比企谷八幡の異世界漂流記。   作:Lチキ

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アニメ見て、研究したけど難しい!

よく八幡はあれをぶっつけでやれたのだと感心してしまう今日この頃です。

所々内容が前作と変わってきました。これからもう少し変わるのでご容赦を。

それと、八幡とセッシーの口論後半戦は次回です。

それでは感想待ってます!


織斑一夏は彼女と口論する。

「今度は一体何したんだよ?」

 

 

教室に戻ってきた一夏は、席に座るなりそんな事を聞いてきた。

 

はて、まったく身に覚えがない。と言えば嘘になるがなんでこいつがいきなりそんな事を聞いてくるのか?

 

 

「普通にしてた」

 

 

「それ嘘だろ」

 

 

一瞬で看破された。ばれない嘘はないと言うがここまで一瞬でバレルとは思っていなかった。

これは何も俺の嘘がこの鈍感の冠を被る男に即ばれするほどに粗末だったという訳ではない。

 

では、なぜばれたのか?

 

鈍感、鈍感と思っていたが意外と勘が鋭い時もあるのだろうか、それならばこいつに下した評価を改めなければいけない。

 

薄らと感心していた俺だが、その次の一夏の言葉でその原因を知る。

 

 

「後ろの人めっちゃ事睨んでるじゃん」

 

 

一夏が指さす方向は教室の一番後ろの席、

そうセシリア・オルコットの席だった。

 

オルコットは、苛立ちを募らせたように眉間に皺を寄せてこちらの方を睨む。

 

その姿は、イギリス貴族のレディとしてどうかと思った。

 

だって少なくとも俺のイメージでは貴族のお嬢様は口をイーと開けぐぬぬぬ・・・なんて声を漏らしたりはしないし。

 

貴族云々前に年若き少女としてどうなんだあれは?

 

 

「知らねーよ、元々ああいう顔なんだろ。それに、仮に睨んでるんだとしてもお前の事かもしれねーだろ」

 

 

「いやいや、だって俺はついさっきまで箒と話してたし。それにこんな短時間で親の仇を見るような目で睨まれることができる人間なんて八兄しかいないし」

 

 

「言いがかりも甚だしいな。俺ならそもそも認識すらされない。

 

ていうかお前、いくら耐えられないからって掃除用具とお話するのはどうかと思うぞ?」

 

 

四方八方からの女子の視線に耐えられずに現実という世界から掃除用具入れの中に逃げてしまった我が弟を憐みの目で見ながら言う。

 

メンタルが弱いとは思っていたが、まさかここまでとは・・・

 

鈍感→意外と鋭い→かわいそうな子

 

この数分のやり取りだけで評価の波が凄いな。

 

 

「違うから、誤解だから。そんな痛い子を見るような目で見ないで!

ほら、小学生の頃一緒のクラスだった箒だよ、篠ノ乃箒!」

 

 

どうやら掃除用具のホウキではなく、実際に存在する人間だったらしい。

 

なんとも紛らわしい。

 

というより名前を聞いても誰だが分からん。

 

俺がここ(・・)に来たのはつい先日、そんな何年も前の事なんて知らねーよ。

 

だが、そこでふと気になる事があった。

 

 

 

「篠ノ乃、ね‥‥‥」

 

 

俺の呟きは誰に聞かれることもなく空虚に消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは皆さん、何か質問はありますか?」

 

 

山田先生は、授業を慣れたように進めていく。

この時間はISについての座学の基本、いわばおさらいのようで、周りを見渡すとクラスの女子は真剣に聞いているがノートを取るまでもないという風だ。

 

誰一人私語をしない教室というのも昨今珍しくなりつつあるが、この学園ではむしろそちらの方が当たり前という感じだ。

 

この学園の入試の倍率は某赤門がある大学より上らしく、元々精密機器であり最先端技術であるISを取り扱う学校なのでその学力も相当なもの。

 

しかも世界中の女子中学生がこぞって受験する。

 

多少・・・かなり性格に問題はあってもこの学び舎の席に座る彼女達は皆エリート、天才、秀才、リア充に属する。

 

最後だけなんか違うな。

 

そんな彼女達にとって初歩的な座学は既に頭に入っているのである。

 

つまり何が言いたいかというとだ、

 

 

 

全然分からん。

 

 

 

温厚そうな顔をした巨乳の彼女は一体何を言っている?

 

専門用語が入ってきてさっぱりわからん。何語話してるの?

 

 

うそ、日本語?マジうけるんですけどーマジで笑えなーい。

 

 

そもそもこちとら死んだ次にいきなり受験みたいなわけ分からん鬼スケジュール組まされて、てんやわんやしていたのにこんなトンでも兵器の事まで手が回るわけがない。

 

知ってるか?ISの参考書って電話帳並みに厚いんだぜ・・・

 

それを受験の日から今日までに読み切るとか無理ゲーにもほどがある。

それこそ年単位で勉強しなければいけない事を数十日あまりで覚えろと言う学園側の配慮があまりにも足りなさすぎる。

 

そこを考慮してこの先生にはこちらの事を意識せずに授業を進めてほしいのだが、

 

 

「えーと・・・それでは織斑‥‥八幡君何かわからない所ありますか?

 

なんでも聞いてください。なんたって私は教師なんですから・・・ええ、教師なんですから!」

 

 

大事な事なんで2回言いましたとさ・・・

 

俺の願いは儚くも散った。

教師という部分を強調し胸を張る彼女に対し冷ややかな視線を送る。

 

 

なんで教師って、こうも質問をされたがるのか。

 

分からない所ある人とか言って誰も手を上げないとやたらと人をさしたがる。分からない所がなくても強制的に何かを聞かなきゃ終われない。

 

いつもは、存在すら忘れる癖に、こういう時に限り存在認識率が跳ね上がる。

 

ある意味これも立派なパワハラだ。イジメと言っても過言ではないだろう。

 

教室の前に連れてこられて、周りを囲まれ「しゃーざーいーしゃーざーい」と手拍子されるのと、クラスが集中する中、立たされ、ありもしない質問を強要される。

 

この2つに明確な違いはない。

 

まあ、それは今はいいや。

 

とりあえずは、この状況をどうにかしよう。

 

ここで正直に分からない所が分かりませんなどと言うのは論外。

 

 

この学園で目立たないというのはもはや不可能に近い。なんせ世界的に見ても希少価値がある男のIS操縦者、それも全校生徒分の2しかいない男。

 

この時点でいくらステルスヒッキーアルティミットを駆使する俺でも存在感を消すことはできない。

 

ならば、目立ち方を工夫するしか手はない。

 

幾ら物珍しく目立っていてもそんなものは所詮一時のブームに過ぎない。

ずっと同じ事を繰り返せば物珍しさも薄れ、ありていに言えば飽きる。

 

だからここでもし、みんなが分かるところが分からないと知れるとオルコットのようにこちらを見下す馬鹿が増えるだけだ。

 

逆に分からない所がないと答えれば、何アイツ男の癖に調子に乗ってるんじゃない。という男を目の敵にするオルコットのような奴らが増えるだけ。

 

どっちにしろオルコットが増殖することは避けられないのかよ。

 

あのドリスが四方八方から押し寄せてくるなんて耐える事は無理だ。主に精神的に。

 

故に、俺は先生のこの問いにこう返そう。

 

 

「とても分かりやすい授業で特に問題はなかったですが、さっきの質問のカウンターとしてISと我々とのより密接で友好的な関係を築くことで最大限のシナジー効果が期待できるという事でしょか」

 

 

「え・・・?」

 

 

山田先生は、笑顔のまま頭に?を浮かべる。どうやら俺の言ったことに頭の回転が追いついていない様子だ。

 

俺は、彼女が言葉の意味を理解する前に続けさまにたたみかける。

 

 

「それによる、ぶれないマニフェストをたてこれからのイニシアティブをとることで、より良い成果を上げる事が可能になり、それと若いマインド的なイノベーションとのバランスをたてることが大切という事でしょうか」

 

 

「ええ!?え、っと、イニシア‥シナジー・・・?」

 

 

頭の?の数がさらに増え、段々と混乱を増している様子だ。

 

必死に復唱して言葉の意味と何を聞かれているのかを理解しようとしているようだが、俺はさらに倍プッシュと言わんばかりに言葉を続ける。

 

 

「俺達とISとのパートナーシップを取ることにより生まれるアクティビティーをマイノリティーに受ける事で更なるwinwinの関係を作り上げる事が大切という事ですね?」

 

 

「ウィン‥マイノ‥‥‥えっと‥‥そういう事・・・でしょうか?」

 

 

「なるほど良くわかりました。ありがとうございます」

 

 

何が何だか分からないという様子の山田先生をそのまま放置し、質問を強制終了。

俺は席に座る。

 

先生は、呆然としていたがすぐに意識を取り戻し俺が座ったことを確認してようやく質問が終わったと認識する。

 

 

「・・・は、はい。ありがとうございました。そ、それでは次の質問に移りましょう!はい、そうしましょう!!」

 

 

少しだけ考えるそぶりを見せるが戸惑いながらも次に移行。

 

俺は平静を装いながらも内心では、デ○ノートを手に持ったあの人並みに悪い顔になる。

 

計画通り(けいかくどうり)

 

 

 

授業はそのまま続き、次に指された一夏が案の定のほとんど全部分からない発言や、参考書を捨てたニュース。

 

千冬からの本日3度目の体ば・・・教育的指導(出席簿)をくらうなどがあったが特に問題なく授業は終わる。

 

そして、休み時間

 

 

「この時を待ってましたわ。さあ、先ほどの決着をつけて差し上げますわ!」

 

 

意気揚々としたオルコットが現れた。

 

八幡のコマンド

 

たたかう

 

にげる  ←

 

なかま(現在0)

 

 

 

八幡はにげるを選んだ。

 

 

「どこに行きますの!話は終わっていませんわ」

 

 

席を立ち急ぎドアから出ようとするが、オルコットの方が一先早かった。

 

回り込まれてしまい逃げられない。

 

 

何なんだよこいつ、なに俺の事好きなわけ?そんなわけない。

速攻で否定しちゃったよ。

 

それにしても、しつこいにもほどがあるだろ。

 

あと、コマンドのなかまの所。確かに仲間なんて一人もいないけど0なら初めからそんな選択肢用意するなよ。

一瞬期待しちゃったじゃねーか。

 

 

「えーっと八兄の知り合い・・・?」

 

 

そんな中、空気の読めない男が俺に問う。

 

俺はすぐさま答える。

 

 

「ノー」

 

 

「簡潔だね・・・じゃあ、あんた誰なんだ、なんでさっきからこっちの方を見て睨んでくるんだよ?」

 

 

一夏は聊か不機嫌にオルコットへ問いかける。

 

先ほどの訳の分からん授業に千冬からのお説教、それに加え1週間で参考書を読破しろとの無茶難題。

 

普通に考えても不機嫌になる要素しかないのに授業開始前から自分たちの方を睨みつけてくる目の前の少女に対し笑顔で接しられるほど、こいつも大人ではないのだろう。

 

大人は年を取れば強制的にされてしまうが、子供は今の内にしかできない事だから十分に幼稚さをさらけ出すのもいいだろう。

 

だが、今回はそれの仇となる。

 

 

「誰・・・っ、貴方達はそろいもそろってわたくしを愚弄するつもりのようですね!!それにこのわたくしに向かいそのような態度を取るなんて失礼にもほどがありますわっ!!」

 

 

このセシリア・オルコットという少女は、自尊心が強い。

 

自分の存在を周りにアピールする行動に、入試主席、代表候補生などという肩書を前に出すところからも伺える。

 

女尊男卑思考である彼女が一日に2度も、それも男から「お前誰?」と言われればプライドも傷つくのは必然と言える。

 

今までの事を一部始終見ていたのなら彼女の怒りも理解はできなくとも分かりはする。しかし、一夏はつい先ほどまでの俺とオルコットのやり取りを知らない。

 

それ故に、一夏の視点から見たセシリア・オルコットは自分達に敵意を持ち、いきなり怒り出す女と見えるだろう。

 

その証拠に、怒りだすオルコットに対し一夏は困惑しながら何こいつ?みたいな目を向けてる。

 

 

「失礼も何も・・・俺あんたの事知らないし・・・」

 

 

「ッ!?」

 

 

「それに睨んでくるし、何を怒ってるのか分からないけど、初対面の人間にそういう態度を取るほうが失礼なんじゃないのか?」

 

 

と、一夏はオルコットを見上げながら言い切る。

 

ふむ、まさに正論である。

 

しかし、この正論はこの場において正解とは言えないだろう。

 

世の中には正論を言われる事を嫌う人間が多く存在する。

 

しかもそういうタイプの奴に限り自分が不利になる正論ほど耳障りな物はないという理不尽にもほどがある思考をしている。

 

例えば自己中な奴とか癇癪持ちとか怒ってる奴とか、後はよくネットとか掲示板とかで言い合いしてる奴らが、ぐうの音の出ない正論を言われると、やたら長い長文を乗せ最後に気持ち悪いんだよクソが!みたいな感じの事を言ってくる。そういうやつだ。

 

案の定怒ってるオルコットもその分類に入り、怒りをさらに増す。

 

・・・怒ってるオルコットってなんか語呂がいいな。

 

別に意味はないけど。

 

 

「ッッッ・・・いいでしょう、知らないというなら教えて差し上げますわ!!」

 

 

半ばやけっぱちだ。怒りながらも自身の向上を述べようとする。

 

おおー、流石自称貴族、怒りながらも平静を装おうとしてるところは評価に値するだろう。

 

肩を震わせ、顔を歪めて、今にも殴りかかってきそうな雰囲気を出してる時点で無駄な努力だしこれまでの行いで台無しだけど努力することはいい事だ。

 

意味はないけど。

 

まあ、意味のない努力なんてよくあることだ。

 

呼ばれる事がないのにクラスメイトの誕生日を覚えていたりだとか、急に下ネタを振られると「最近性欲ねーわー」と見栄を張ったり。

 

努力は報われないけど、努力をしたその過程も無駄な時間に終わる・・・あ、結局報われないし無駄だった。

 

 

「イギリスの代表候補生にして入試主席のわたくしセシリア・オルコットの事を――」

 

 

「あ、質問いいか?」

 

 

高説を垂れようとしていたオルコットの出鼻を一夏が崩す様に手を上げる。

 

・・・この流れでよくできるな。

鈍感や空気の読めなさもここまで行くといっそ清々しいほどだ。

 

こういう所があるから、爽やか系ハイスペックイケメンなのに一夏は、葉山みたいなグループを形成できないんだろうな。

 

 

「い、いいでしょう。下々の者の質問に答えるのも貴族の務めですわ」

 

 

「代表候補生ってなんだ?」

 

 

「あ、あ、あ、あ、あ・・・」

 

 

「あ?」

 

 

「信じられませんわ!」

 

 

瞬間、オルコットの咆哮が木霊した。

 

怒ったり吠えたりこいつも大変だな。それにしても、こいつは俺に話しかけてきたはずだが2人で話していて俺がマジで空気。

 

別に絡まれなくて楽でいいけどさ。俺がマジで空気‥‥

 

 

「日本の男性というものはここまで知識に乏しい物なのかしら!常識ですわよ、常・識・!」

 

 

「そういわれてもな・・・で、代表候補生って?」

 

 

「フン、代表候補生とは――――――――――――」

 

 

その後、オルコットにより代表候補生の説明に見せかけた自分エリート自慢が続く。

 

なんでか、こういうやつはエリートとかいう言葉が好きで説明の中にエリートが3,4回出てきた。

 

それに、自分語りをするときに酔ってんじゃねーか?と思うほど機嫌がよくなる。実際に自分によっているんだろうけど。

あまり、酔いすぎると周りからうざがられるぞ。

 

大抵の場合迷惑でしかないし、どこぞの巨人も酔っ払いがモデルという話だ。

つまりは、酔っ払い=人類の敵。酒は飲んでも飲まれるな。じゃないと駆逐されるぞ。

 

 

 

 

「――――――つまり、先ほどまで貴方がしたような態度は本来あってはならない事ですわ。そこのところを理解していただけるッ」

 

 

「そうか、それはごめんな?」

 

 

「・・・馬鹿にしてますの」

 

 

高説が終わったらしく、オルコットは一夏に詰め寄るが、それをなんてこともないように受け流す一夏。

 

一夏の謝罪にオルコットは見るからに機嫌を損ねている。

 

まあ、疑問系だしオルコットの言葉の8割がたも理解してないような顔だしそれも納得だ。

 

というよりもオルコットの演説にヤレヤレといった疲れた顔をしてるところを見ると、理解することを放棄したんだろう。

 

だから返事も謝罪もおざなりだ。

 

普通ならいくら怒っていようがこのめんどくせーという一夏の雰囲気を理解するところなのだろうけどこいつは一夏以上に会話の空気を読むことができないようだ。

 

 

「大体そんな事も知らずによくこの学園に入れましたわね。男でISが操縦できると期待していましたのに期待外れもいい所ですわ!」

 

 

はやし立てるように一方的な独り言を続ける。

 

 

「そもそも貴方のような男と入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートであるわたくしが同じクラスという時点でおかしな話ですわ!」

 

 

別におかしくないと思う。

 

進学重視の特別クラスでもあるなら話は別だが、そういうのがないこの学園では誰がどのクラスになるのかは、ランダムや学園側の都合で決められる物だろ。

 

何よりオルコットの言った話には間違いがある。

 

 

「あれ?それなら俺も倒したぞ教官」

 

 

「はあああ!?」

 

 

一夏の呟きにオルコットは先ほどまでの怒りはどこえやら、驚愕の顔をする。

 

 

「倒したっていうかいきなり突っ込んできたところを躱したら壁にめり込んで動かなくなったんだけど」

 

 

そう、入試での模擬戦で教官を倒したのはオルコット一人ではない。

 

一夏のそれはほとんど事故のようなものだし数にカウントしてもいいのかあれだけどな。

しかし、一夏の奴は本当に分かってねーな。

 

ここは、凄いですねの一言でもかければ上機嫌になって帰っていく所だろ。

それを、わざわざそんな事を言うからさらに話が長くなる。どうせこいつら2人でやってる事なので対して気にはしないが、こんな近くでやられると単純にうるさいからよそでやれよ。

 

え、ていうかこいつ本当に何しに来たんだよ。俺がいなくてもいいなら初めから呼び止めるなよ。逃げみつ塞ぐなよ。

 

 

「あ、でも八兄の方は普通に戦って教官倒してたぞ」

 

 

「な、なんですって!?」

 

 

なんだって・・・!?

 

オルコットの驚愕と俺の内心での驚愕が重なりあう。

 

おいコラ、よりにもよってこんなめんどくさそうな時にこっちに押し付けてきやがった。

確かに俺マジ空気とか思ってたけど本当に相手にしなくていいんだよ。

 

何余計なところで気をまわしてんだよこの鈍感野郎‥‥

 

この後、オルコットの金切声は授業開始まで1年1組に響き渡った。

 

 

とりあえず、織斑一夏は俺の生涯どころか死後も恨み続けるノートに名前を書くことにした。

 

 


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