魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士 作:京勇樹
ティアナがメイガスの名前を呼ぶと、ティアナの右手には一挺の銃が現れた
見たことない銃だと言うのに、不思議と手によく馴染む
そしてティアナは、調子を確かめるようにその銃をクルクルと回した
初めてのはずなのに、使い方が分かる
「明久さん!」
ティアナは明久の名前を呼ぶと、魔力弾を放った
その威力は、本来ならば数秒の貯めが必要な程だったが、一瞬で放てた
するとティアナの意図を察した明久が、双剣を構えて突撃
ティアナの魔力弾に隠れるように進むと、少し手前で跳躍
ゴレの真上を取った
(とった!)
明久はそう思いながら、双剣を振り上げた
その直後、明久を爆撃が襲った
蒼炎による防御も完全には間に合わず、明久は吹き飛ばされた
「がはっ!?」
吹き飛ばされた明久は、遺跡らしき壁に激突
血を吐き出した
「アキ!?」
「今の、ほぼ同時だったのに!?」
今のタイミングで迎撃されるとは思わず、ヴィータとなのはは驚いた
すると、カイトが
《まさか、0.2秒で明久を迎撃するなんて……これは、完全にゴレが目覚めてる》
と言った
「カイト、どういうこと?」
カイトの話を聞いて、フェイトが問い掛けた
すると、カイトは
《ゴレはその昔、双子の戦術家にして魔導師だったんだ……それを封印したことで、一つの体に二つの魂が内包されることになった……その影響か、二人分の思考が可能になった……》
と語った
それを聞いて、はやてが
「つまり……一人やのうて二人を相手にしているのど同義なんやな」
と言った
それを聞いて、カイトが
《そうだね……こうなる前に倒しておきたかったんだけど……言っても仕方ない……撃破出来る可能性は、0.1秒以内に物理と魔法による攻撃を叩き込んで障壁を破壊し、相手が障壁を再生しきる前にデータドレインを当てるしかない》
と言った
それは、最早無理難題に近い要求だった
要求される攻撃タイミングは、事実上物理と魔法による同時攻撃
更には、何時復活するかも分からない障壁が復活する前にデータドレインが出来るようにする
そして、データドレインと対八相戦の要たる明久は先程の攻撃が原因なのだろう
意識を失っているようだった
傷はカイトが回復したらしく、パッと見では見当たらない
しかし、吐血する程のダメージを負ったのだ
相当なダメージだったのが伺える
そんな明久が、何時目覚めるかは分からない
だが、明久が目覚めるまでにやり遂げなければならない
六課一同はそう気合いを入れて、ゴレに向き合った
そして、指揮官たるはやてが
「ほな、皆……いくで!!」
と号令を下し、六課陣は明久抜きでゴレと交戦を開始した