悠「久しぶりじゃねぇよ。なんでこんなに間が開いたんだよ」
如月「なんか気分が乗らなかった。まぁそんなことより悠、聞いてくれよ」
悠「お前、そんなことって……。で、なんだよ」
如月「最近、人の顔がモザイクかかって見えるんだが」
悠「何言ってるの!?ただ視力が低下しただけだよな!?」
ポーション調合実験から数日。とくに実験をすることもなくだらだらと過ごしていた。
最近は暇なのか榊がちょくちょく遊びに来るようになったが教室同様にあいつで遊んでいる。
部長が最近学校に来ないので弄る相手に飢えている桜花先輩と結衣先輩も一緒にだが。
この前なんて最後は泣きながら逃げるように帰っていたよ。
なにやったかって?それを口に出すのはちょっとな……。
それでも何度も部活に顔を出す榊は頭がどうにかしていると思う。ただのMなだけかもしれないが。
「オーブンよし。クッキー生地よし。生地をくり抜いて投入!」
悠は学校から帰宅後、家事を済ませた後クッキーを焼いていた。
もちろん普通に焼くのではつまらない。ちゃんと榊用、もしくは部長用に爆弾を仕掛けるつもりだ。
「うわぁ~ユウ君いい匂いだね!クッキー焼いてるの?」
「ん、カナか。明日のお茶菓子にしようと思ってな」
クッキーの匂いを嗅ぎつけカナがキッチンまでやってきた。
オーブンの焼けるまでの時間を見た後、じっと悠を見ている。
「はぁ、焼けたら一枚やるよ。一枚だけだぞ」
「やったぁ!ありがとう、ユウ君!」
数分後クッキーが焼き上がりある程度冷めてから一枚とりカナに渡す。
「ほら、まだ少し熱いから気をつけろよ」
「わ~い!あむっ、熱っ!けど美味しい!さすがユウ君!」
悠も一つつまんで口に入れる。少し甘すぎるかな?まぁお茶の方を調整すればいいか。
「さて、ここからが本番だ」
悠はどこからか取り出したのかガスマスクを装着した。
「ユウ君何作る気なの!?そんな物騒なものつけて一体なんの食材を使おうとしてるの!?」
「何作るって、お仮死だよ?」
「お菓子?」
「うん、お仮死」
「なんか漢字が違うような気もするけど気にしないでおくね」
「いい子だ、カナ。よし、特別にもう一枚上げよう」
「わ~い」
カナにもう一枚わたしてキッチンから追い出す。
そして悠はお仮死を作るためにある物体を鞄から取り出した。
「……ガスマスク、思った以上に息苦しい」
翌日―教室
「さて、榊君。おはよう。今日はいい天気だね」
「どうしたんだ御影。俺を君付けなんて……。それに今日は曇りだぞ?」
「何言ってるの?春の日差しなんて鬱陶しいだろ。曇り、しかも洪水確率も予報では低い。曇り、まさにいい天気」
「まぁ、それも一理あるが……」
「一理アル○ン?」
「ナイミン!って何言ってるんだ俺は」
「おぉ……ラジオ内のネタも通じるとはお前もなかなかやるな。そんな榊にプレゼントです」
榊と朝の挨拶を交わして昨夜作ったお仮死を鞄から取り出す。
「クッキーか?どうしたんだ突然」
「暇つぶしに焼いてみた。食べ物で遊ぶことはあまり好きじゃないけどお前のために作ったお仮死だ。食べてくれ」
そう言い榊にクッキーを入れた袋を渡し、榊は何の疑問も抱かずにそれを置けとった。
「おう、もらっておくよ」
「くれぐれも他の人にあげるなよ。耐性がないやつは一口でもっていかれるから」
「お前一体何作ったんだ!?これ普通のクッキーじゃないのか!?」
「俺が普通のものをお前に渡すわけがないだろ?安心しろ、毒はない。むしろ健康食品?味は保証できないが」
「なんだそれ。お前らが作ったポーションみたいなものか?」
「むしろそれを固形化したやつ」
そう、このクッキーにはポーションを作る最初の工程でミキサーで混ぜたものをろ過する作業があったがその時の固形物を混ぜて作ってみたものなのだ。
そのことを榊に伝えると
「いらねぇよ!お前っそんなの食わせようとしたのか!?」
「いやいや。そう言いつつ食べてくれるのが榊だろ?わかってるよ」
「わかってねぇだろ!とにかくこれは返すよ!」
結局、食べてくれなかった。
榊ならあるいは、と思っていたのだが解せぬ。
「まぁ、榊はポーション飲んでくれたからいいか。これは部長にあげよう」
「部長さん。まだ会ったかとはないがご愁傷様。ってかあの人なんで部活来ないんだ?受験生ってこの時期から忙しいもんなのか?」
「いや、そもそもあの人受験しないし。なんか就活してるらしいよ。それも自転車で」
「は?就活?しかも自転車でか」
「俺も詳しいことは知らん。部長の妹の結衣先輩が言うにはマジでやってるらしい」
「部長さん何者なんだ……」
「ただのバカだよ」
「バカなのか」
「あとメガネ」
次話は頑張って早く投稿できるようにしよう
ほんと文才が欲しい。ある程度のネタはあるのに形にしようとするとどうしてこんなに……