魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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交戦開始

「まったく……何をやったのよ、明久くん……はい、おしまい」

 

「面目ないです」

 

着地に失敗した明久は、シャマルから治療を受けた

呆れた様子で治療しながら、シャマルは周辺警戒をしていた

そして、明久の治療を終えた

その時だった

 

「ん……」

 

「来たわね」

 

と二人は同時に、ある方向を見た

その直後

 

『ロングアーチより各員に通達します! ガジェット出現! 先行して、スターズ2とライトニング2が向かいました! 現場での管制は、シャマル先生が執ります!』

 

通信ウインドウが開いて、シャーリーがそう告げた

それを聞いて、シャマルは一瞬にして白衣から騎士甲冑姿へと変わった

その時、明久とシャマルが居る屋上より少し低い屋根に、ティアナがワイヤーアンカーを使って登ってきて

 

「シャマル先生! 私も状況が知りたいので、モニターを下さい!」

 

と言ってきた

それを聞いて、シャマルは頷いてから

 

「分かったわ、任せて」

 

と答えた

そして、自身のデバイスたるクラール・ヴィントに視線を向けて

 

「クラール・ヴィント、お願いね」

 

と告げた

シャマルのお願いを聞いて、クラール・ヴィントは短く了解と答えて、ティアナの前にモニターを表示した

この時、明久は

 

《はやて、ガジェットの接近を確認したよ。聞いたと思うけど、数は約50。ガジェットⅠ型が主力で、小数だけどⅢ型を確認したよ》

 

とはやてに、念話で報告していた

 

《分かった。アキ君は念の為に待機しててな。フォワード陣が危なくなったら、フォロー頼むな》

 

《分かった》

 

はやての指示に従い、明久はバリアジャケットを展開したが、その場で座った

ただし、何時でも動けるようにはしていた

その証拠に、双剣は丁度手の位置に

それだけでなく、腰には円筒

武器収容筒があった

その武器収容筒の中は空間魔法で無制限に武器が収容出来、使い手が手を入れて欲しい武器をイメージするだけで取り出せる代物だった

明久は主に双剣を使っているが、他にも使える

双剣、両手大剣、片手直剣、鎌、銃、鉄扇、刀、鎗(棒)

しかし、それら全てを持ったら動きが制限されてしまう

故に、普段は武器収容筒の中に仕舞っておくのだ

以上、説明終了

森の中では、シグナムとヴィータ。獣形態のザフィーラがガジェット相手に戦っている

戦況は優勢で、このままならば勝つのも時間の問題だと思っていた

だがその時、魔法によって強化された明久の目が、それを捉えた

掌サイズの銀色の存在

姿形的に、自然界の生き物ではなかった

即ち

 

「召喚生物……見た目的に、召喚蟲ってところかな?」

 

敵の増援だった

しかし、サイズ的には大した戦闘力は無さそうだった

危険性が高いのは、羽を使った首への斬撃くらいか

明久はそう思い、シグナム達に警告を発しようとした

その直後、その召喚蟲がガジェットと融合したのだ

 

「え?」

 

その光景に驚いていると、戦況が一気に変わった

今まで撃破されていたガジェット群の動きが、急激に良くなったのだ

シグナムの斬撃をアームを使って受け止めて、ヴィータの鉄球を回避したのだ

その光景を見て、明久は先ほどの召喚蟲の役割に気付いた

 

「しまった! さっきの蟲は、アンテナの役割だったのか!!」

 

しかし、気付いても時既に遅かった

シグナム、ヴィータ、ザフィーラの三人と交戦していたガジェット群は、陣形を組んで、三人の足止めを開始

それとほぼ同時に、フォワード陣のすぐ前方に魔法陣が展開

そこから新たに、約二十程のガジェットが姿を現したのだ

 

「転移魔法……相手に、召喚魔導師が居る!」

 

召喚魔導師

それは、その名前の通りに召喚魔法を扱う魔導師だ

自分と契約してくれた生物を呼び出し、自身を守ったり探索させたり、相手を攻撃出来るのだ

なお、キャロがこの召喚魔導師に当たる

キャロは龍の召喚たが、今回の相手は察するに蟲系と契約しているのだろう

しかし、召喚魔導師が使うのは、何も召喚魔法だけでは無い

召喚魔導師は、転移魔法のエキスパートでもあるのだ

そもそも、召喚魔法というのは契約した存在を、距離を越えて呼び出すのだ

契約した生物の中には、普段は特殊な環境に住んでる生物もいる

そういった生物は、違う星に棲息しているのがザラである

つまり召喚魔法というのは、惑星間転移魔法とも言える魔法なのだ

そんな惑星間転移魔法の出力を下げれば、普通の転移魔法としても使えるのだ

それによるガジェットの転移

それと合わせて、ガジェットの遠隔操作

その二つにより、フォワード陣は押され始めた

それを見た明久は、双剣を掴みながら立ち上がって

 

「シャマル先生。シャマル先生は、はやてに相手に新手が現れたことを伝えてください。召喚魔導師だと」

 

「分かったわ。明久君は、カバーに?」

 

シャマルの問い掛けに明久は頷き、屋上から飛び降りた(今度は、普通に着地)

そして、走りながら双剣を武器収容筒に仕舞って

 

「カイト!」

 

《了解、何時でも!》

 

と全力で戦う準備をして、フォワード陣のフォローに向かった

そして、明久は右手に片手直剣

左手に鎌を保持した

そして

 

「シイッ!」

 

短い呼気と共に、片手直剣でエリオを叩こうとしていたガジェットⅢ型のアームを叩き斬った

そして、戦闘は加速していく


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