魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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ホテル・アグスタ編ですたい


ホテル・アグスタ1

地球から戻って、数日後

機動六課はミッド郊外にある、ホテル・アグスタに来ていた

とはいえ、来た理由は休暇ではない

認可に他ならない

この日、ホテル・アグスタにて管理局が認可したロストロギアを含めた物品のオークションが開催されるのだ

そのオークションに出品されるロストロギアを、レリックと誤認してガジェットが襲撃してくるのが予測されたので、機動六課に警備任務の命令が下ったのだ

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「いらっしゃいませ」

 

と言いながら頭を下げたのは、受付係を勤めていたホテルのボーイだった

今日ホテルに来るのは、警備任務を請け負った機動六課以外は招待客のみだ

ただし、世の中には不正に入ろうとする輩は必ず居る

だから、このボーイが居る受付では招待状の他に生態による認証を行っていた

その時、ボーイの視界に入ったのは招待状ではなく、管理局員を示す写真付きのICカードだった

 

「あっ……」

 

それに気付いたボーイが視線を上げると、見えたのは

 

「こんにちはぁ。機動六課です」

 

とにこやかに微笑む、ドレス姿のはやて、フェイト、なのはの三人だった

この後、ボーイからの連絡でホテルのオーナーは機動六課が警備任務に就いたことを知る

しかし、なぜドレス姿なのか

これは、ホテル側からの要請だった

このホテル・アグスタはミッドでは高級ホテルとして知られている

当然ながら、宿泊客はドレスコードが必須項目だ

故に、ホテル内部

今回は招待客の視線がある場所では管理局員とてドレスかスーツの着用が求められたのだ

なお、機動六課が選ばれたのはこのドレスコードも理由だ

ホテル・アグスタでも通用するドレスorスーツとなると、かなり値が張る物となる

もし、それを人数が多い部隊の選ばれた人数分を用意すればどうなるか

それはお察しレベルだ

たった一回しか着ないかもしれないのに、バカみたいな出費をする訳にはいかないのだ

故に、元々少人数かつ、見目麗しい美少女が隊長の機動六課が選ばれたのだ

更に言うならば、誰だってシワだらけのオジサンとオバサンよりも、美男美女が嬉しいだろう

閑話休題

ホテル内に入った三人は、それぞれ決めた担当場所に向かった

そして、念話で

 

《やっぱり、結構隙間だらけだね》

 

《仕方ないよ。これでもセキュリティは高い方だけど、一級以上は想定外だし》

 

《だから、アタシらが呼ばれた訳や。気を引き締めてな》

 

と会話していた

そんな中、フェイトとなのはは一旦合流していた

 

「このシャッター……普通の金属製シャッターだね」

 

「だね……ガジェットのレーザーは………保って20秒かな?」

 

二人が見ていたのは、入口のシャッターだった

そこが一番入りやすいので、ガジェットが浸入してくる可能性が高い

他に、物資搬入用の地下駐車場があるが、そちらは分厚いシャッターがある

しかも、表面には対熱処理や対斬撃処理がされてるらしい

そちらを突破するのは、ガジェットは一苦労だろう

しかも、何かしらの異常が起きたら、直ぐに近くの警備員に連絡が行く仕組みらしい

これならば、地下駐車スペースに居るシグナム達が動けるだろう

とはいえ、世の中に絶対は無い

そのことは、なのは達が一番知っている

 

「それじゃあ、私は二階に行くね」

 

「うん。私は会場を見てるね」

 

二人はそう言うと、フェイトは階段を登り、なのはは近くのドアからオークション会場に入った

そして、二階に上がったフェイトは二階から外を見ながら

 

「バルディッシュ、オークション開始までの時間は?」

 

と愛機に問い掛けた

 

《約一時間半です。主》

 

「分かった」

 

何時も通りに返してきた愛機の言葉に頷くと、フェイトは非常口の確認に向かった

フェイトはこの時気づかなかったが、今しがたフェイトが通った通路のある曲がり角に二人の男性が居たのだ

 

「あれ?」

 

「どうしました、先生?」

 

金髪眼鏡の男性がフェイトを視線で追うと、正面に居た緑色の髪が特徴の男性が問い掛けた

すると、金髪の男性は

 

「あ、いえ。なんでもないです」

 

と返した

場所は変わり、ホテルの外

そこでは、フォワード陣と明久が見回りをしていた

なお、交代部隊は非常出撃に備えて隊舎にて待機している

ちなみに、本当だったら明久もスーツを着てホテル内を警備する(させる)予定だった

だが、明久が頑なに拒んだのだ

理由は至って単純

明久がスーツを着たくないと逃げたからだ

というか、明久としては知らなかったのだ

このスーツ、はやてがドッキリで用意したのだ

そな理由は単純

 

『面白いからっ!』

 

だそうだ

ちなみに、はやての座右の銘は

 

《面白いは最優先や!》

 

だそうだ

これを聞いて、明久は思わず

 

『あののんびりしてて、優しかったはやては何処に行ったの……』

 

と落胆していた

閑話休題

そして明久は、一人で少し高い樹の上に立っていた

 

「ねえ、カイト……次は、何が来ると思う?」

 

《そうだね……メイガスだろうね。増殖のメイガス》

 

「やっぱりか……」

 

残る八相は五体

そして、八相は順番通りに表れる

スケィス

イニス

そして、三番目はメイガスなのだ

 

「上手く、戦うしかないか……」

 

明久はそう言うと、樹の天辺から飛び降りて……

 

「ぎゃふっ!?」

 

《明久、カッコ悪っ!?》

 

着地にミスったのだった


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