魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

81 / 84
死の恐怖

「条……件……?」

 

明久が消えた後フェイトは、呆然としていた

そこに、通信ウィンドウが開き

 

『フェイト……ようやく、頼まれた資料が見つかった……再誕に関する資料……』

 

とユーノが言ってきた

それは、頼んだフェイトも半ば忘れかけていたことだった

 

『解読に時間が掛かった……その資料には、再誕の他にクビアのことも書かれてあった……』

 

「クビア……」

 

ユーノの言葉を聞いたフェイトは、他のメンバーが抑えているクビアを見上げた

その禍々しき神を

 

『まず、再誕は世界を有るべき姿に戻すための鍵……そして、その鍵を使えるのは死の恐怖だってこと……』

 

「……私?」

 

ユーノの言葉を聞いて、フェイトは思わず首を傾げた

するとユーノが

 

『うん……死の恐怖が再誕を取り込み、破壊神クビアに挑む……八相の力を束ねし時、破壊神は消え去る……そう書かれてる』

 

と言った

それを聞いたフェイトは、一度は消した鎌を再展開

そして、クビアを見上げて

 

「明久は……これのことを言ってたんだ……だから、わざと……」

 

と言いながら、涙を流した

そこに、なのはとシャマルが近づき

 

「フェイトちゃん……」

 

「無理は、しないでね……」

 

と優しく声をかけた

二人は、フェイトが明久に恋していたことを知っている

だが、今の状況ではそう言うしかなかったのだ

なにせ、まだ危機は続いているのだから

 

「行こう、二人とも……あの太古からの破壊神を……倒すんだ……!」

 

フェイトはそう言うと、クビア目掛けて飛んだ

そして

 

「ああぁぁぁぁぁ!!」

 

と雄叫びを上げながら、鎌を叩き付けた

その一撃、もし普通の相手だったら、一撃で決着が着いていただろう

しかし相手は、太古からの破壊神クビア

普通では、ないのだ

フェイトの攻撃だけでなく、全員の攻撃がクビアに当たっていなかった

 

「何かに、阻まれてる!?」

 

「魔法も、物理も同時に!?」

 

以前のゴレの時は、対物理と対魔障壁が一瞬で切り替わって防がれていた

だが、クビアは違う

魔法も物理も、同時に防がれていた

つまり、今使える攻撃は全て効いていないのだ

 

「どう、すれば……!?」

 

とフェイトが歯噛みした

その時だった

 

《今こそ、我等が力……集う時!》

 

と黄昏因子を宿した全員から、力が溢れた

 

「こ、これは……!?」

 

「さっきの、フェイトちゃんの……憑神!?」

 

そう驚いていたのは、直接フェイトの憑神を見たなのはとシャマルだった

そして、この時になってフェイトは気づいた

 

「皆の力が……私に!?」

 

その場に居る八相の力が、フェイトに流れ込んでいた

その力を感じて、フェイトは

 

「今なら……もう一度使える!」

 

と確信した

憑神の消費は激しく、一度使えば魔力が回復するまでは使えない

しかし、今のフェイトには他の黄昏因子から流れ込んできていた力が満ちていた

だから

 

「私は……ここに居る……スケーーィス!!」

 

今ここに、人智を越えた戦いの幕が開く


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。