魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士 作:京勇樹
時空管理局地上本部
その一室では、様々な高官が自分の意見を述べていた
その中に、はやて、シグナム、カリム、シャッハの四人の姿があった
この四人は意見陳述ではなく、警備の為に参加していた
なおその部屋の外
廊下には、なのはとフェイトの二人もいた
しかしこの六人は、デバイスを持っていなかった
その理由は、上からの指示だった
上層部は地上本部の警備態勢に、絶対とも言える自信を覚えていて
『地上本部の警備は万全。更に、誰がテロリストかそれに使われているか分からない為に、地上本部内へのデバイスの持ち込みは禁止する』
と言ってきたのだ
勿論だが、はやて達は抗議した
それでは、万が一の事態の時に、即応出来ない。と
しかし、上層部はこれを一蹴
結局、中に入る一同は、外で警備に回るメンバーに己の愛機を預けて、中に入った
今回の意見陳述会で注目されているのは、時空管理局地上本部の高官の中でも、武闘派として知られる中将
レジアス・ゲイズだった
レジアス・ゲイズ自身は、魔導師ではない
しかも彼は、希少技能持ちを嫌う強硬派でもあり、その意見はかなり過激だった
その一つが、彼の肝いりで立案並びに、建造された大型砲
アインへリアルだった
このアインへリアルは、全部で三基
その三基は、ミッド市街地を囲むように山間部に配置され、もしテロリストや違法魔導師が飛行で逃げようとしたら、砲撃
撃墜する算段らしい
しかしこのアインへリアルの建造は、かなり紛糾したものだった
時空管理局には、相手を殺さずに捕縛
裁判を受けさせる
というルールがあった
このアインへリアルは、それに真っ向から反対したものだった
その理由だが、魔導師の魔法には、非殺傷設定というものがある
それは、相手に死ぬようなダメージを与えず(軽傷を負う場合はある)、痛みで戦意を喪失させるようになっている
しかしアインへリアルは、魔法ではなく、物理砲になる
つまり、非殺傷設定が出来ないのだ
もしヘリで逃げていたら、ヘリは爆発
その爆発に巻き込まれて、テロリストは死亡するだろう
魔導師の場合では、高ランク魔導師はバリアジャケットで耐えられるかもしれない
しかし低ランク魔導師だった場合、即死してしまう可能性が高すぎた
更に、アインへリアルは射角を自由に変更出来る
もし、操作権が奪われたら、市街地を撃たれる危険性が高いのだ
それを指摘し、配備に関して反対した勢力とレジアスを慕う者達が対立
その会議は紛糾し、決まらないかと思えた
しかしその時、時空管理局最高決定部門
最高評議会が介入し、アインへリアルの配備が決定した
幾ら反対しようが、上が決めたのならば従うのが下である
しかし条件として、試験運用として三基のみになったのだ
だがレジアスは、それですら自信に繋がっていた
何故ならば、自分を最高評議会が支援したからだ。と思っていたからだ
最高評議会は名前だけ知られており、その構成員は一切知られていない
だがしかし、管理局内においては絶対的な決定部署として知られている
そして何より、その最高評議会は管理局が創設された頃から居ると噂されていた
こうして、陰謀渦巻く意見陳述会が始まった