比企谷八幡日常生活   作:狂笑

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あと亀足更新のくせして話がほとんど進んでません。
すいません


第三話 何故なのか、雪ノ下雪乃は比企谷八幡を見下す。

平塚先生は俺を入部させると、さっさと帰ってしまった。なので、俺はとりあえず部室の中央にある長机の端に椅子を持っていき、座る。

そして鞄から文庫本を取り出し、読み始める。

雪ノ下もずっと本を読んでいるため、部室に静寂な時が流れる。

秒針の音とページを捲る音のみが聞こえる。

そういえば、ここは何部か聞いていなかったな。

強制とはいえ、自分が参加している部活動の名前がわからないとかとかいうアホなことはしたくないからな。

 

「なあ雪ノ下。ここって何部なんだ?」

 

俺がそう言うと雪ノ下は一瞬不機嫌さを露わにし、怒りを込めたようなキッとした目つきで俺を睨む。だがすぐに何か諦めたような表情をし、今度はそれを悪どい笑みへとかえた。

この間僅か数秒。見ていると面白い。

 

「……そうね。ではゲームをしましょう」

「ゲームって何のだよ」

 

トランプ?vita?オセロ?囲碁?将棋?RPG?

ちなみに将棋はよくやる。対戦相手は主に材木座と山北、たまに親父。ついでに言うと、材木座は最初は強いが途中から劣勢になってたいてい負ける。あと一手一手指すごとに叫んでうるさい。

 

「ここが何部か当てるゲームよ。さて、ここは何部でしょう。ついでに、私と八――比企谷くん以外にはだれもいないわ」

 

ん、今何か言いかけて言うのを止めたよな。

とりあえず、部室を見渡してみる。

積み重ねてある大量の机と椅子、中央にある長机。明らかに雪ノ下の私物であろうポット。って、なんで持ち込んでんだよ。あとは大量の本となぜかある流し。

そしてここは特別棟の二階。

 

可能性が高いのは文芸部。だがそこには部員が八名いて本校舎の四階の予備教室Eが部室だ。

よって文芸部ではない。

そういえば平塚先生は奉仕活動を命じると言っていたが、ボランティアは環境美化委員会の仕事だ。

奉仕活動 依頼

この二つがキーワード。そしてこの部活は俺含めて部員は二名。同好会規模だ。ならばこの部活は総武高校文化部連合(通称:文連)か総武高校同好会連盟(通称:同連)の所属。これらの条件が一致するのは――

 

「奉仕部、か」

 

「ええ、正解よ。ホームページにもパンフレットにも記載されていなかったと思うのだけれど、よく分かったわね。……目が腐っているのに」

 

意外そうな表情でキョトンと首をかしげる雪ノ下。

非常に可愛らしい仕草で破壊力は高く、よく絡んでくる後輩のようなあざとさや計算は感じられない。

だが、それとこれとは別。初対面でありながら目のことで罵倒とか、頭大丈夫か?と驚きと怒りが僅かに生じる。

まあ、取りあえず流すか。

 

「持つ者が持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAを、ギリシャには支援を、紛争地帯にPKOを、ホームレスには炊き出しを、モテない男子に女子との会話を。困ってる人に手を差し伸べる。それがこの部の活動よ」

 

一般的に建前と言われるような理念だが、これを全て覚えて即座に言うことができるのは感心せざるを得ない。俺にはとても真似できない芸当だからだ。なぜなら、覚えても何の役にも立たないものを覚えようと思わないからだ。雑学とか興味の有るものは別だけど。

しかし、何故に雪ノ下はわざわざ椅子から立ち上がって近づいて俺を見下ろすようにして言うのだろうか。流石にイラッとくる。

 

「ようこそ奉仕部へ。歓迎するわ」

 

天使のような笑みを浮かべちゃいるが、歓迎する気などはさらさらないのが口調と態度、雰囲気で丸わかりだ。しかも物理的にも精神的にも見下されている気がする。

 

……こいつ、社会に出たら絶対苦労するだろうな。主に人間関係で。

俺も人のこと言えないが。だから俺は将来自宅に引きこもりつつ虚業で生計を立てようと思う。

一応株はやっているし、儲けもしっかり出ている。あまり多くはないが。

 

「平塚先生曰く、優れた人間は憐れなものを救済する義務がある、のだそうよ。頼まれた以上、責任は果たすわ。あなたの問題を矯正してあげる。感謝なさい」

 

なんでそんな押し付けに感謝しなければならないんだよ。

俺から見てコイツは優れた人物には見えないし、コイツが言ったことが本当なら、俺も此処の部員にされた以上、俺も優れた人物であると言うことが可能だ。面倒くさいことになりそうだから言わないけど。

それに俺は別に憐れむべき存在ではない。

自分で言うのもなんだが、俺はそこそこ優秀だ。

実力テスト文系コースでは数学と日本史を除いた全教科で1位を取り、総合でも1位だ。数学は苦手だからいいとして、日本史は山北が怪物すぎる。毎度偏差値87とか化け物だよ。俺どんなに頑張っても偏差値85止まりなんだけど。だがこのことを小町に話すと、

「お兄ちゃんも知和さんも人間じゃないよぅ……」

とか言われた。失礼な妹だよ。

話は逸れた。

一回だけではあるが株で8桁後半の利益を得たこともある。

といっても、株式会社マウンテンライフの株価が社内抗争で暴落したとき買ったらその直後に社長交代が親会社の圧力で成功。以後成長を続け、株価が急上昇したからなのだが。因みにマウンテンライフは山北系列の老人ホーム経営専業の企業だ。

普通の高校生ではここまでできないはずだ。

誰にも自慢するつもりはないけど。

だから、俺はあえて挑発した。

 

「へぇ、矯正、ねえ。おまえが?そこらのお笑い芸人よりよっぽど面白いこというじゃなえか。確かに俺は一般的に言うと腐った根性や捻くれた感性をしてはいるが、俺を矯正することより自分のことをどうにかしたらどうだ。

お前が何を根拠に俺を見下しているかは知らんが、初対面の相手にさりげなく罵倒文句を入れてくるような奴にまともなコミュニケーション能力があるとはとても思えん。

まず、自分を矯正したらどうだ」

 

さあ、雪ノ下はどう反論してくるかな。

久々に楽しめるかな。

うん、今俺絶対にあくどい笑みうかべてるな。

 




先日、学校で水泳大会がありました。一日中、水着姿でプールサイドにいたせいで全身に火傷並の日焼けを負いました。とくに肩近辺が痛いです。
バカですね、俺って。

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