御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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ども、予告した通りの特別話です。
悠の中学3年のクリスマスのお話を書いてみました。


特別話 クリスマス

 

12月25日クリスマス

それは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う日である。クリスマスは、キリストのミサに由来し、日本語では、「降誕祭」、「聖誕祭」、「聖夜」などの呼び方がある。

 

「クリスマスは家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である。だが、クリスマスは家族と家でのんびり過ごすべきだと俺は思う!」

 

12月25日。日が落ちて辺りが暗くなった頃、悠は我が家のソファーで寛いでいるカナに語りかける。

 

「しかし、残念なことに我らの父母は仕事のため今日も帰ってこれない!悲しいことに俺たち二人と葉月姉さんのみだ!」

 

そう、残念なことに悠とカナの両親は仕事のため帰ってこない。葉月姉さんはなぜかくることになった。いい加減彼氏つくれよ、と言いたい気分だ。

 

「そして近年、クリスマスが聖夜と呼ばれていることから恋人と過ごす日というふざけたことを言うやつがいる!クリスマスの恋人と過ごす愚かな人間を何と呼ぶか答えてみろ!カナ!」

「はい!リア充です!」

「その通りだ!何が聖夜だ!ふざけやがって!リア充爆発しろー!!」

 

悠はクリスマスということで若干おかしなテンションとなっており近所に迷惑のかからない程度に大声で叫んだ。他人から見ると「お前もリア充じゃないか」と思われがちだが悠にとってはカナは家族であり異性としては意識していないし、そのような関係にはならないだろうと思っている。

 

「ユウ君ユウ君それなら私が恋人になってあげようか?」

 

少し顔を赤らめながら上目づかいで言ってきたカナに対して悠は

 

「んにゃ、いいや。べつに今は恋人がほしいとか思ってないし」

「そうなの!?じゃあなんで叫んだの!?」

「クリスマスの定番かなと思って。非リア充が誰しも願っていることだ。リア充に裁きを!ってねそう思わないか?」

「思わないよ……。そんな物騒なこと考えてるのなんて」

「そんなことないよ。我が学校のリア充撲滅委員会の方たちが今日リア充を狩るため街を徘徊するって」

「なんなの!その委員会!?」

「名前の通りリア充を監視し、イラッときたら制裁を加える会だよ?」

「ユウ君、ほんとにそんな委員会あるの?」

「あるよ。俺がつくって放置している間になんか大きな組織になってて手が付けられなくなった」

「ユウ君……。なんてものをつくったの」

「うん。これはほんと反省してる」

 

あれは1年前の5月ぐらいだったかな。とある漫画の影響でふざけて作ってみたんだが、気づいたころには怪しい組織に……。リア充を見つけては監視し、リア度によって数々の制裁を加えてきた。内容は……言えないな。ヤバいのもあるから。

 

「それにしても葉月おねえちゃん遅いね」

「また妙なこと考えてるんだろ。今回はクリスマスの女神~って言ってサンタのコスプレでもして入ってきたり」

「あはは、お姉ちゃんならあり得るかも」

 

葉月姉さんが我が家の何らかのイベントに来るときは何々の女神~って言ってそれっぽい衣装を着てやってくるからな。

そう考えてるとチャイムを鳴らさずにドアを開けて家に上がってくる人が一人。

 

「クリスマスの女神参上―!二人ともプレゼント持ってきたぞ~!」

「わぁ~サンタだ!葉月お姉ちゃんにあってるよ!」

「そうだろ、そうだろ。いい子にはプレゼントをやろう」

「ありがとう!葉月お姉ちゃん!」

 

ほんとにサンタのコスプレでやってきた葉月姉さんは持っていた袋からカナにキレイにラッピングされた箱を渡す。

 

「どうだ悠。私もまだいけるだろ?」

「アウトだよ。年考えろ」

「うるせぇーっ!!」

 

悠の返答に怒りプレゼントの箱を袋ごと投げつけられ悠の顔面にヒットした。

 

 

 

 

 

「にしても良くここまで作ったな。悠、お前また料理の腕挙げたか?」

 

葉月姉さんもやってきたところで作っておいた料理を温めて並べていく。自分でも大分凝ったものを作ったと思っている。少し気合を入れすぎたかな。

適当に飲み物を配ったところで確認し

 

「それじゃあカナ。今日は何日だ!」

「12月25日です!」

「つまりは?」

「クリスマス!」

「クリスマスとは?」

「家族でのんびり過ごす日!」

「恋人と過ごす奴は?」

「ギルティ!」

「リア充どもは?」

「爆発しろー!」

「メリークリスmっ」

「お前らなんにやってるんだー!!」

 

いいところで葉月姉さんに止められた。カナもなんだかんだで俺に合わせてくれたのに。

 

「何?せっかくいい感じの挨拶で始めようと思ってたのに」

「どこがだ!?なんだあの物騒なのは!もっと普通にやれ!」

「仕方ないな。なら」

 

悠は軽く咳払いし

 

「それではわれらがイエス・キリストの生誕を祝って……」

「今度は宗教っぽいことを言うつもりか!もっと気軽にやれ!」

「え~じゃあ。メリ~」

「メリ~」

「軽いなおい!」

 

そんな軽いノリでカナとコップを掲げた。

 




こんな感じ
さて今年終わるまでどこまでいけるかな

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