魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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誤解は解きましょう

ヴィヴィオが来て、数日後

機動六課に、新たな隊員が合流していた

その隊員というのは、陸士部隊の隊員

ギンガ・ナカジマだった

名前から分かる通り、ギンガはスバルの姉である

そのギンガが、なぜ六課に来たのか

それは、捜査情報共有のための出向である

今回の事件は、一筋縄ではいかないと判断し、はやてがギンガの部隊の隊長

ゲンヤ・ナカジマ三佐に要請し、出向してもらったのだ

そのゲンヤ・ナカジマ三佐は、ギンガとスバルの父親である

そして、そのギンガは今

 

「はーい! 今日はここまで!」

 

『お疲れさまでした!』

 

なのは指導の訓練に参加していた

 

「皆、凄いねぇ。毎日、こんな厳しい訓練をしてるの?」

 

と問い掛けたのは、訓練が終わってストレッチをしていたギンガである

すると、スバルとティアナが

 

「そうだよ。出撃要請が掛からない限りは、ずっと訓練漬け」

 

「たまに、隊長達との模擬戦もありますね」

 

と言った

それに追随するように

 

「でも、目一杯訓練しても、出撃出きるようになってるんです」

 

「訓練の成果ですね」

 

とエリオとキャロが言った

それを、少し離れた場所からフェイトやなのはが見ていた

そこに、童顔の女性

マリエル・アテンザが現れて

 

「久しぶり、なのはちゃん。フェイトちゃん」

 

と親しく声を掛けた

 

「お久しぶりです」

 

「お久しぶりです、マリーさん」

 

実は二人は、幼い頃に彼女に世話になったことがあるのだ

だから見た目では分からないが、彼女の方が年上である

そんな彼女

マリエル・アテンザの最近の悩みは、その童顔からくる新人に年下に見られることが増えたことだとか

 

「最近、レイジングハートとバルディッシュの調子はどう?」

 

「バッチリです」

 

「大丈夫です」

 

マリエル・アテンザが問い掛けると、なのはとフェイトはそう返した

そこに、青い狼

狼形態のザフィーラが現れた

その直後

 

「なのはママー!」

 

とヴィヴィオの声が聞こえた

ふと全員の視線の先では、ヴィヴィオがトテトテと走ってきていた

その声からも分かるように、なのはに会いに来たらしい

それを見たフェイトは

 

「ヴィヴィオ、転ばないでね!」

 

と注意喚起した

その直後

 

「うん! あうっ!?」

 

ヴィヴィオは、転んだのだった

 

「大変!」

 

それを見たフェイトは、駆け寄ろうとした

だが、それはなのはに止められて

 

「大丈夫。下は草地だし、そんな強くは転んでない」

 

となのはは言った

そしてなのはは、片膝立ちになって

 

「ほら、ヴィヴィオ。立てるよね?」

 

とヴィヴィオに呼び掛けた

すると、ヴィヴィオは顔を上げたのだが

 

「うっ……ひっ……」

 

とグズり始めた

それを見たフェイトは

 

「ダメだよ、なのは。ヴィヴィオ、まだ小さいんだから」

 

と駆け出した

その時

 

「よいしょ……大丈夫、ヴィヴィオちゃん?」

 

と、明久が抱き上げた

その問い掛けにヴィヴィオが頷くと、フェイトが着いて

 

「ありがとう、明久」

 

と明久に感謝の言葉を言って、ヴィヴィオを受け取った

そこに、なのはが到着して

 

「もう……フェイトママは優しすぎだよ」

 

と苦言を言った

だがフェイトは

 

「なのはママは厳しすぎです」

 

と返したのだった

その直後

 

「え、ええぇぇ!?」

 

とマリエル・アテンザが、驚愕の声を上げたのだった

気づけば、彼女の隣にはシャーリーの姿があった

十数分後、一同の姿は食堂にあった

 

「なんだ、ビックリしたぁ」

 

とマリーは、安堵の溜め息を吐いた

その理由だが、マリーはシャーリーの説明で、ヴィヴィオがなのはとフェイトが産んだ子供だと誤解していたのだ

だから、訓練場で驚愕の声を上げたのだ

しかし、誤解したままなのは、大変マズイ

なのは達のために

だから、シャーリーとフォワード陣は、ギンガへの説明を兼ねて、食堂で詳細に説明したのである

 

「つまりヴィヴィオちゃんは、フェイトちゃんとなのはちゃんが保護責任者になってるなかぁ……最強の母親だねぇ」

 

「あははは……」

 

「確かに……」

 

マリーの言葉を聞いて、スバルは苦笑い

ティアナは納得していた

そのヴィヴィオだが、明久作肉詰めピーマン(ピーマンまるごと)を、うーうー言いながら、少しずつ食べていた

それを見たエリオは

 

「……どうする?」

 

とキャロに視線を向けていた

そして、ヴィヴィオが嫌いなピーマンを食べているのを見て

 

「イタダキマス」

 

と言って、自分も嫌いなニンジンを食べたのだった

 


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