御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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小説とゲームがどんどん溜まっていく……。 時間が欲しい。時は金なりっていうけど1時間何円なら買えるかな?って思うくらい時間が欲しい。


第6話

 

 

「よし、折角だからなにか実験をしよう! これで科学部の魅力も伝わるはずだよ!!」

 

結衣先輩がいきなり実験をしようと言い、立ち上った。他2名はめんどくさそうにしている。

魅力を伝えるってそもそも実験は滅多にやらないんじゃ……。

 

「面白そうですね! ならアレやってください! レールガン!!」

「いやいやカナ、そんなものが高校にあるわけないだろ!」

「えっ?あるよ」

「あるんですか!?」

 

カナが冗談?で言ってみただけだと思うが実際にあるのかよ。

 

「そういえば1年前に結衣と月宮が暴走して文化祭の出し物として作っていたな。だが、設定を間違えたらしくて……」

「…あの事件はすごかった」

「えぇ、前日に試運転をしてみると弾がすごい勢いで発射されて壁を壊しちゃったんだよね。その威力に耐えられず砲台は壊れたけど」

「そのせいで文化祭はなにも出せず、科学部は1カ月の活動停止になったんだ」

「うわぁ…」

 

こいつらほんと何やってんだよ。文化祭にレールガンって。

 

「その後改良を加えて完成したんだけど先生が試運転許してくれなくてさー」

「仕方なく奥にしまったのだが…。この際だから内緒で撃ってしまおうか」

「そうだね。よし、いこうか桜花さん。いまこそ私たちの研究を試す時だよ!」

「そうだな。的はそこのメガネでいいか」

「お前ら二人とも何言ってるんだ!そんなことしたら次こそ先生の首が飛ぶぞ!!それに部長である俺も怒られるからやめろ!! 後、月宮! 今、俺を的にするって言ったか!?」

「何を言ってるんだ?私はメガネを的にするといったのだぞ。その付属品である貴様には要はない」

「お前はメガネが俺の本体だというのか!?」

 

先輩方が騒いでるのを見つつ、俺はふと疑問に思いカナに話しかけた。

 

「それにしてもカナ。レールガンなんて言葉よく知ってたな」

 

カナは理系が壊滅的だからなんでいきなりそんな言葉が出たのか気になった。

 

「それはね~この前、悠君のお部屋を掃除したときに落ちていた漫画が気になって呼んでみたら面白くてタイトルを覚えておいたの」

「それって、とある?」

「うん、そうだよ。超電磁法ってかいてレールガンって読むんだよね! 漫画みたいになるのかな~」

 

 

 

「いいからそこをどけ。機器を運べないだろ!」

「そうだよ兄さん。後輩のために見せてあげようよ」

「いやいや、だからそんなことしたら先生のくびになるって言ったよね!!」

「…兄さん。何事にも犠牲は付き物なんだよ」

「そうだぞ、それにこういった名言もある」

 

「「ばればきゃ、どうってことない!!」」

 

「んなわけあるかー!!!」

 

なんというか先輩方いいキャラしてるよね。こんな部活なら入っていいかもと思ってきた。

 

「部長さん、部長さん」

「ん、なんだ御影。お前も反対だよな、さすがに先生に迷惑がかかるし…」

「あの駄姉のことなんて気にしないいで撃っちゃいましょうよ!」

「お前も敵かー!!」

「おーミカッチもこっち側か」

「ミカッチ?なんですかそれ」

「あだ名だよ!御影だと御影先生とかぶるし。あ、私のことは結衣でいいよ~兄さんもいるから紛らわしいし」

 

そんな感じに騒いでいると葉月姉さんが入ってきた

 

「おーい、お前らやってるか~」

「あっ!葉月お姉ちゃんだ!」

「よし、二人ともちゃんと来てたな。ところで三日月兄。なんで準備室にいるんだ?」

「奴が出たんですよ。黒いやつが」

「あっ、そういえば最近見かけてたな。一度バルサン使おうと思って忘れてた。んで、盛り上がっていたみたいだけど何の話していたんだ」

「葉月姉さんを犠牲にレールガンを撃とうと」

「レールガン? …ってまさかアレか!? おい、三日月妹!あれは処分してなかったのか!?」

「いや~そんな勿体ないことするわけないじゃないですか」

「ちゃんと改良して完成させておきました」

「三日月妹も月宮も何やってるんだよ! えっ?ていうか撃ったの?私もしかしてクビ?」

「いえ、なんとか止めましたよ」

「三日月兄、よくやった」

 

あー残念だもう少し姉さんが来るのが遅ければ……。

 

「「「ちっ」」」

 

「おい、お前らなに舌打ちしてるんだ。ていうか悠、お前すでに馴染んでないか?」

 

同じことを思ったのか月宮先輩と結衣先輩と同時に舌打ちしていた。

 

「まぁいいか。それより悠と彼方、この部活アンケート書いてくれ。見学に来たものに書かせないといけないらしくてな」

「部活アンケートって部活らしいことなにもやってないんだけど」

「そんなこと知ってるさ。まぁ適当でいいよ」

 

俺は適当に書いて渡すと満足そうに受け取った。

 

「じゃあ、私は職員室に戻るよ」

 

二人分のアンケートを受け取ると姉さんは直ぐに出て行ってしまった。一瞬ニヤリと笑った気がするが気のせいだったのかな。

 

「やったー!これで部員が二人入ったよ!」

「えっ?」

 

今結衣先輩がおかしなことを言ってなかったか?

 

「あの、結衣先輩?俺達まだ入部してませんよね」

「いや~あのアンケート実は偽物なんだよね。二人を確実に入部させるためにちょっと細工を」

 

偽物?細工?どういうこと?

 

「月宮先輩、つまりどういうことですか?」

「あれは名前の所が転写する仕組みになっていてね。下には入部届があるんだよ」

「先生が身内だからいいんじゃね?って言ってたからやってみました!」

「つまり……」

 

「「「ようこそ科学部へ!!!」

 

まさかの転写!? なんか紙が厚いなと思ったがそういうことだったのか。

まぁ、面白そうな部活だから入ってもいいかな。でもとりあえず。

 

葉月姉さんを殴ろうか。

 

 




最近書こうと思っても気分が乗らなかったが、書き始めるといい感じに一気に書けた。

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