御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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如月「悪は滅びた」
夏帆「あの、このあたりに散らばってる白い粉ってなんですか?」
如月「塩だよ?穢れを払うのに使った。前回奴が来てこの空間が汚染された」
夏帆「えっと確か前回って榊君でしたっけ?」
如月「うん。ほんとはそのまま本編からもしばらく退場でもと思った」
夏帆「うわぁ……さすがにそれはないですよ」


第19話

とある日の昼休み。いつものメンバー、悠、カナ、結月、榊で昼食をとった後、悠は鞄からあるものを取り出した。

 

「昨日、部屋を整理してたんだが、こんなのを見つけてな。捨てるのもなんだから遊ばね?」

「ん?折り紙か、懐かしいな。小学校のころ俺のクラスで一時期はやって、男子みんなメンコをつくって遊んだな」

 

悠は100枚入りと書かれている折り紙の束を取り出した。中身は大分減っていて3、4十枚あるといったところだ。

 

「あーメンコか。俺のとこでも流行ったな」

「でもユウくんは紙で作ったメンコなんかまともに遊べねぇだろっていって見向きもしなかったよね」

「あぁ、あのころは紙飛行機づくりに夢中になっていたな。どうすればよく飛ぶものをつくれるか」

 

いろいろやったものだな。小学生ながらに羽部分や折り方、紙の質や重心とか。

教室や家で何度も飛ばしては作り直して飛ばしては作り直してで1カ月くらい熱中していたな。

 

「ユウくんの部屋、紙飛行機だらけだったもんね。私は細かい作業苦手だし、折り方もあまり知らないんだよね。夏帆ちゃんは?」

「私はよく鶴や猫みたいに動物を折ったりしていたよ」

「あ、俺は他にもこんなの作ったな」

 

そう言い悠は黒い紙を一枚取り出して、手元を隠しながら素早く折る。

 

「人類の天敵。黒光りするG。その名はゴキb」

「「いやぁぁぁー!!」」

「御影!お前何作ってるんだよ!手か無駄にリアルでキモいんですけど!?」

 

カナと結月が悲鳴を上げる中取り出すは名前を言ってはいけない例の黒いやつ。

二人が悲鳴を上げるからクラスの人が何事かとこちらを見てくるので、そいつらに向かって折り紙で作った黒いやつを投げつける。

 

「「「ぎゃぁー!!」」」

 

「で、なんの話してたっけ?」

「折り紙でなにを作ったことあるかった話だろ。御影が名前を言ってはいけない黒いやつを作るから教室が大変なことに……」

「名前を言ってはいけない黒いやつ。その名もクロノ・ハr」

「まて、御影。それ以上は言ってはいけない。それ以上は世界の意思が許さない。ってかそれ違うだろ。あの人そこまで嫌われてないよな?」

「世界の意思とかお前、頭大丈夫か?一回リセットするか?こう、首に向かって45度に手刀を」

「俺は正常だよ!だからそんな壊れた古いテレビを直すみたいなノリで俺を気絶させようとするな!!」

 

なんだ折角、人が心配してやってるのに残念だ。

 

「そんなことよりユウ君!あんなもの作っちゃ駄目でしょ!」

「そうですよ!冗談でもアレはないですよ!」

「ごめん。まさかここまで騒がれるとは思わなかった。よし、気を取り直してみんなで何か作ろうか」

「なに折ろうかな。縁起物で鶴とか?」

「できれば簡単なもので」

「艦たん?」

「榊、お前は何言ってるんだ。よしここは逆転の発想で縁起の悪いもの、不気味なものを作ろうか」

「お前こそ何言ってるんだ!?」

「…ありかも」

「カナちゃん!?」

「でも折り紙で作れるのと言ったら限られるか。とりあえず各々縁起の悪いものや不気味なものを上げよ。榊から」

「えっと黒猫?」

「バカが黒が何枚あると思ってるんだ。そこ考えてから発現しろ。次、結月」

「ト○ロ」

「うん。結月のトト○の認識がそっちよりってことなの?まぁ保留。最後、カナ」

「人型、藁人形ならぬ紙人形でも作る?」

「それだ!」

「それだ!じゃねぇよ!お前は誰かに呪いでもかけたいのかよ!?」

「そんなことは考えてないが。まぁとりあえず作ってみようか。ほら折り紙」

 

折り紙を配りみんな好きなようにおり始める。悠はオリジナルで、結月と榊はスマホで調べており始めている。カナは人型だがなぜか首がない。

そして10分もしないうちに30体の人形ができた。

 

「なんかこんだけ紙の人形があると不気味だな」

「確かにそうだが。俺は結城さんの人形がすげぇ気になる」

「私も。なんで首がないの……」

「だな。カナ、素晴らしいセンスだ」

「えへへ。流石でしょ」

 

 

 

「さてここで取り出すは一枚の写真」

「うん?」

「あっ榊君だ」

「ですね」

 

悠が取り出したのは生徒手帳に乗せるような写真だ。榊がなんで俺の写真を御影がもってるの!?といった表情をしているが無視。

 

「この写真の顔部分を拡大し切り取ったのがこちらです。これをこの人形の顔部分に張ります」

 

よいしょっと人形に張り付けてその人形に釘、はないので画鋲を突きつけて

 

「呪いあれ~呪いあれ~」

 

そんなことを言いながら突き刺す。

 

「なにしているんだ御影ぇー!!」

「呪いあれ♪呪いあれ♪」

「結月さんもノリノリでペンを突き刺すのやめてくれませんか!?」

 




なんとかできた。
週1で上げてきたがさすがに次はそうはいかないかも。

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