壺の出現。今度はどのような効果が発揮されるのか、皆が期待と不安で胸を膨らませる中、壺の中より2本の腕が飛び出し、希のデッキを軽く叩いた。
「ウチは《強欲な壺》の効果を適用して、カードを2枚ドロー!」
「……希さん、どんだけ引くんだろ」
手札増強魔法の連続発動には、雪穂もやや引き気味だ。少女の脳裏に、『禁止・制限カードが存在しなかった時代は《強欲な壺》や《天使の施し》を1ターンで何度も使っていたんだろうな』と悪夢のような光景が浮かぶ。
「ならば余もこのタイミングで使うとしよう。永続罠カード《リビングデッドの呼び声》を発動!
墓地より《セイクリッド・プレアデス》を攻撃表示で特殊召喚し、《セイクリッドの星痕》2枚分の効果で2枚のカードをドローするのだ!」
《セイクリッド・プレアデス》ORU 0
★5 光属性 戦士族 ATK2500
そしてまた、ルイが手札を増やす速度も負けてはいない。
光の戦士が再度フィールドへと現れたことで永続魔法の効果が適用され、彼女の手札は5枚となった。湯水の如くカードを使用しているとは思えないプレイングに、希は感心する。
「天元さん、ちっとも手札が減らんなぁ。でも、今のドローで準備は整った!
ウチは《聖占術姫タロットレイ》と《禁忌の壺》をリリースして、モンスターを裏守備表示で召喚します!」
「エクシーズ召喚ではなく、最上級モンスターをアドバンスセットするだと!? そうか、そなたの狙いは……!」
レベル9の最上級モンスターが2体並んでいるにも関わらず、希はそれらをエクシーズ召喚ではなくアドバンス召喚の素材とした。
これだけでも十分驚愕に値するが、現れたモンスターの表示形式は『裏守備表示』。
「ついに来るか、東條のデッキに眠る切り札。デュエルモンスターズの中でも最高峰の除去能力を誇る究極のスピリットが……!」
アテムはかつて、スピリットモンスターを操る決闘者と戦ったことがある。その名は海馬乃亜。
東洋の神秘をモチーフとして作られた幻のシリーズを前に敗北寸前にまで追い詰められたのだが、彼が終ぞ使用することのなかったスピリットモンスターが存在する。
「ウチは手札より、魔法カード《太陽の書》を発動! フィールド上に裏側表示で存在する、ウチのモンスターを攻撃表示に変更しますっ!」
日本神話において、
裏守備表示という名の
太陽を司る女神にして、最高神の名は――
――降臨せよ、レベル9! 《
《天照大神》(スピリット)
☆9 光属性 天使族 ATK3000
天を照らし出す大いなる神。剣を携える女性の威光に、銀河の名を持つ竜ですらたじろぐ。
「なるほど、《先史遺産コロッサル・ヘッド》や《ADチェンジャー》は《天照大神》の効果を活かすためでもあったのだな。そのモンスターはデュエルモンスターズの中で唯一、召喚も特殊召喚も不可能。それゆえアドバンスセットでしかフィールドに出すことはできないからな」
加えて、スピリットモンスターの特性としてエンドフェイズには強制的に手札へと戻ってしまう。よってこの女神を使役する決闘者には非常に高度な実力が必要不可欠。
しかしその対価として、アテムが口にした『究極のスピリット』に恥じない恐るべき特殊能力を秘めている。
「《天照大神》の効果発動や! このカードがリバースした場合、自身を除くフィールド上のカード全てを除外しますッ!」
岩戸の中からアマテラスが現れた時、災厄で満ちた世界に光が戻ったと言われる。しかしこのモンスターが
カードを対象に取ることなく、全てを根こそぎ滅する。これを完全に回避する手段はそうそうない。
「くっ! ならば余は
このターンのエンドフェイズに、リリースしたエクシーズモンスターと同じ種族でランクが1つ低い「
『破壊』によって墓地に送られるのであれば光波刃竜の効果を再び発動することができたのだが、『除外』では意味がない。そのため、ルイは除外される前に次のモンスターを呼び出すための手を打つ。
「魔法・罠のチェーン発動、それを待っとったで! 《パージ・レイ》にチェーンして、ウチは手札から2枚の速攻魔法《魔力の泉》と《非常食》を発動や!」
「なっ……!」
小さな少女の表情が、またも驚愕に染まる。これから彼女の場が被る破滅とは逆に、希にはライフポイントと手札という恵みが降り注ぐ。
「これ以上チェーンするカードがないなら、まずはチェーン4の《非常食》の効果を処理させて貰うで。発動コストとしてウチのフィールドから2枚の魔法カード《魔力の泉》と《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》を墓地に送って、ライフを2000ポイント回復します!」
希 LP900 → LP2900
魔法・罠カードにチェーンして《非常食》を発動することで回復量を増やすプレイングは、残りライフが少ない希にとって大きな助けとなる。また、彼女の狙いはこれだけではない。
「次にチェーン3、《魔力の泉》の効果処理や! 今、天元さんのフィールドに表側表示で存在する魔法・罠カードは合計6枚! ウチのフィールドには《非常食》1枚のみ!
よって6枚のカードをドローして、手札から2枚目の《スキル・プリズナー》を墓地に捨てます!」
《非常食》の効果で予め2枚の魔法カードを墓地に送っておいたおかげで、墓地に捨てる枚数を1枚減らすことができた。相手のカードをも利用する希のコンボに、アテムは笑みを浮かべる。
「ライフポイントと手札を一気に満たしたか。《魔力の泉》が持つ相手の魔法・罠を『破壊』できなくなる効果も、《天照大神》が持つ特殊能力の前では関係がない」
続くチェーン2である《パージ・レイ》の効果が発揮されるのはエンドフェイズ。そのため即座にチェーン1の《天照大神》の効果が適用される。
「最後に、《天照大神》の効果でフィールド上のカード全てを『除外』します! これこそが、全てを無に帰す破滅の光や!」
眩い閃光が全てを包み込み、モンスター・魔法・罠というありとあらゆるカードが消滅していく。たとえ《魔力の泉》の効果によって破壊から守られているルイのカードも、『除外』の前では意味を成さない。
どこぞの太陽神も見習って欲しいものだと、以前とある王は語っていた。
「ルイさまのフィールドが、全滅ですって……!?」
破滅の後に残ったのは、剣を掲げる女神のみ。一瞬にして7枚ものカードが奪われたのだから、優香が呆然とするのも無理はない。そして希の手札は5枚。激戦に決着をつけるべく、少女は1枚のカードを繰り出した。
「最後に、手札から装備魔法《巨大化》を《天照大神》に装備! ウチのライフが天元さんよりも低いため、装備モンスターの攻撃力を元々の2倍にする!」
《天照大神》
ATK3000 → ATK6000
女神の手に握られていた剣が文字通り巨大化し、その刃渡りが身の丈と同等になる。右手一本で軽々と担ぐ姿からは、華奢な見た目を一切感じさせない。
「バトルフェイズ! ウチは《天照大神》で、プレイヤーに
「これで希先輩の――」
ルイ LP4900 → LP2900
『ッ!?』
しかしそれは叶わない。確かに少女のライフポイントは減少したが、その数値は2000ポイント。与えるはずだったダメージの丁度3分の1である。
「どうして、天元さんのライフが……?」
「答えは簡単だ。余はそなたが攻撃してきた瞬間、手札からこのモンスターの効果を発動させていたのだ。
ふふっ、《セイクリッドの星痕》の効果で引き当てていなければ負けているところだった」
《クリフォトン》
☆1 光属性 悪魔族 ATK300 / DEF200
ルイが墓地から取り出して公開したのは、白熱電球タイプのブラックライトのようなモンスターカード。
それはアテムが多用する低レベルモンスター《クリボー》に名前と姿がよく似ており、能力値も属性を除いて全く同じであった。
「……なるほどな。そのモンスターは効果発動のコストとして自身を手札から墓地へと送り、同時にライフを2000ポイント支払うことで相手の目を眩ませ、戦闘ダメージを無効化するということか」
「惜しいわね。ルイさまの《クリフォトン》は重いライフコストを要求する代わりに、発動ターンのあらゆるダメージを0にするのよ」
敗北をほぼ免れるとはいえ、随分と使いづらいカードを使うものだとアテムは感心する。デュエル開始時のライフポイントが4000である以上、ライフコストを要求するカードは《神の宣告》のように『半分』のものを除いて敬遠されがちであるからだ。
今ここにいない絵里のデッキには《裁きの龍》や《
(奴が前のターンに使った
更に互いのライフポイントが並んだことによって《巨大化》の効果は無意味となり《天照大神》の攻撃力が元通りになる。しかし、エンドフェイズに手札へと戻ってしまうスピリットモンスターであれば大した問題にならない。
「これでそなたのバトルフェイズは終了だが、よもやこのまま《天照大神》を手札に戻して終わり、というわけではないのだろう?」
「ようわかってますね。仕留めきれんかった時のため、アフターフォローも万全や。
ウチはメインフェイズ2へ以降して、
《太陽の書》と対を成す魔法カードの効果により、太陽の女神は再び天岩戸の中へと隠れてしまう。よって最初のターンに《荒魂》が裏守備表示となった時と同じく、エンドフェイズに手札へと戻るデメリットは発生しない。
「これでウチはターンエンド。そして……」
「そうだ。このエンドフェイズ、余が発動した《パージ・レイ》の効果が適用される!
リリースした
――現れよ! 《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》!!
《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》ORU 0
★8 光属性 ドラゴン族 ATK3000
またしても攻撃力3000の「ギャラクシー」モンスター。これまで呼び出された同種のドラゴンとは異なる白銀の鎧、そして透き通る空色の双翼は持ち主に希望を与えているかのよう。
エクシーズ召喚以外の方法で呼び出され、オーバーレイ・ユニットを持たないエクシーズモンスターは脅威ではないというのが常だが、このモンスターは例外だ。
「希さん、ここが正念場だね。タイタニック・ギャラクシーは1ターンに1度、フィールド上で発動した魔法カードの効果を無効にして自身のオーバーレイ・ユニットに変換する特殊能力を持つ。
この局面で封殺系のモンスターは、かなりのプレッシャーになるはずだよ」
通常のエクシーズ召喚には苦労するランク8のエクシーズモンスターに相応しく、攻撃力・効果ともに圧倒的。『タイタニック』の名は伊達ではないということか。
「いや、まだだ。東條の《天照大神》の守備力も3000ポイント。攻守を変動する効果を使わない限り倒されることはない。
仮に戦闘破壊されようとも、リバースした瞬間に再び全体除外効果を発動することが可能。まだ勝負はわからないぜ」
そう口にしつつもアテムは言いようのない不安に駆られていた。
第1の理由として、かつての好敵手を思い起こさせる、攻撃力3000を誇るドラゴン族モンスターの大攻勢。
第2に、彼の仲間も使用するオーバーハンドレッド・ナンバーズを使役していること。
そして第3に、彼自身と同じく通常の人間とは思えない力が、少女の内から溢れ出ようとしているように感じていたからだ。
「さて、と。次で8ターン目となるが、余とそなたのデッキは残り少ない。このターンで決着をつけるとしよう」
『……ッ!』
少女が小さく呟いた瞬間、まるで一陣の風が吹いたかのように希たちは一歩後ずさる。彼女たちを貫くかつてない戦慄と威圧感は、ルイが更なる本気を出そうとしている証拠。
「行くぞ、余のターン! 天に輝く北斗七星、そのミザールの力を今再び見せてやるのだ!」
――余は、《
「なんやて!?」
「これって、アテムくんと同じ……!」
運を自在に操作する希でさえも、驚愕せざるを得ない。なぜなら目の前の少女は、カードを引き当てる前に正しく言い当てたからだ。
「このカードは、メインフェイズ1開始時にエクストラデッキ・墓地よりオーバーハンドレッド・ナンバーズを特殊召喚する! 蘇るのだ、《No.107
《No.107 銀河眼の時空竜》ORU 0
★8 光属性 ドラゴン族 ATK3000
再度顕現した時空竜が、先駆けの銀河竜と並び立つ。しかし今発動された魔法カードは「RUM」の名を持つ。単なる蘇生だけでは終わらない。
「更に! 今復活させた
余の魂に宿りし粒子! 今、光を超えた力となりて時を逆巻け!」
――再び顕現せよ、ランク9! 《
《CNo.107 超銀河眼の時空龍》ORU 1
★9 光属性 ドラゴン族 ATK4500
「す、凄い。《貪欲な壺》で戻した
その性質上、デッキトップを操作しなければ10回デュエルをする中で1回でも発動できれば御の字と言えるカード。だがそれを、効果によるドローを乱発するルイが『わかっていたかのように』使用した事実に対して穂乃果たちは驚きを禁じ得ない。
そして超時空龍はカオス・オーバーレイ・ユニット1つを使用することで、自身を除くフィールド上のカード効果を無力化し、相手フィールド上のあらゆるカードの発動を封じてしまう。
「タイタニック・ギャラクシーの効果も無効になってしまうが、まぁ良い。余は
「そうはさせへん! ウチは
ルイが効果の発動を宣言する瞬間、希が割り込む。一見ルール違反にも見える行為だが、超時空龍の効果はスペルスピード1の『起動効果』に分類される。罠カードや速攻魔法カードのようなスペルスピード2のカードであれば、効果を発動する前に非ターンプレイヤーが発動することを許されるのだ。
「
罠カードの効果で、フィールド上の裏守備モンスター《天照大神》を表側守備表示に変更! その後、対象モンスターの守備力によって異なる処理を行なう!」
「2000以下であれば対象モンスターを破壊、超えていればそのまま裏守備に戻すのであったな。《天照大神》の守備力は3000であるため後者が適用されるが、これは……!」
ほんの一瞬だけ天岩戸から姿を現した女神だが、即座に奥へと隠れてしまう。それでも1度表側表示となった事実は変わらない。よって秘めたる力が解放される。
「ウチは、リバースした《天照大神》の効果発動! 自身を除くフィールド上の全てのカード、すなわち天元さんの
再度発動された破滅の光により、ルイが操る2体のドラゴンが消滅する。その跡で静かに鎮座する岩戸に、仲間たちから歓声が送られた。
「流石は東條だ。カオス・オーバーハンドレッド・ナンバーズの出現に臆さず、リバース・コンボを成功させるとはな。
あの罠カードの効果を受けた《天照大神》は、裏守備表示のまま効果を発動する。発動時に表側表示となっていなければ、仮に天元の手札に速攻魔法《禁じられた聖杯》があったところで効果対象にすることは不可能だ」
「更に裏守備表示に戻ったことで、エンドフェイズに手札へ戻ることもない。あの人の手札に「フォトン」モンスターがいれば次の攻撃も防がれるだろうけど、効果を再発動すれば希さんのライフが逆転するね」
《クリフォトン》には、手札の「フォトン」モンスターを墓地に捨てることで自身を手札に戻す効果がある。雪穂の言う通り、この効果をルイが使えば次のターンもダメージを無効化されてしまうが、それも延命処置に過ぎない。
「……ふふっ。《禁忌の壺》に《天照大神》、強力な全体除去をこう何度も発動してくるとは驚いたよ、東條希。だが、これで安心するのは早いぞ!
余は手札より《
《光波異邦臣》
☆1 光属性 魔法使い族 ATK 0 → ATK500
これまで墓地で効果を発動してきた光の魔法使いが、場に姿を現す。その手には攻撃力を僅かに上げる杖が握られるが、少女の狙いは別にある。
「《ワンダー・ワンド》のもう1つの効果発動! 装備モンスターとともに墓地へ送ることで、カードを2枚ドローするのだ!」
強力なエクシーズモンスターをあっさりと失ってしまったにも関わらず、ルイは止まらない。『驚いた』と述べつつも、堂々と2枚のカードを新たに引く姿は、想定内だったとでも言わんばかりだ。また、これは単なる手札交換では終わらなかった。
「《光波異邦臣》が墓地へ送られたことにより、効果発動! デッキから「サイファー」の名を持つ魔法・罠カード、《RUM-
そしてこのカードを捨てることにより、手札から装備魔法《
「ッ! 「RUM」を手札コストに!?」
元より発動するつもりがなかったのだろう。一切迷うこと無く、手札に加わったばかりのカードが墓地へと送られた。
これにより発動された装備魔法だが、現在互いの場には表側表示のモンスターは存在しない。すなわち、装備対象は別次元のモンスター。
「《D・D・R》はゲームから除外されている自分のモンスターを呼び戻す装備魔法! 余が復活させるモンスターは、当然
さぁ、
《CNo.107 超銀河眼の時空龍》ORU 0
★9 光属性 ドラゴン族 ATK4500
倒したばかりの超時空龍が、いとも簡単にルイの場へと帰還してしまう。その6つの眼光は、目に映る敵を射殺さんとばかりに
穂乃果も畏怖の念を抱きつつ必死に声を張り上げた。
「で、でも! 今の
「それはどうかしら、高坂。アンタはルイさまがダークマター・ドラゴンを呼び出した時に墓地へ送ったドラゴン族モンスターを忘れているみたいね」
「天元さんが、墓地に送ったモンスター……?」
連続エクシーズ召喚によって《ギャラクシー・ウェーブ》の効果を発動し続けた4ターン目、最後に現れた闇の「ギャラクシーアイズ」。その時希のデッキからモンスターを除外する際にルイが墓地へと送った3体のうち、1体の効果が発動された。
「余は墓地から《
《銀河眼の雲篭》
☆1 光属性 ドラゴン族 ATK300 / DEF250
《CNo.107 超銀河眼の時空龍》
ORU 0 → 1
《
「行くぞ! 余は
――タイム・タイラントッ!!
己の魂たる結晶を喰らうと同時、世界は暗き虹色に反転した。時空を支配する暴君は、その目に映る全てを無力と化す。現在互いの場に存在するモンスターと装備魔法は静止し、もう2度と自力で動き出すことはないだろう。
「マズいな。《天照大神》が効果を発動できなくなった今、
それどころか、天元の手札はまだ3枚も残っている……!」
ルイはターンの始めに、このターンで終わらせると宣言した。今ならば、それがハッタリでないことは明白。
少女は不敵に微笑むと、手札から更なる魔法カードを繰り出す。
「手札から装備魔法《
《
《銀河眼の光波竜》ORU 0
★8 光属性 ドラゴン族 ATK3000
超時空龍に続いて復活するのは、敵モンスターを意のままに操る光波竜。《D・D・R》と似たような性質を持つカードではあるが、手札コストが必要ない代償として、光波竜はデメリットを負うこととなる。
しかしそれは無いも同然。これまでの展開を見ている雪穂の額から一筋の汗が流れ落ちた。
「装備魔法《銀河零式》で特殊召喚したモンスターは攻撃も効果の発動も封じられる。だけど、「ギャラクシーアイズ」モンスターであればエクシーズ・チェンジによってデメリットを打ち消せる。
これが基本的なコンボだけど、あの人の墓地には……」
「妹の方はよくわかっているみたいね。予測している通り、ルイさまの更なるコンボをとくと見ておくといいわ!」
蘇生させたモンスターと因果関係を持つカードの多くは、どちらかがフィールドを離れた瞬間にもう片方をフィールドから消滅させてしまうデメリットを持つ。だが《銀河零式》のそれは、他と少々異なる。
「余は墓地より《シャッフル・リボーン》を除外することで、もう1つの効果を発動! 《銀河零式》をデッキに戻すことで、カードを1枚ドローするのだ!
この時、装備モンスターの攻撃力は0となる!」
《銀河眼の光波竜》
ATK3000 → ATK 0
そう。この装備魔法が場を離れることにより発生するデメリットは、装備モンスターを破壊せずに攻撃力を奪うことのみ。手札を得た代償として光波竜が無力と化すが、雪穂が前述した通り全くの無意味だ。
「まだ続く! 余は今ドローした魔法カード《死者蘇生》を発動し、墓地より
そして、2体の「ギャラクシーアイズ」をダブル・エクシーズ・チェンジッ! 現れるのだ、《銀河眼の光波刃竜》! 《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》!」
《銀河眼の光波刃竜》ORU 1
★9 光属性 ドラゴン族 ATK3200
《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》ORU 1
★8 光属性 ドラゴン族 ATK4000
光波竜は3枚目の光波刃竜に進化することでより高い攻撃力を手にし、時空竜は光子の力を再度身に纏う。
超大型エクシーズモンスター3体が並び室内を埋め尽くす様子は、まさに圧巻の一言に尽きる。
「
「どうやらそのようだな。しかし余のフィールドには3体の
――壊滅のフォトン・ストリームッ!!」
光子竜の喉奥から放たれた熱線を浴び、女神は岩戸もろとも砕け散る。時の歩みを止められた希の場では、リバースしたことで発動するはずのモンスター効果も発動されない。
「これで終わりなのだ!
――殲滅のサイファー・スラッシュ!」
光波刃竜が繰り出す刃が、希の頭上から振り下ろされる。彼女の残りライフは2900ポイント。攻撃力3200の攻撃をまともに受けた瞬間に勝負は決する。
「まだや! ダメージ計算時、ウチは手札のモンスターカード《アルカナフォース
1度デッキに戻っていた異形の天使が、主を守護するために再び力を発揮する。これはフィールドを経由せずに墓地へと送られる効果であるため、やはり超時空龍の効果で阻害されることもない。
「防いだか。だが、余の攻撃はまだ残っているぞ!
――アルティメット・タキオン・スパイラルッ!!」
「その攻撃も止めさせて貰います! ウチは手札から《ゴーストリック・フロスト》のモンスター効果発動!
相手モンスターが
「なんとっ!?」
コートにマフラーを着込んで防寒対策を施した、雪だるまのような霜の妖精が軽く息を吹きかける。たったそれだけの動作で三つ首の金色龍はみるみるうちに凍りつき、裏守備表示という名の氷像と化してしまった。
その様子を見届けた小さな雪だるまが、手札からふわりと舞い降りる。
《ゴーストリック・フロスト》(裏側守備表示)
☆1 闇属性 悪魔族 DEF100
「希さんも凄い……! 3体のドラゴンの攻撃を全て受けきった!」
「天元がバトル前に
これでメインフェイズ2へ移行しても、《スキル・プリズナー》の効果でモンスターの破壊を防ぐことができる」
「残った《ゴーストリック・フロスト》からアドバンス召喚やエクシーズ召喚に繋げれば、まだ希先輩に勝機はある!」
希の息はアテムたちの目から見て明らかに上がっている。しかし銀河眼軍団を前にして恐れること無く立ち続けた彼女の手には、一筋の希望が握られた。
次のターンのドローが勝負。4人の心は1つとなり――
「何を勘違いしておるのだ。まだ余のバトルフェイズは終了していない!」
――少女の叫びによって、容易く打ち砕かれる。
『ッ!?』
「速攻魔法発動、《旗鼓堂々》! 発動後に特殊召喚ができなくなる代わりに、墓地の装備魔法1枚をフィールドのモンスター1体に装備する!
これにより、余は《
3体のうち1体、「フォトン」の名を持つ銀河の竜の手に二振りの細剣が握られた。既に戦闘を終えているというのに、その瞳は爛々と輝き闘志を燃やし続ける。
似たような名前を持つカードを持つ決闘者と戦ったことのあるアテムは、その装備魔法の効果を知っていた。
「あれは確か、装備モンスターの攻撃力を500ポイントダウンさせ、バトルフェイズ中に2度の攻撃を可能とする装備魔法。
発動には手札1枚を捨てなければならないが、《旗鼓堂々》の効果で直接装備することによりコストを踏み倒したのか!」
「で、でも希先輩の《ゴーストリック・フロスト》は裏守備表示! この攻撃を受けてもダメージは受けない!」
既に希の手札は尽き、墓地にも攻撃を防ぐカードはない。つまり次の攻撃で場のカードすらも消え去るが、ライフポイントが残されていれば負けることはない。穂乃果は次のドローに希望を託そうとしたのだが――
「残念だけどこれで終わりよ。ルイさまの手札に残った最後のカードは、間違いなくアレだからね」
「正解だ、優香。余はFA・フォトンを対象として、手札から速攻魔法《フォトン・トライデント》を発動!
このカードは「フォトン」モンスターの攻撃力を700ポイントアップさせ、守備モンスターを攻撃した時、攻撃力が上回った数値だけ戦闘ダメージを与える!」
「か、貫通能力やて!?」
《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》
ATK4000 → ATK3500 → ATK4200
光子竜が双剣を眼前で束ねた瞬間、閃光とともに1つの
小さな雪だるまの守備力はたったの100ポイント。
「行け、《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》! 壊滅の槍にて、裏守備表示の《ゴーストリック・フロスト》を貫くのだ!」
――フォトン・ストリーム・トライデントッ!!
希 LP2900 → LP 0
「きゃぁああああっ!?」
光り輝く槍が雪だるまの身体を貫き、蒸発させる。その余波は希までも襲い、4100ポイントもの戦闘ダメージが彼女の残りライフ全てを刈り取った。
◆
「惜しかったですね、希さん」
「だが、いいデュエルだったぜ」
「どっちが勝ってもおかしくないデュエルでしたし、次はきっと勝てますよっ!」
大ダメージを受けた衝撃によって尻餅をついてしまった希へと、穂乃果たちの手が伸ばされる。彼女たちの手を取って立ち上がる希の顔には笑みが浮かんでいた。
「あはは……。ありがと、皆。負けて悔しいことは確かやけど、ウチが今持てる全ての力を出し切ったから、むしろ清々しいって気持ちの方が大きいかなぁ」
ドラゴンの軍勢に対して抱いていた『畏怖』も、最後には『感嘆』へと変わっていた。
最終的に希が削り取ったライフポイントは、100ポイントの戦闘ダメージと2000ポイントの効果ダメージの1回ずつ。決して多いとは言えない数値と回数だがそれでも、お互いのデッキを限界近くまで使い切った攻防は戦っていた希自身を昂揚させた。
(エリちがドラゴン族モンスターを好きになる気持ち、ちょっとわかって来たかもしれへんなぁ)
絵里に限らず、彼女の周りにはドラゴン族モンスターを切り札とする決闘者が多い。アテムのデッキに眠る三幻神のうち2柱も種族は違えど『竜』の名を持っている。巨大なドラゴンがソリッド・ヴィジョンによって次々と呼び出される光景は、男女問わず虜にしてしまうのだと改めて実感させられた。
ところで、当のデュエルの勝者である少女はと言うと。
「いやぁ、強靭な銀河眼軍団を巧みに操って勝利したルイさまはやっぱり無敵です! 最強です! というわけで結婚しましょうっ!」
「待て優香、文脈がおかしい! まるで意味がわからんぞ!」
部屋の中心で赤髪の少女に抱きつかれ、愛を叫ばれていた。その様子から当然と言うべきか、先ほどまで感じていた威圧感は完全に消え失せている。
仲良くじゃれ合う2人へと、希たちは引き寄せられるように近付く。
「ウチの完敗です、天元さん。自分の実力不足を心底思い知りました」
「そう謙遜するでない。運用の難しい《禁忌の壺》や《天照大神》の効果を何度も使うそなたのデッキに、余は大層驚いた。
是非、今度またデュエルを頼みたいものだ。このデュエルでは見られなかった、更なる戦術を見せて貰うためにも」
「ッ! 鋭いんですね、天元さん。そちらも何か秘密がありそうやけどな」
「ふふっ。隠し事をしているのはお互い様、というわけか」
互いに賞賛する2人であったが、何やら意味深に笑い合う。デュエルをしたことで心を通わせたからであろうか。傍からは見えるけど見えない、新たな戦いが始まっているように感じられる。
「2人とも、本当に凄まじいデュエルだったぜ。俺のデッキに眠る『神』が戦いたいと疼くほどにな。呼び出すだけの
だが、今のデュエルを見て戦いたいと感じたのは俺だけじゃない。そうだろう、穂乃果」
「あ、わかっちゃった? 実は私も、2人がデュエルしている途中から戦いたくて仕方なくって……」
アテムが問うと、穂乃果は力強く頷き返す。魂が疼き、戦いを欲するのは1人の決闘者である以上仕方のないこと。
その闘志を目にしたルイは、右手に嵌めた手袋で汗を拭い、チラリと部下へと目配せする。
「良い目だ。しかし余も少々疲れた故、連戦というわけにはいかん。優香よ、そなたの出番だ」
「え、アタシですか? デッキは持って来ていますけど、時間も遅いですしルイさまを家まで送り届けないと――」
「うぅ、そんなぁ。余のためにデュエルしてくれぬのかー? デュエルしてくれれば頭を撫で」
「――全力でやらせて頂きますッ!!」
幼子のように瞳を潤ませて懇願した瞬間、言い終わる前に優香の腕にはデュエルディスクが展開されていた。いっそ清々しいほどの変わり身の速さである。
「ルイさまが色んな所を撫で撫でしてくれるっていうのなら、アタシはもう何も怖くない! むしろ全員かかってきなさい! みんなまとめてやっつけてやる!」
「……いくら優香でも、流石に複数人相手は無謀ではないか?」
それ以前に不適切な発言をしているのだが、指摘する気力も失せているのか軽くため息をつくだけだ。希と雪穂も苦笑いを浮かべるが、案の定理解していないアテムと穂乃果は顔を見合わせて首を傾げていた。
「とにかく頑張れよ、穂乃果。奴は一見ふざけているように見えるが、天元の仲間だ。そう簡単に勝てるほど甘い決闘者ではないはずだ」
「もちろん油断しないよ。いつ何時でも全力で戦うのが真の決闘者、だよね」
高鳴る気持ちを途切れさせまいと、穂乃果は希と入れ替わるように部屋の端に立つ。そして左腕に山吹色のデュエルディスクを展開し、60枚のメインデッキと15枚のエクストラデッキ、合計75枚の
「お待たせ、神城さん。いいデュエルにしようねっ!」
「ふんっ。そんなお気楽な台詞をいつまで口にできるかしらね。デュエルの後でルイさまをペロペロするためにも、アンタを完膚なきまでに叩き潰すつもりで行かせて貰うわ!」
「あれ? なんか最初に天元さんが言ってたのと変わってるような――」
「シャラップ! さっさと始めるわよ! デュエル開始の宣言をしなさい、ヒトデ頭!」
「ヒトデじゃない、かしこいかっこいいアテムだ! ……まぁいい、今のデュエルに負けないくらいのデュエルを期待してるぜ」
いつも厳しいツッコミ(物理)をしてくれることりや、最近では穏やかに
「デュエル開始ッ!!」
『デュエルッ!!』
穂乃果 LP4000 DECK:60
優香 LP4000 DECK:60
そんな3人の気持ちは露知らず。宣言とともに2人の少女のデュエルが幕を開ける。
ちなみにアテムの右手に握られたコーヒーカップには、いつの間にか本日5杯目となる『ギャラクシーアイズ・マウンテン』が注がれていた。
閲覧ありがとうございました。以上、
【スピリット+占術姫+ゴーストリック+当然正位置】
【フォトン+ギャラクシー+サイファー+セイクリッド+ミザエル】
詰め込み&積み込みしまくりのデュエルでした。希のデュエルは黒星という結果に終わり、彼女を応援していた読者の方々には申し訳ありません。
作中でもかなり強い扱いだけど、戦う相手が悪かった。彼女はそんなポジションだったりします。
《銀河眼新生》や《光波干渉》がOCG化していれば良かったのですが、無いものは仕方ありませんね。
《パージ・レイ》でプライムとタイタニックのどちらを出すか迷っていましたが、結局は《天照大神》に除外されてしまうため後者を出すことに。
実は希にはまた別の使わせたいカードがあるのですが、それはまたアテムと戦う時にでも。
さて次回は、アテムに感化されて60枚デッキとなってしまった穂乃果と、月光江戸村のマスコット『ねこにゃん』の中の人のデュエルとなります。
それでは、次回もよろしくお願いします。
最後に余談。
今回のARC-Vが始まる少し前、「新規D-HEROの名前はドリーム・ガイとかどうだろう」と半ば冗談で呟いていたら、本当に出てきて思わず笑顔になりました。