魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士 作：京勇樹
なのはの過去を打ち明けた数日後
「はーい。午前中の訓練終了ー！」
「お疲れさまです！」
午前中の訓練が終わった一堂は、一ヶ所に集まった
そんな中、明久は地面にうつ伏せになっており、息が荒い
そんな明久をスルーして、なのはが
「実は今回の訓練、第二段階への評価試験でもあったんだけど」
と言うと、フォワード陣は軽く目を見開いた
そんなフォワード陣もスルーして、なのはは背後に居たフェイトとヴィータの二人に
「どうかな、二人供？」
「合格」
「早っ！？」
フェイトの即答が予想外だったのか、スバルが突っ込みを入れていた
するとヴィータが
「まあ、こんだけ訓練してて、むしろ不合格だったら、どっちかに問題アリってこったな」
と言った
それにフォワード陣が恥ずかしそうにしてると
「それじゃあ皆は、後でデバイスをシャーリーに預けてね。次の訓練は、明日からだよ」
となのはが言った
それを聞いて、ティアナが
「明日からと言うと、午後は……？」
と問い掛けた
すると、なのはは微笑みを浮かべて
「今日の午後は休みです！」
と言った
次の瞬間
「やったー！」
とフォワード陣は喜んだ
その時になって、ようやくなのはは倒れてる明久に視線を向けて
「分かってると思うけど、アキ君は休み無しだよ？」
と声をかけた
すると明久は、うつ伏せのまま
「ですよねぇ……」
と言った
なお、明久がうつ伏せになっている理由は、何故かヴィータとなのはの二人が明久に集中攻撃したからである
この後フォワード陣はデバイスをシャーリーに預けた後に手早くシャワーを浴びて、街に出る準備に回った
車庫では、ティアナがヴァイスからバイクを借りていた
「こっちは良しっと……プロテクターは？」
「自前のオートプロテクターがあります」
ヴァイスが整備しながら問い掛けると、ティアナはそう答えた
その答えに、ヴァイスは頷くとハンドルを握って捻った
そして、エンジン音を聞いて
「うし、いい調子だ」
と呟いた
そして、事故防止のためにエンジンを切ると
「ほれよ」
とティアナに鍵を投げた
「ありがとうございます」
鍵を受け取ったティアナは、礼を述べた
そしてバイクに股がり、ヘルメットを被った
すると、ティアナは
「ヴァイス陸曹……ヴァイス陸曹は、武装隊の出……なんですよね？」
と問い掛けた
するとヴァイスは、一瞬遠い表情をしてから
「まあな……ど新人に説教出来るくらいにはな」
と返した
その言葉にティアナが少し俯くと、ヴァイスが
「って、俺の過去なんざどうだっていいんだよ。相棒が待ってるんだろ？ ほれ、さっさと行ってこい」
とティアナの肩を叩いた
するとティアナは、ビクッと体を震わせて
「はい、行ってきます」
と言って、バイクを進ませた
その頃、フェイトはエリオの面倒を見ていた
「これで、服は大丈夫だね……えっと、お金は……」
フェイトがそこまで言うと、エリオが
「フェイトさん、大丈夫ですよ。僕だって、お給料貰ってるんですから」
と言った
それを聞いてフェイトは、あっと声を漏らして
「そうだったね。ごめんね」
と謝った
心中では
（成長を喜ぶべきだけど、やっぱり寂しいな）
と思った
その時、ドアが開いて
「すいません。お待たせしました！」
とキャロが現れた
キャロは白地の長袖シャツの上に、ピンク色の薄手のサマーセーターを着ており、薄いベージュ色のスカートを履いている
それを見たフェイトは
「うん、よく似合ってるよ。キャロ」
と誉めた
「ありがとうございます」
キャロは嬉しそうに返答すると、エリオを見て微笑んだ
すると、固まっていたエリオはハッと我に返った
そして、フェイトは
「私は仕事があるけど、二人は楽しんでね」
と二人を玄関で見送った
それから少しして、スバルを乗せてティアナもミッドに向かった
こうして、フォワード陣は休暇に入ったのだった