御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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オリジナルもいいかもと思い、日常ものを書いてみました。
なんで科学部というと高校のとき所属していたからです。


第1話

「暇だな~」

 

ここは科学部の部室、科学実験室。俺は特にやることもなく本を読んでいる。

 

「ねぇミカッチ。 暇つぶしに王水作ったんだけどいる?」

「いや、暇だからってそんな危険物つくらないで下さいよ。 結衣先輩」

「え~、せっかく作ったのに」

「そんなもの処分してください。ところで修部長はいないんですか?」

「あぁ兄さんなら生徒会によって来るって言ってたね新入部員の報告かな」

 

科学部といえばいつも実験をしているわけではない。イベントや発表会などが近くなければ基本なにもやらない。

 

「暇なら私とひと狩りいかないか? 悠君」

「すみません桜花先輩。今日はゲーム持ってきてないんで」

「そうか。残念だ」

 

この部は3年に男子1人。2年に女子2人。そして1年が現在俺を含めて2人所属している。ここでは部員それぞれがやりたいことをやりたいようにしている。

 

「ねぇ、ユウ君。なにかこれおかしくないかな?」

「なに? どうしたの?」

 

俺は読書をしていると少し離れたところでなにやら実験をしている同い年で幼馴染の少女、カナが話しかけてきた。なにかの液体を入れた試験管を熱しているようだが、沸騰している。

 

「まてまて! なんで沸騰してるんだよ!? 沸騰石はいれたのか!?」

「え? 沸騰石って沸騰させるために入れるんじゃないの?」

「違うよ! 沸騰を抑えるために入れるんだよ!! いいから早く火を消すか試験管を取り出せ!!」

 

俺の指摘でカナは焦って試験管を取り出そうとするが次の瞬間、

 

「きゃああぁぁー!!」

「うわあぁぁ!!」

 

中の液体が吹き零れそれに驚いたカナが試験管を落としてしまい正体不明な液体が飛び散った。

 

今日も科学部は騒がしく活動中。

 

 

 

 

―1週間前―

 

「おーい、 カナ~、早く起きろ~」

俺、御影 悠(ミカゲ ユウ)は今日から高校生。 未だに寝ている幼馴染、結城 彼方(ユウキ カナタ)を起こしに来てるが……。

 

「…zzz」

 

「返事がないが、寝息が聞こえる。 こいつ、ただの屍ではないなっ!」

 

「zzz」

 

この通り、なかなか起きない。ボケにも反応しない。

俺が起きた時に一回、朝食の準備が終わった時に一回、そして学校に向かおうと思った今にもう一回声をかけてみた。しかし未だに起きる気配はなく、幸せそうな顔をして寝ている。

 

「昨日、あんだけ寝坊するなよって言ったのに……」

 

なんで俺がわざわざ起こしに来ているというと、俺とカナは数日前から同棲している。俺の父は中学のころに海外に転勤してしまい、母もそれについていった。だが、日本が好きな俺は無理行って日本に残った。もともと俺はやろうと思えば大抵のことは平均並みにできる。家事はカナやカナの母親にならってそれなりに様になった。

 

そして高校に上がる数日前、カナの親が転勤することになった。転勤先はそう遠くはないがカナが高校に通うとなると通学に時間がかかる。というわけで、なぜか俺の家に居候することになった。

 

いやいや、いくら幼馴染といっても年頃の異性だよ? 信頼してくれるのは嬉しいけどこれってどうなの!? 俺の両親も面白そうだからOK!なんて言ってるいけど俺は反対!!

 

なんとか阻止しようと思ったものの、 カナがユウ君と一緒だ~なんて笑顔で嬉しそうにするものだから反対する気も失せた。

 

「しかし、中々起きないな……。そろそろ出ないと間に合わねぇぞ」

 

家から高校までは歩いて20分程、自転車を使えば半分の時間ですむが駐輪場の登録等は済ませていない。今でないと入学式に間に合わない。

 

「いいか、置いていこう」

 

寝坊助な幼馴染は放置。初日から遅刻して目立ちたくないのでカナを犠牲に俺は高校に向かって歩き出した。

 

 




どうでしょうか。まぁ少しだけだから何とも言えないか。
部活に入るまで何話か入りますがそれ以降は部活動メインに書こうと思います。

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