魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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予感

最初に異常に気付いたのは、意見陳述会に参加していた将校達だった

自分が抱える部隊との通信が途絶

更には、全通信網の不通

すぐに、ただ事ではないと気付いた

しかし、時空管理局地上本部中将

レジアス・ゲイズは

 

「ふん……何者かは知らんが、地上本部の防衛は鉄壁だ……」

 

と、相手にしなかった

しかし外では、管理局員達は混乱の極みに立たされていた

自分達の上官との通信途絶

更には、数えるのがバカらしい程のガジェットの出現

それらが重なり、一般の陸士部隊は混乱状態に陥った

だがその中で、機敏に動いている者達が居た

それは、はやての機動六課

そして、ギンガが所属している陸士108部隊だった

機動六課は、元々が対ガジェット

ひいては、対スカリエッティ選任として編制された部隊だ

そして陸士108だが、この陸士108部隊は一部を機動六課と連繋していたのだ

だから、相手がガジェットと分かると上官たるゲンヤと通信が繋がらなくなっても、独自に動き出したのだ

 

「ちいっ……こりゃ、地上本部の通信機自体がやられたか……ロングアーチ!」

 

と舌打ちしていたのは、愛機たるグラーフアイゼンを肩に担いだヴィータだった

すると、ヴィータの前にウィンドウが開いて

 

『こちらが把握している限り、地上本部直轄部隊とは完全に不通。地上本部のシステムも、ハッキングを受けてます!』

 

とグリフィスが報告した

それを聞いたヴィータは、舌打ちして

 

「だから、もっと強い防壁にしろって言ったんだ……」

 

と悪態を吐いた

そして、背後に居たフォワード陣達に

 

「お前ら! はやて達に、デバイスを届けてやってくれ!」

 

と言って、中に入ったメンバーから預かったデバイスを、フォワード陣に投げ渡した

しかし、走りながらだったからだろう

空中に放られたデバイスは、バラバラに散った

それを見たヴィータは、内心で焦った

だが次の瞬間、両腕が霞む速度でスバルが全て難なくキャッチ

そして

 

「気をつけてくださいよ、ヴィータ副隊長」

 

とスバルは、ヴィータに文句を言った

 

「おう、悪い。デバイスを頼んだぞ!」

 

片手を上げながらそう言って、ヴィータは飛んだ

そして、ポツリと

 

「そうだったな、スバルは……」

 

と呟いたのだった

その頃、明久は一人で一つの戦線を維持していた

そこを任されていた部隊は、真っ先に指揮官が死んだことであっという間に懐走

そこに明久が到着し、迫ってきていたガジェットの大群相手に奮戦していた

今も、一機のガジェットⅢ型を双剣で切り裂き

 

「この状況……あの時みたいだ」

 

と呟いた

するとカイトが

 

《あの時より、明久は成長してるさ》

 

と返した

それを聞いた明久は、一機のガジェットⅠ型を蹴り飛ばし

 

「問題は……混じってる幻影だなぁ……見分けが付かない」

 

と愚痴を溢した

それを聞いて、カイトは

 

《まるで、イニスやメイガスだね》

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「それだよ……黄昏因子に近い気配を感じるんだよ……」

 

と呟きながら、双剣から持ち換えた大剣で一機のガジェットⅢ型を輪切りにした

そして、大剣を肩に担いで

 

「まさか……黄昏因子をコピーしたとか、無いよね……」

 

と呟いたのだった


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