魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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戦闘機人

フォワード陣とヴィータがルーテシアとアギトを捕まえた頃、少し離れたビルの上に二人の女が居た

片方は、長い茶髪を三つ編みにして眼鏡を掛けていた

そしてもう片方は、ショートカットに布に包まれた長い物を背負った女だった

その二人に共通しているのは、英数字の彫られたプレートが胸元に付いたボディースーツだった

彫られている英数字は、眼鏡を掛けているのがⅣ

そして、ショートカットの方がⅩだった

その二人は、遠くの空を見ながら

 

「どぅお? ディエチちゃん。ちゃぁんと見えてる?」

 

「ああ……雲も無いし、空気も澄んでるからよく見える」

 

と会話していた

そして彼女達が見ていた遥か先には、ヴィヴィオとシャマルを乗せた六課のヘリが飛んでいた

しかしその距離は本来、人間に見える距離ではない

見えたとしても、ゴマ粒位だろう

だが、この二人にはハッキリと見えていた

その理由は至って単純

この二人が、普通の人間ではないからだ

二人は戦闘機人と呼ばれる存在だ

戦闘機人

それは、人間をベースにしながら、薬物と外科手術で人間以上の能力を得た存在である

その時だった

 

『クアットロ』

 

と通信回線が開いた

 

「あぁら、ウーノ姉様」

 

ウーノ

彼女もまた、戦闘機人である

 

『準備はどうかしら?』

 

ウーノがそう問い掛けると、クアットロは布に包まれていた大砲を構えているディエチを見て

 

「終わりましたぁ」

 

と答えた

そのしゃべり方は人を小バカにしたようだが、ウーノは気にした様子はなく

 

『そう、良かったわ。それと、ルーテシアお嬢様とアギトさんが捕まったわ』

 

とクアットロに伝えた

それを聞いて、クアットロは思い出したという風体で

 

「あぁ、そういえばチビ騎士達に捕まってましたねぇ」

 

と言った

そして、鋭い視線で

 

「フォローします?」

 

とウーノに問い掛けた

するとウーノは、頷きながら

 

『お願い』

 

と言って、通信回線を切った

それを聞いて、クアットロは念話で

 

『ルーテシアお嬢様ぁ。捕まっているようですが、手を貸しましょうか?』

 

とルーテシアに問い掛けた

するとルーテシアから、念話で

 

『……クアットロ、お願い』

 

と返答がされた

だからクアットロは

 

『セインちゃぁん、ルーテシアお嬢様の救出、お願い』

 

と念話で、姉妹に告げた

 

『了解!』

 

セインと呼ばれた少女は、道路の中に姿を隠していた

戦闘機人には、それぞれ特殊能力を宿している

セインと呼ばれた少女の場合は、無機物の中で水中のように泳げるのだ

そしてディエチの場合は、遠距離砲撃能力だ

ディエチの持っている大砲

ヘヴィバレルにエネルギーが貯まっていくのを見ながら

 

『ああ、そうだ。ルーテシアお嬢様。そのチビ騎士さん達に伝言を……大事なヘリは、放っておいていいの? 貴女はまた、守れないかもね』

 

と言った

その直後、ディエチのヘヴィバレルから極太の砲撃が発射されて、ヘリが飛んでいた場所で爆発が起きた……


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