魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士

アウラ

憑神・オーバーロードの力を使い、フェイトは全力で攻撃を繰り出した

攻撃が当たる度に、クビアが雄叫びを上げる

それはもしかしたら、絶叫なのかもしれない

しかし、それで止まるわけにはいかない

『アアァァァァァァァ！！』

フェイトはクビアに負けない雄叫びを上げながら、鎌を振り下ろした

その直後、まるでガラスが砕け散った

否、それは不可視化していた強力な障壁だった

その一枚で、クビアは魔法を防いでいたのだ

個人の砲撃だけでなく、艦艇の砲撃までも

並大抵の防御力でないことが伺える

『まだだぁぁぁぁぁぁ！！』

障壁を割ったとはいえ、気を抜くことは出来ない

フェイトはクビアに鎌を叩き込もうとした

だがその時、そのフェイトに夥しい数の触手が繰り出された

その攻撃をフェイトは、体を横にして回転させて回避しつつ、鎌を振り回した

それで、次々と触手が切り裂かれていく

しかし、触手の数が多すぎた

数本の触手が、フェイトに直撃

フェイトは、まるで砲弾のように地面に激突した

普通だったら、いくらバリアジャケットを展開しているとは言えども、フェイトは行動不能に陥るダメージは間違いない

だが、土煙を突き破って

『倒れるかあぁぁぁぁぁぁ！！』

とフェイトが現れた

そしてフェイトは、クビアが触手で形成した壁を両断

『フォトンランサー・ジェノサイドシフト！！』

彼女の使う魔法を、より攻撃に特化した魔法を展開した

展開する魔力球の数は１００を越している

『ファイア！！』

フェイトが指示した直後、魔力球から次々と電気の槍が発射される

その発射感覚は、まるで機関銃のよう

轟音と共に放たれた電気の槍は、次々とクビアに命中

クビアを、煙が覆っていく

しかしそれでも、フェイトは攻撃の手を緩めない

否、緩める理由が無い

今フェイトの中には、黄昏因子適合者達も居る

その全員の意志だった

目前に居る災害(クビア)を、撃破すると

『ディバイン・バスター！！』

フォトンランサー・ジェノサイドシフトを放ちながら、フェイトは右腕をクビアに突き付けた

するとその右腕の先から、なのはの代名詞とも呼べる砲撃が放たれた

その砲撃は、煙の中に浮かんでいたクビアに命中

クビアの外殻に、ヒビを入れた

そして、それをフェイトは見逃さなかった

そのヒビに、攻撃を集中させた

だが、クビアも受け身だけではない

大きく口を開き、そこに光

魔力を集めていき、破壊の一撃を放った

その一撃は、電気槍を巻き込みながらフェイトに迫った

デストラクター・ディザスター

それが、クビアの放った砲撃の名前

幾つもの国を、一撃で吹き飛ばした破壊の一撃

それをフェイトは

『スターライト……ブレイカー！！』

なのはの最強砲撃で、迎撃した

ちょうど中間でぶつかる、二つの砲撃

その威力の凄まじさは、周囲に撒き散らされる衝撃波が物語っている

衝撃波だけで、遺跡が吹き飛んでいく

その時、大爆発が起きた

あまりの威力に、クビアですら僅かに押された程だ

そして爆発の威力が収まった時、クビアの周囲に５０近くのフェイトの姿があった

流石のクビアも、何れが本物かは一瞬では気づかなかったらしい

クビアが迷っている間に、そのフェイト達

分身が、一斉に爆発した

それは、ティアナの幻術を使った爆撃

一人であって、一人ではない

それが、今のフェイトの強みだった

『兜割り！！』

大爆発の直撃とほぼ同時に、クビアの頭に一撃が叩き込まれた

その一撃で、クビアは頭部にキズを負った

しかし、致命傷ではない

それを証明するように、クビアは触手を振るった

その触手を回避しつつ、フェイトは

『あいつの弱点は……！』

と呟いた

その時だった

『モルガナの小さな子らよ……今こそ、旧き神を終わらせる時です』

と頭の中に、声が聞こえた

『つっ！？』

フェイトが驚いていると、クビアも動きを止め、上を見ていた

フェイトも上を見ると、宙に一人の美少女が居た

儚い印象を抱かせる、一人の美少女だった

しかし、儚い印象と同時に神々しさも感じた

『貴女は……』

『我が名は、アウラ』

フェイトが呆然と呟くと、美少女

創造神アウラは、そう名乗った