魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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策謀家

「しまった!」

 

「このタイミングで来るなんて!?」

 

気付けば六課一同は、黄昏空間に取り込まれていた

最初は、全方位警戒だった

その中で一番最初に気付いたのは、スバルだった

 

「もしかして、あいつが……?」

 

と言ったスバルの視線の先には、エリオやキャロと同年代と思われる一人の子供が居た

すると、明久が

 

「間違いないね……策謀家、ゴレだ」

 

と言った

次の瞬間、明久にゴレの前に浮いていた本が開いた

その直後、明久が

 

「ウルカヌス・クー!」

 

と火神を召喚した

その直後、ちょうど中間地点で二色の炎

蒼い炎と紅い炎が激突

爆発を起こした

その時になって、はやては気付いた

 

「あれは、魔導書か!?」

 

ゴレが持っているのが、魔導書だと

そして、それを証明するかのように次々と魔法が発動

六課に放たれた

しかし、六課もただ座して喰らうだけじゃない

一気に命中位置から散開・離脱

そして、黄昏因子を持つメンバーは

 

「スケィス!!」

 

「イニス!」

 

「フィドヘル!!」

 

と力を解放した

するとティアナは

 

「そういえば、私にも……」

 

とあの後聞いた明久からの説明で、黄昏因子を有してることを思い出した

だが、解放の仕方が分からない

その時

 

「ティア、危ない!」

 

とスバルが、ティアナを抱き締めながら高速で移動した

その直後、先程までティアナが居た場所に十数発の炎弾が着弾

大爆発を起こした

 

「ティア、考え事は後だよ!」

 

「ありがとう、助かったわ!」

 

スバルにそう言って、ティアナはクロスミラージュを構えた

確かに、今のは自分が悪かった

と、ティアナは自身を戒めた

戦場で動きを止めたら、待つのは死のみ

こんな所で死ぬわけにはいかないと、ティアナは次々と魔力弾を撃った

しかしティアナの撃った魔力弾は、当たる直前に弾かれた

 

「魔法が効かない!?」

 

ティアナが驚いた直後、フェイトが持ち前の機動力を活かしてゴレの後ろに回り込んだ

そして、鎌を振り下ろした

だが、その鎌も直撃する直前に弾かれた

 

「直接攻撃も効かない!?」

 

驚きながらもフェイトは、ゴレが放った火炎弾を回避した

だが、攻撃が効かないという事態に一同はどうすればいいのか迷った

すると

 

《皆、落ち着いて》

 

とカイトが言った

そしてカイトは、続けて

 

《ゴレは、対魔・対物理絶体防壁を持ってるよ》

 

と告げた

それは即ち、倒すことは不可能ということではなかろうか

それに、一同が絶望仕掛けた

だが、カイトが

 

《だけどそれは、二枚に別れてる。そして、二枚同時には展開出来ない》

 

と言った

その言葉の意味を、はやてがいち早く理解した

 

「つまり、同時に攻撃すればええってことやな!」

 

はやてがそう言った直後に、なのはとフェイトが動いた

だが

 

「いけない! 乱数回避!」

 

と明久が声を張り上げた

その瞬間、雷霆が広範囲に降り注いだ

その直撃を受けて、なのはとフェイトは墜落

一時的に、行動不能に陥った

ゴレが放ったのは、広範囲雷撃魔法

ランセオル・ルフだった

なのはとフェイトの二人は咄嗟に障壁を展開したが、ランセオル・ルフはその障壁を易々と貫通

威力は減衰されたが、直撃を受けたなのはとフェイトの二人は体が痺れてマトモに動けなくなってしまった

これで、戦える黄昏因子保有者は明久とキャロの二人

余りにも、博打に過ぎた

その時だった

 

『呼べ、我が名を!』

 

とティアナの頭の中で、声が聞こえた

その瞬間、ティアナは言い知れない恐怖に体が震えた

自分が自分でなくなるという恐怖に

だがティアナは、それをグッと飲み込んだ

そして、前を見つめて

 

「お願い、来て……メイガス!!」

 

とその名前を口にした

 


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