魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

19 / 84
短いですが、許してくだせえ


預言者

明久が参入したことにより、フォワード陣は態勢の立て直しに成功

フォワード陣は後退戦闘を開始した

だが、ティアナが

 

「後退ばかりでは、敵にヤられてしまいます! こちらから、打って出ないと!」

 

と血気盛んに、攻撃を開始

スバルに念話で指示したらしく、コンビネーションを開始した

ティアナとスバルの二人は訓練生時代からの付き合いで、その訓練生時代や少し前まで所属していた救助部隊時に幾つものコンビネーションを考案、実行

そのコンビネーションに絶大な自信を持っていた

そして、何よりも焦っていたのだ

周囲との差を感じて

 

『無茶だよ、ティアナ! カートリッジの四発ロードなんて!?』

 

「ヴィータ達との合流を待って!」

 

「やれます!」

 

シャーリーと明久の忠告をそう説き伏せると、ティアナは魔法を発動させた

放たれた魔力弾は、次々とガジェットを破壊

それを逃れたガジェットは、スバルがその格闘で破壊した

だが、その途中で明久は気付いた

一機のガジェットⅢ型がスバルの後方に陣取ったのを

しかも、スバルを狙うのではなく、ティアナに狙うように布陣したのだ

それをティアナは、半ば反射的に撃ち抜いた

だが、その先には無防備に背を晒すスバルの姿があった

爆発音に気付いたスバルが振り向くと、見えたのは自分に迫るティアナの魔力弾だった

ティアナも気付いたが、もはや軌道を逸らすのも間に合わない

ヴィータの姿も見えたが、そのフォローも間に合わない

その時だった

一本の大剣が飛来し、その魔力弾を防いだのだ

到着したヴィータは、その大剣の持ち主を知っていた

 

「アキ! 助かった!」

 

ヴィータは感謝の言葉を口にすると、ティアナを見て

 

「ティアナ!」

 

とティアナを怒ろうとした

たが

 

「待って、ヴィータ! 今回は相手が一枚上手だったんだ!」

 

と明久が止めた

 

「一機のガジェットが、スバルちゃんとティアナちゃんの間に布陣して、ティアナちゃんの視界を遮ってたんだ」

 

「つまりは、味方誤射狙いってわけか!」

 

「そういうこと」

 

明久の説明を聞いて、ヴィータが歯噛みした

どうやら、相手の戦法に気付いたらしい

そして、今のフォワード陣では対処が難しいことも

それを察したからか、大声で

 

「フォワード陣、こっからはアタシと明久で請け負う! 下がってろ!」

 

と言った

それを聞いて、フォワード陣は後退

数分後、ガジェットを殲滅しフォワード陣と合流した

その時だった

トーンと、あの音が鳴った

 

「つっ!?」

 

「まさか!?」

 

ハ長調ラ音を聞いて、フォワード陣は身構えた

その直後、黄昏空間に明久達は居た

そして、周囲を見回して相手を見つけた

だが、その相手は予想外だった

褐色の肌に、僧侶を彷彿させる服装と剥頭

そして何よりも、その手に持っている鉄扇

 

「メイガスじゃない!?」

 

《あいつは、預言者・フィドヘルだ!》

 

明久達が想定していたのは、増殖・メイガスだった

だが、現れたのは預言者・フィドヘルだった

本来だったら、八相は第一から順番に現れる

故に、本当だったら現れるのは増殖・メイガスだった

しかし、実際に現れたのは預言者・フィドヘルだった

そこから予想されたのは、一つだった

 

「まさか、メイガスは既に適合者を見つけてる!?」

 

《それしか、ないね。来るよ!》

 

カイトが警告した瞬間、フィドヘルは鉄扇を振るった

すると、魔力弾と魔力砲が一気に十数発放たれた

それを明久は回避し、一気にフィドヘルに肉薄して持っていた片手直剣を振り下ろした

しかし、その一撃は鉄扇によって防がれた

元々、鉄扇というのは防御兵装として作られた武器である

しかし、長さが大体20cm程でかなり薄く作られているためにかなり扱いが難しい

しかし、逆に使いこなせば接近戦では鉄壁の防御力を発揮する兵装だ

 

「つっ!」

 

明久は片手直剣を空中に放り投げると、双剣を握って構えた

 

(こりゃ、厳しい戦いになるかな……)

 

と明久は思うと、フィドヘル目掛けて突撃した


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。