んで、能力確認後、扱えるように修行しよう。←ここまで
試作その2 第1話
朝起きたら、目の前が森林だった件について。
先に言っておくが、俺は全くふざけていない。
いつも通り家に帰って寝たはずの俺。目が覚めてきたところでやたら布団が固いことに気づく。
あれ、布団ってこんなに寝心地悪かったっけ?
そう思った俺は目を開く。そして、そのまま固まった。
俺の目の前に広がる光景は、現代社会からは程遠い森林だったからだ。
しかも、とんでもなく広い。というより深い。
なんか、あれだ。ジャングルって言ってもあんまり違和感がないだろう。それぐらい木々が生い茂ってる。
正直訳が分からないが、夢であるかどうかを確認するために自分の頬をつねってみた。
うん、痛いな。夢じゃねえわこれ。
さて、どうしたものか。そう思った俺は周囲を見渡して、ある違和感を抱いた。
なんか、視線高くね?
俺の身長は170cmとまぁまぁといった感じだが、今見ている景色は明らかに高い。ガリ○ー的な何かかと思ったが、地面との距離を見た感じそういうわけではなく、ただ単に俺自身の身長が伸びているようだ。
さて、地面との距離を見るために俺は下を向いているわけだが、ここで疑問が増えた。
そこから見える俺の身体、金色になってる。金色聖○士もびっくりだ。
・・・・・・待て待て待て待て、さすがにこれはスルー出来ねえぞ?
急いで両手を動かして自分の視界に入るよう持ってくるが、その両手も金色だった。
わけわからん。そう思った俺は、とりあえず自分の全貌を確認できる何かを探して急いで移動した。
わーい、また疑問が増えたー。俺今歩いてないのに移動してるぞー。
別に走っているわけではない。姿勢はそのまま、移動しているのだ。つまりはホバー移動している。
・・・もういいや、この疑問は後回しにしよう。
そう思った俺はホバー移動をし続けた。
~移動中~
なんだこれ。
俺の頭の中は先程からその疑問が渦巻いている。
あれからしばらく移動していていたら、大きな湖に出た。透明度が高く、まるで鏡のように周りの風景を反射していたので、自分の容姿を確認しようと湖を覗き込んだ。
そして、絶句した。水面に移っている姿は間違いなく人間ではなかったからだ。
だが、そんなことはどうでもいい。自身の容姿が人間じゃなかったことも驚きだが、それよりも俺にとっては今の姿のほうが衝撃だった。
俺はコイツを知っている。実際に見たことはない。だが、アニメという形でこいつのことを知っている。
今の俺の容姿は、『蒼穹のファフナー』というアニメに登場する敵、『フェストゥム』そのものだったのだ。
~思考停止中~
・・・オッケー、多少落ち着いた。
もちろん、冷静ではない。さっきからわからないことの連続で、もう頭がいっぱいいっぱいだ。だが、もうこんなことになってしまっているのだから、受け入れるしかない。
それよりも、なぜこんなことになっているのかを考えた方がまだマシだ。と、言っても。俺の知識の中からじゃ一つしか候補がないのだが。
それは昨日までの俺がよく読んでた二次小説のジャンルである『神様転生』って奴だ。
だが、神様になんぞ会った覚えはない。さらに言うと、事故だのなんだので死んだ覚えもない。つまりはこれの可能性は低いってことだ。ま、『転生』の可能性は十分あるわけだが。
それよりも問題なのは、ここがどの世界であろうと今の自分の見た目はやばいということ。
はっきり言って怪しい以外の言葉が思いつかないぞ。もしファフナーの世界なら敵認定だし、その他のアニメでも大概敵にしか見えねぇ。
何かヒントでもないものか。そう思った俺は、一つの可能性を考え付いた。
それはミールの存在だ。
ミールというのはバッサリいえばフェストゥムの親玉であって、母のような存在でもある。もしミールと交信、つまりは連絡が取れれば何かしらのヒントが得られるはずだ。
そう思った俺は早速交信を試みようとした。が、ここで俺は一つの壁にぶち当たる。
交信って・・・どうやんの?
エェイ、とりあえずあれだ。リリカ○なのはの念話とか、たぶんそんな感じだ。それでいけるだろ。
もはや半分ヤケクソになっていた俺は意識を自分の中に集中させる。すると、心の奥底にナニカを感じる。これに触れれば、ミールと交信できるかもしれない。そう思った俺はさらに意識を奥深くに持っていきナニカに触れる寸前までいく(イメージだが)。これで、ようやく前へ進めるーーーーーーー
【同化する程度の能力】
ーーーーーうん、どうやらここは『東方Project』の世界っぽいな。
~思考整理中~
・・・よし、落ち着いた。とりあえず手がかりはつかめたんだ。さっきよりはだいぶマシだ。そう思わないとやってらんねぇよ。
とりあえずここはおそらく東方の世界なのだろう。どの時代なのかは全くわからんが。
それよりも気になるのが、【同化する程度の能力】だ。名前からして嫌な予感しかしねぇ。
というより、ほぼ確定だ。さっきこの能力の名称と共にこれの使い方が頭の中に入ってきた。あとはこれが本当かどうかだな・・・。
そう思い、手近なところに垂れていた枝葉を折り、少しの間見つめる。するとーーーーー
枝葉に翡翠色の結晶がびっしりと生え、そして水晶もろとも砕け散った。
あぁ、間違いない。この能力、フェストゥムが持つ同化現象そのものだ。
これはやばい。なにせ、この能力は危険すぎる。このままだと、原作キャラと関わることすらできないだろう。ていうか、どこかの勢力に属することもできねぇよ。ボスとかにはなれそうだが、生憎と俺はそんな属性は求めていない。
とりあえず、まずはあれだな。この能力を制御できるよう、練習しよう。
そう思った俺は、どこか良い場所はないか再びホバー移動で動き出した。
次回は、しばらく時が過ぎる→ワームスフィアとかの確認→妖怪と接触、ぶっ殺す→村を発見、しかし容姿のせいで近づけない→再び訓練をすることに
的な感じで行きたい。