魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士

暗雲

「まだ通信は回復せんのか！」

「もう暫くかかります！」

レジアスの怒鳴り声に返答したのは、陳述会に参加していた技師の一人だった

その理由だが、ＣＩＣが陥落したことによる通信網の不通

それに、参加していた殆どの将官達は右往左往するしかなかった

そんななか、参加者の一人

今居る会議室の管理者が、あることを思い出したのだ

それは、今居る会議室に予備の発電機と旧式だが大型の通信機器が収納されていたことを

実は、今居る会議室はＣＩＣに何か起きた際に代わりに使えるバックアップだったのだ

だが、長い間そういった事態に陥らなかったために、殆どの局員が忘れていたのだ

それを聞いたレジアスは、直ぐ様その発電機と通信機器を出すように命じた

そして出したのだが、通信機器の方は故障していたのだ

レジアスは管理者を叱責しつつ、参加していた技師に修理を命じたのだ

しかし、余りにも旧式だったので手こずっていた

それを他所に、はやては

「ええか！　力合わせぇ！　せぇの！！」

と力自慢の局員達と一緒に、ドアを開けようとしていた

数人掛かりで開けようとしていたが、ドアはビクともしない

すると、参加していた一人の局員が

「八神二佐、ダメです！　ロックされた状態で、開きません！」

と言った

それを聞いたはやては、少し考えて

「だったら、壊すしかないな……誰か、工具持ってきいや！」

と言った

すると、一人の局員が

「しかし、施設の破壊許可は出てません！」

と反論した

その直後、はやては

「だったら！　何時開くか分からんのを待つんか！？　その間にも、外では警備部隊がガジェット群と交戦しとるんやで！？」

と言った

その直後

「構いませんよ、施設の破壊を許可します」

と場違いなまでに穏やかな声が聞こえた

全員が声のした方に視線を向ければ、そこには時空管理局の伝説の三提督の一人にして、統幕議長

ミゼット・クローベルが居た

「み、ミゼット・クローベル議長！？」

まさか三提督の一人が出てくるとは思っていなかったのか、何人かは狼狽えていた

しかし、ミゼットはそんな彼等を無視して

「今は危急の事態です。施設の破壊など、些末なこと……施設を破壊しなさい」

と言った

それを聞いた一人が、敬礼しながら

「了解しました！　おい、工具を持ってこい！！　壊すぞ！」

と言って、何処かに走り去った

それを見送り、ミゼットは

「八神二佐、見事な言葉でした」

とはやてを称賛した

すると、はやては

「私も、仮にも佐官……当然の判断かと思われます」

と姿勢を正しながら言った

そのタイミングで、先程駆けていった局員達がその手に工具箱を持って戻ってきた

どうやら、予備の工具箱を技師達から借りたようだ

そして、ドアの破壊突破を始めた

その時

「直りました！　通信、どうぞ！」

と通信機器を直していた技師が、片手を上げながら言った

それを聞いたはやては、素早く通信ウィンドウを開いて

「機動六課各部隊、状況を知らせぇや！」

と報告を求めた

すると、ノイズ混じりだがフォワード陣やヴィータと通信が繋がり

『こちら……ターズ３！　スターズとライトニング隊は……達に、デバイスを渡した後に遊撃中です！』

『こちらスターズ２！　空戦部隊と一緒に……型ガジェットと交戦中……を乞う！　繰り返す、増援を乞う！』

と報告がされた

どうやら、交戦中らしい

しかも、ヴィータの方は増援を要請してきた

するとはやては

「ヴィータ！　ガジェットの数はどんなもんや！？」

と問い掛けた

その直後、爆炎を背景に

『幻影混じりで、正確な……不明！　数が多すぎて、空戦部隊が押されてる！』

と報告がされた

それを聞いたはやては、ヴィータに何かを言おうとした

その時、激しくノイズだらけの通信ウィンドウが開いて

『こちら、機動六課隊舎……群と戦闘機……撃により……ちません！！』

とグリフィスから、通信が繋がった

「グリフィス准尉どうしたんや！　繰り返せ！？」

よく聞こえなかったために、はやては再度報告するように促した

するとグリフィスは

『敵戦闘機人達と大量のガジェット群……にあい、長くは持ちません！！』

と六課隊舎が、陥落寸前だという報告をしてきたのだった