魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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破壊

「畜生……固すぎるだろうがよ……」

 

と呟いたのは、駆動炉の破壊を試みていたヴィータだ

しかしその体は、更に血に濡れていた

それは、最初に一撃を入れた後だった

駆動炉を守るためだろう、スフィアが出現

ヴィータに、砲撃を放った

ヴィータは一度駆動炉の破壊を止めて、そのスフィアの破壊に動いた

しかし、スフィアは膨大な数が展開

その全てを破壊するのに、被弾と時間を重ねた

だがヴィータは、己の技量の全てを発揮して、スフィアを全て破壊

その後、駆動炉の破壊を再開した

だが、何度打ち込んでも、駆動炉にはヒビ一つ入らない

 

「だけどよ……諦めるわけには、いかねぇんだ……だから、アイゼン!!」

 

《了解!!》

 

ヴィータの呼び掛けに答えて、アイゼンは一気にカートリッジを四発ロードした

その直後、アイゼンは一気に巨大化

それを視界の端で確認しながら、ヴィータは跳びあがり、魔力で足場を形成し着地

駆動炉を狙い

 

「ぶち抜けぇぇぇぇぇ!!」

 

と叫びながら、振り下ろした

ヴィータが振り下ろしたアイゼンは、先端に出来たドリルで駆動炉をガリガリと音を立てながら削り続けた

だが、駆動炉表面で爆発が起きて、ヴィータは吹き飛ばされた

 

「がはっ!?」

 

吹き飛ばされたヴィータは、足場から落下

地面に叩きつけられた

そして駆動炉は、無傷だった

それを見て、ヴィータは

 

「なんでだ……なんで壊れねぇ!!」

 

と叫んだ

その目端からは、涙が溢れてきていた

今ヴィータの脳裏には、外で奮闘している仲間達の姿が見えた

 

「あたしがこれを壊さないと、皆が助からないんだ! だからあぁぁぁぁぁ!!」

 

ヴィータがそう叫ぶと、アイゼンは残ったカートリッジを全てロード

先ほどより高く跳んで、足場を形成し着地

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

と叫びながら、アイゼンを振り下ろした

アイゼンは先よりも、力強く駆動炉に攻撃を加えた

だがこの時、限界が来た

いくら継戦能力が高くても、限界は訪れる

特にヴィータは、全身の怪我を魔力を使って止血

更に、ここに至るまで夥しい数のガジェットやスフィアを破壊してきた

結果、カートリッジは今装填していた弾倉が最後だった

 

「ああぁぁぁぁぁ!!」

 

ヴィータは叫んでいたが、アイゼンは先端からヒビが広がっていき、砕けた

それと同時に、ヴィータの膝から力が抜けて、ヴィータは落ちた

 

「はやて……皆……ごめん……!」

 

落ちながらヴィータは、仲間達に謝罪した

だが

 

「謝る必要なんて、ないよ」

 

と優しい声が聞こえて、ヴィータを受け止めた

 

「は……やて……リィン……アインス……」

 

そこには、リィンと融合したはやてとアインスが居た

 

「鉄槌の騎士、ヴィータと鉄の伯爵、グラーフ・アイゼンがこんな姿になるまで奮闘したんだ……」

 

「それで壊せない物なんて、あるわけがないやろ……」

 

アインスとはやてがそう言った直後、駆動炉にヒビが少しずつ広がっていく

そして、三人が見ている先で、駆動炉は砕け散った

ヴィータの奮闘は、決して無駄ではなかったのだ

着実に、戦況という天秤は傾いていっていた

管理局の優勢に


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