魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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無限の欲望

スバルとティアナ、エリオとキャロがそれぞれ戦っていた時、フェイトはシャッハ及びヴェロッサの二人と合流

スカリエッティのアジトに突入した

そしてある程度進むと、ヴェロッサは別行動を始めた

ヴェロッサは稀少技能(レアスキル)や魔法の特性上、単独行動を得意としている

だから、一人で行動した方がいい結果になると判断したのだ

そして別れた後、フェイトとシャッハの二人は更に奥へと向かった

そうして暫く進むと、広い通路に出たのだが、その両側に人が入ったポットが見えた

その一つに歩み寄ったシャッハは、思わず顔をしかめて

 

「これは……」

 

と言葉を漏らした

すると、フェイトも同じようにポットに近づいて

 

「ドクターの人体実験の被害者でしょう……」

 

と言いながら、ポットの表面を撫でた

そして

 

「バルディッシュ」

 

と愛機を呼んだ

するとバルディッシュは

 

《生態反応はありません》

 

と簡潔に答えた

その直後だった

二人の頭上の天井が一部崩落し、ガジェットⅢ型を含めた数機が瓦礫と一緒に落ちてきた

それを見た二人は、即座に散開離脱しようとした

だが、そんなシャッハの足首を地中から出てきた手が掴んで妨害してきた

しかしシャッハは、慌てることなく

 

「ヴィンデルシャフト!!」

 

と愛機に、カートリッジを一発ロード

手が出てきた床に、攻撃を放ち大穴を空けた

そして散開離脱し、襲撃してきたガジェットを全て撃破したフェイトは

 

《シスター・シャッハ! 大丈夫ですか!?》

 

と念話で呼び掛けた

すると、シャッハは

 

《瓦礫で掠り傷を負いましたが、問題ありません。目の前の戦闘機人を捕縛したら、すぐに向かいます》

 

と答えた

そんなシャッハの前には、座り込んでいる戦闘機人

セインが居た

セインが座り込んでいる理由だが、先ほどシャッハの足首を掴んで妨害したのは彼女だ

だがその妨害を、まさか床を打ち抜くことで解除するとは予想していなかったのだ

セインの予想としては、精々が多少暴れる程度だった

だがまさか、床を打ち抜くという力業をしてくるとはと、予想外の事態から座り込んでしまったのだ

だが、彼女とて戦うために産み出された戦闘機人

セインは頭を振ると、立ち上がって構えた

しかし、実を言えば相手が悪かった

確かに戦闘機人だが、セインは偵察目的に調整された、いわゆるサポート役だ

それに対して、シャッハは聖王教会騎士団の中でも手練れの陸戦AA+というニアSランクの騎士なのだ

その実力は、陸戦という限定のみだが、シグナムと互角の試合が出来るほどだ

事実、セインは終始シャッハに押されることになる

そしてフェイトは、奥から靴の音が近づいてきていることに気付き、視線をそちらに向けた

そして姿を見せたのは、長い紫色の髪に金色の目

そして、白衣を着た男だった

その男こそが、今起きている事件の首謀者

広域次元犯罪者として指名手配されている、通称ドクター

ジェイル・スカリエッティだった

スカリエッティは背後に、トーレとセッテの二人を伴って現れた

そして、恭しく

 

「予想より早かったが、ようこそ。時空管理局執務官、フェイト・T・ハラオウン……私が、ジェイル・スカリエッティだ」

 

と名乗った

その三人を睨みつつ、フェイトは構えた

そして、長年の因縁の戦いが幕を開ける


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