魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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少女

「シャッハさん!」

 

「高町一尉、吉井上等空士!」

 

なのはが呼び掛けると、シャッハが気落ちした表情で駆け寄り

 

「申し訳ありません! こちらが僅かに目を離した隙に見失ってしまいました!」

 

と言って、深々と頭を下げた

それを見て、なのはと明久は

 

「大丈夫ですから」

 

「状況の説明をお願いします」

 

と催促した

それを聞いて、シャッハは

 

「既に、この一帯の病棟の封鎖と入院患者達の隔離は完了しています。それと、転移魔法が使われた形跡もありません。間違いなく、この近辺に居ます」

 

と説明した

それを聞いた二人は

 

「わかりました」

 

「騎士団の方々は、封鎖に専念して下さい。捜索は、僕達がします」

 

と言って、捜索開始した

明久となのはは、中庭を探すことにした

中庭は様々な植物が植えられていて、入院患者の精神を癒す役割があった

そして、ベンチの下などを探していた時だった

二人の前の草むらの中から、一人の少女が現れた

6歳位の金髪の少女

間違いなく、あの保護した少女だった

二人がその少女に歩み寄ろうとした時

 

「逆巻け、ヴィンデルシャフト!!」

 

と声が聞こえて、二人と少女の間にデバイスを展開したシャッハが割り込んだ

その割り込んだシャッハに驚いたのか、少女は尻餅を突いた

そして、シャッハが

 

「高町一尉、吉井上等空士、下がってください!」

 

と息巻いた

少女は尻餅を突いたのと、シャッハの気迫が怖かったらしく泣きそうになった

それを見て、なのはが

 

「待ってください、シスター・シャッハ。ここは、私に任せてもらえますか?」

 

とシャッハの肩に手を置いて、言った

 

「しかし……」

 

「シスター・シャッハ。ここは、なのはに任せましょう」

 

シャッハは納得していない様子だったが、明久の言葉を聞いて

 

「わかりました……」

 

と言って、デバイスを下ろして下がった

それを見て、なのはが

 

「ごめんね、怖がらせたね」

 

と優しく言いながら、少女に近寄って抱き起こした

そして

 

「いきなり居なくなっちゃったから、心配したんだよ?」

 

と言いながら、少女の頭を撫でた

そして、少女に視線の高さを合わせて

 

「私は、高町なのは……お名前、教えてくれるかな?」

 

と言った

すると、少女は

 

「ヴィヴィオ……」

 

と呟くように、名前を告げた

それを聞いたなのはは

 

「そっか。いい名前だね」

 

と言って、少女

ヴィヴィオの頭を撫でた

そして、ヴィヴィオと話をしながら

 

(どうやら、いきなり知らない所に居たのが怖くなったみたい……)

 

と明久とシャッハに、念話を繋げた

それを聞いて、シャッハは

 

(そうでしたか……一応、病院だということは説明したのですが……)

 

と言って、後頭部を掻いた

すると、明久が

 

(多分、シャッハさんの気が張っていることに気付いたのもあるかな……子供って、人の気配に敏感ですから)

 

と言った

それを聞いてか、シャッハが僅かに顔を逸らした

それを見て、なのはが

 

(ヘリに乗るまでですが、私がヴィヴィオの近くに居ます。いいですか?)

 

とシャッハに問い掛けた

すると、シャッハは

 

(構わないかと。後で、シスター・カリムに聞いてみます)

 

と返した

そしてなのはは、ヴィヴィオを抱っこして二人に近寄ってきた

こうして、ヴィヴィオは無事に見付かったのだった

 


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