魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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六課の休暇 隊舎編

フォワード陣が街に向かった後の隊舎では、残った隊長陣が仕事をしていた

 

「うん。皆の動き、よくなってるね」

 

「本当」

 

なのはの言葉に、フェイトは頷きながら肯定した

今二人が居るのは、食堂である

二人の他に、明久やはやて

更には、プレシアや交替部隊の姿もあった

その時だった

テレビを映していた画面では、髭を生やした一人の男性が演説していた

その男性の名前は、レジアス・ゲイズ

時空管理局地上本部の中将だ

だがその演説内容は、かなり過激なものだった

すると、ハンバーグを一口食べたディアーチェが

 

「ふん……あ奴はただ、力を誇示することしか考えておらんな。あれでは、恐怖統治よ」

 

と吐き捨てるように言った

すると、シュテルが

 

「そうですね……彼は武闘派としてかなり有名です。ですが、言った対策の大半は、否決されています」

 

と言った

レジアスが出した対策

それは、人造魔導師計画

そして、戦闘機人計画

この二つは、時空管理局の慢性的な人手不足を解消するためにとレジアスが提案したものである

しかしその二つは、人道上の問題により否決されている

だが、人造魔導師計画

通称、プロジェクトFATEは、一部の違法研究機関で行われた

更に言えば、過去にプレシアも行った

だからか、プレシアは少し苦い表情を浮かべている

すると次に、一人の人物が演説を始めた

その人物の名前は、西村総一

階級は一佐で、時空管理局地上本部精鋭部隊

アイアン部隊の総隊長を勤めている豪傑である

その戦闘スタイルは、今の管理局の中では珍しい素手での戦闘

ただその戦闘能力は、過去に違法魔導師12人を10分と掛けずに全員無力化した実績がある

だが何より恐ろしいとされるのが、その肉体能力の高さだ

西村が使える魔法は、飛行魔法と肉体強化魔法

そして、防御力強化魔法位らしい

それを補って余りあるのが、元々の肉体能力の高さだ

なんでも以前、戦車の砲弾を殴って弾いたという

それだけでなく、過去に魔法を使わず素手で車をひっくり返したという記録もあった

だからか、彼は通称で鉄人と呼ばれていた

そんな西村は今、新人に対する育成の重要さを説いていた

実を言うと西村は、教導部隊で教導することもあった

実は、なのはの教導はそんな西村のものをベースにしていたりする

だからなのはにとっては、偉大な先生でもあった

 

『確かに、育成は時間と費用が掛かります。ですが、簡易教導を数ヵ月行った者と、本格教導を一年行った者達では、初陣の死亡率に約二倍以上の差が出ます。初陣を生き残り、その時の恐怖を乗り越え、更に切磋琢磨する。そうすれば、最初は頼りなくとも、何れは名高きエースに、何よりも、世界を守れる人材になる! かのエース・オブ・エースを思い出して頂きたい。優しき閃光を思い出して頂きたい。夜天の主を思い出して頂きたい。彼女達は、正規の教育を受けて今の強さを得ている。彼女達が、その証明者なのです! 故に私は、今ここに教導の大切さを説かせていただきます!』

 

と西村が言った直後、割れんばかりの拍手が巻き起こった

すると、幸村が

 

「流石は、かの鉄人だ」

 

と称賛した

すると、ディアーチェが

 

「流石は、精鋭と名高き部隊の指揮官よな。言うてることは至極真っ当よ、なあ小ガラス」

 

とはやてに視線を向けた

すると、お茶を飲んだはやてが

 

「せやね……本当に、偉大な人や」

 

と言った

すると、明久が

 

「なんでだろう……こう、訓練で情けない成績を出した人達を一気に抱えて走る姿が想像出来た……」

 

と呟いた

すると幸村が

 

「あ、シュテルさん。紅茶、要ります?」

 

とティーポットを出した

するとシュテルは、空になったティーカップを渡して

 

「お願いします」

 

と言った

それを見ていたレヴィが

 

(ねえ、王様。二人が凄いもどかしいんだけど)

 

と念話でディアーチェに話し掛けた

すると、ディアーチェは

 

(シュテルは頭の回転は凄まじいが、人の好意には疎いからな……幸村も積極的にアピールしているが……)

 

と念話で溜め息混じりに言った

すると、二人が見ていたことに気づいたシュテルが

 

「なんですか、二人共。私に何か?」

 

と首を傾げた

すると二人は

 

「なんでもなーい」

 

「何でもない、気にするな」

 

と言った

なお、その時

 

(幸村くん、はやてちゃんがキューピッドになったろか?)

 

とはやてが幸村に念話していたが

 

(変なことになりそうだから、いい)

 

と幸村ははやてを止めた

隊舎は、かなりのんびりしていた


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