試作小説保管庫   作:zelga

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①97世代のステイヤー
②サイレンススズカの嫁(超重要)
③98年の天皇賞でスズカを救い(妄想)、99年の凱旋門賞で勝利(目標)

これらを目安ににウイポ9で〆配合して遊んでいたら面白い子ができたので。

※4/11追記
新作のウイポ10で同じ遊びしようとしたらウマ娘的にこっちも面白そう+脚質に妥当性が生まれたので血統いじりました。

※最後に有名なCMパロがあり、そこで大体のネタバレがあります。ネタバレが嫌な方は始まったのを察したらあとがきまで飛んでください。


ウマ娘(架空馬)
試作その9 第1話


『第0話 プロローグ』

 

 

 

――走る。

 

 

 

――走る、走る。

 

 

 

――走る、走る、走る。

 

 

 

 

 

走り始めて、もう何分経っただろうか?

 

5分? それとも10分?

 

 

 

……いや、実際は1分経ったかどうかといったところなのだろう。

 

何という天気だ。今も降り続けているこいつらのせいで、踏みしめた地面が重く食らいついてくる。

 

何という相手だ。走る前からわかっていはいたが、周りにいるこいつらが全員格上に見える。

 

何という状況だ。今の私の状態は普段通りではない。きっとみんな驚いているだろう。

 

 

あぁ、なんて、なんて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――なんて最高の気分なんだ。

 

 

 

この天気も。

この馬場も。

この展開も。

 

何もかもが最高だ。これ以上はないと胸を張って言える。

 

 

 

 

 

『――――――――――!!』

 

 

 

どこからか声が聞こえる。

 

何を言っているかはわからない。でも、どんな想いが込められているかはわかる。

 

そしてそれは、間違いなく私達(・・)の力となる。

 

 

 

 

 

『――行こう』

 

 

そうだ、そうだよな。

 

これより早いと最後の最後で足りなくなる。

これより遅いと前のあいつらにはギリギリ届かない。

 

 

 

全てをぶちまけるのは、今だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………んぁ?」

 

 

沈んでいた意識が浮上し、ぼんやりと目を開ける。

 

枕元で鳴り響く時計の頭を叩きつけ、体を起こす。しばらくボーッとしていたが徐々に視界が鮮明になり、ふと思い出して周囲を見渡す。

 

 

「やべ、時計は……。お、流石は私たち専用」

 

 

頑丈頑丈、そう思いながらベッドから出る。そして手早く制服に着替え、部屋を出て1階に降りていった。

 

 

今日の朝食はどうしようか? ……あ、昨日貰ったタコスが残ってたっけ。

 

あれにしよう。後輩がうまいと絶賛していたし、きっと私の口にも合うだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「畜生、死ぬほど辛いじゃないか!」

 

 

あの後輩、今日会ったら覚えていろ。そう考えつつもおかげで目はばっちり覚めたので玄関で靴を履きながら愚痴る。

 

かければかけるほど美味しいと聞いたので数滴だけならと思ったのだが、とんでもなく辛かった。あれを普段からドバドバかけているあいつは舌がイカレてるんじゃないか?

 

 

「よし。それじゃ、いってきまーす!」

『ニャー』

 

 

飼い猫の返事を聞きつつ、扉を開けて家を出る。そして通っている学院に向け、ゆっくりと走り出した。

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ――――」

 

 

最初は軽く。しかし走った距離が延びるにつれて足と気分が温まってくるのを感じる。

 

 

「ハッ、ハッ――――……ハハッ」

 

 

 

 

 

あぁ、そうだ。この気分だ。

 

最早前前世ともなると名前すら忘れてしまった。

前世では畜生道に落ちてしまったのかと戦々恐々とした。

 

そこからの今世、これまたずいぶんと変わった者になってしまった。

 

 

 

……が、この想いは変わらずにある。

 

それならば、私は私なのだろう。この昂りがある限り。

 

 

「さぁ、今日もアゲていこう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーThe Dreamerー

 

 

ー99年、凱旋門賞。歴代最悪ともいわれた馬場状態、それは彼女にとって最高の遊び場だったー

 

ー雨を、芝土を、強風をー

 

ー夢を、悲願を、歓声をー

 

ーその全てを纏い、力に変え、駆け抜けるー

 

ー最後の力が込められた時。彼女を止める術など、誰も持ち合わせてはいなかったー

 

 

 

 

ーその馬の名は、フォールンストーム

 

 

ー世界よ見ろ。これこそが、彼女が作りし常識だー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





主人公の名前は【フォールンストーム】。
前書きからわかる通り牝馬だが、中身は人間(前世は一般男性)。

原作は「架空馬+ウマ娘」になるのだが確か1話はウマ娘の話を作る必要があるのでここで消化。基本は架空馬編を主軸に書いていく予定。ウマ娘編はあっても番外編。


≪次話の目標≫
①主人公、大地に立つ(直喩)
  ↓
②主人公、現状を察する
  ↓
③周囲から見た主人公の軽い評価?


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