魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士 作：京勇樹
「人造魔導師計画？」
「そう、人工的に魔導師を産み出す計画なんだけどね。そのために、薬物を使ったり体の中に機械を埋め込んだりすることで、強い魔導師を産み出すって計画」
「ただ、コスト的に割りに合わないのと、倫理的な問題もあって公的な機関ではやらない研究よ。よほど、頭がイカれてないとやらない研究なんだけど……」
通信で知らされあ内容が分からなかったキャロが首を傾げると、スバルとティアナがそう説明した
それを聞いて、エリオは
(まだ続いてるんだ……あの狂った実験が)
と過去を思い出していた
実はエリオは、その人造魔導師計画で産み出された子だった
正確に言えば、過去に死んだ子を両親が違法と知りながら復活させたくて、人造魔導師計画を行っている研究所に頼み、復活させてもらったのだ
だからエリオには、死んだ本当のエリオの記憶があった
だがある日、その違法研究所が管理局に制圧され、管理局にエリオのことが発覚してしまい、エリオは管理局員により両親から離されてしまったのだ
それ以降、両親はエリオに会いにこない
正確には、来れないのだ
両親は裁判により、エリオに会ってはいけないとされたのだ
管理局の施設に入れられたエリオは、当初それを知らなかった
知ったのは、施設に来たフェイトに知らされてからだった
だがフェイトの言葉に、エリオは最初は耳を貸さなかった
エリオはその時、軽度の人間不信に陥っていたのだ
会いに来てくれると信じていた両親が、なかなか来ない
そこからエリオは、見捨てられたんだと思っていた
だからエリオは、自身の魔力変換資質の電気を放ち近寄ろうとした人達を傷付けていた
それで大抵は直ぐに離れたが、フェイトは違った
フェイトは自身が傷付くのも構わず、エリオに優しく接した
そこからエリオは、フェイトを信じるようになった
そして、フェイトから両親の真実を知ったのだ
そしてフェイトは
『エリオのご両親の代わりにはなれないけど、私がエリオを育てたいんだ』
と言った
そしてエリオは、フェイトに引き取られた
そして、今に至る
(あんな研究……残すわけにはいかない！)
エリオがそう思った時
「レリックケースまで、後５００ｍです！」
とキャロが言った
すると、ケリュケイオンが
《警告！ ガジェット反応！ 後方から１５！ 更に、右側通路から２０！》
と警告してきた
それを聞いて、ティアナが
「戦闘態勢！ ガジェットを殲滅するわよ！」
と指示を出した
「了解！」
と三人が返答した直後、フォワード陣はガジェットと交戦を開始した
その頃、上空では
「報告通り、凄い数だね……」
「だね……」
なのは、フェイト、明久達が、海上上空で大量のガジェットⅡ型を見つけた
ガジェットⅡ型は航空機型ガジェットで、速さに特化しているタイプだった
ヘリは機動六課に向かうのだが、その進路上に現れたのだ
だから三人が先行し、先にガジェットを殲滅しようという狙いだった
だがその数は、優に１００近かった
なお、陸士１０８部隊に演習に向かっていたヴィータも、合流しようと向かっていたが、そのヴィータもガジェットⅡ型と接敵
戦闘を開始したらしい
援軍は、期待出来ない
故に三人は、ガジェットと交戦を開始した
その頃、六課隊舎の機械室では
「この技術……それに、この作り方は……」
とプレシアが、破壊されたガジェットの写真を見ていた
そしてプレシアは、今フェイト達が戦っているガジェットⅡ型のデータを見ていた
そのデータは、三人のデバイスが観測したデータをリアルタイムで送っているのだ
その時、データの中に不思議な波長が現れた
「この波長は……確か……ＩＳ？」
プレシアがそう首を傾げた直後
『こちらライトニング１！ 敵ガジェットに、幻影が混じり始めた！』
とフェイトから報告がされた
「やはり、この波長は！」
プレシアはそう言うと、キーボードを高速で叩いた
そして、あるデータと研究資料が表示された
プレシアはそれを見て
「間違いないわ！」
と確信した
この敵が、誰なのかを