試作小説保管庫   作:zelga

23 / 31
ワートリ、アニメ3期で再燃して妄想がはかどった結果。


この小説は、

『迅悠一を救い隊』
 +
『ワートリとクロスすることで最も恩恵のでかい版権キャラは誰か選手権』
 +
『近接系の女性キャラ欲しいよね』

の3本でお送りいたします。


ワールドトリガー
試作その6 第1話


〇月〇日 

 

今日は晴れ。雲一つない、とても綺麗な青空。

 

今日の予定は……庭の草むしりをした後、進さんや楓ちゃんと訓練だったかな?

 

朝食担当は私なので手早く作っていく。お味噌汁のにおいに連れて起きてくる家族に挨拶をするのは、私の日課であり細かな楽しみの一つだ。

 

目が覚めた時、あの子はまだ寝ていた。まだお日様も登り切ってないし、寝坊助なこの子が起きるわけないか。

 

 

うん、今日も頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月△日

 

今日は晴れ。分厚い入道雲があるけど、心地良い空。

 

今日の予定は……桐ちゃん真都ちゃん楓ちゃんと町にお出かけして、午後からはレイジ君と訓練だったはず。

 

訓練中に面白い話が聞けたので、今日の夕飯はレイジ君にも手伝ってもらうことにした。どうせ住み込み組はみんな夜までやることあるだろうし、家通い組も一度寄るはずなのでちょうどいい。

青春していけ、若人よ。

 

目が覚めた時、あの子は眉間にしわを寄せて寝ていた。しばらく頭をなでていると穏やかな寝顔に戻ったので、夢見が悪かったのだろう。

 

 

よし、今日も頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□月□日 

 

今日は晴れ。雲は……少しだけある。

 

今日の予定はたくさん。ゆりちゃんと一緒に作り置きできる料理をいくつか作って、桐ちゃんや麟太郎君と訓練。午後からは城戸さんや林藤さんと一緒に同盟先との会合に出て、帰ってくるのは長くても1週間後になるかしら。

 

あれから料理に目覚めてくれたようで、今ではレイジ君もご飯組に混ざるようになった。私がいなくても最上さん達の食事事情はこれで安泰ね。

 

目が覚めた時、あの子も一緒に起きた。おそらく最近開始した特訓に早朝からすることが含まれているのだろう、最上さんが苦笑しながら教えてくれた。

 

 

さぁ、今日も頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×月×日

今日は曇り。お日様が出ていない日は余り好きじゃない。

 

今日の予定は朝から夜まで訓練漬け。なんでも同盟国の1つからの要請で、近々出ることになるかもしれないと政宗さんから通達があったからだ。

 

今回は比較的小規模らしく、楓ちゃんや響君などの戦闘慣れしていないメンバーも連れていく予定らしい。戦闘慣れしている私たちも行くので大丈夫だとは思うけど、念には念を入れておきたい。ということでご飯は留守番組のレイジ君に任せて、遠征メンバー10人とランダムルールで戦う予定だ。全員で帰ってこられるよう、全力で鍛え上げなきゃ。

 

目が覚めた時、あの子の姿はなかった。最近よくうなされていたから抱きしめて寝たのだけど、流石に恥ずかしかったのかしら?

 

 

それじゃ、今日も頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×月×日

 

今日は曇り。どんよりとした黒い雲だから、そのうち雨が降るかもしれない。

 

今日の予定は、雨が降る前に庭の草むしりをして、レイジ君と昼食作り。午後は特に予定がなかったので、あの子と最上さんの訓練をのんびり眺めていた。

 

昔に比べて強くはなっているけれど、それでも最上さんに一撃を入れられそうにない。けどこれは根本的な強さと言うより、武器の相性な気がする。あの子はもっとこう、短くて小回りが利く武器のほうが戦闘スタイルに合っている気がする。一応忍田さん辺りに意見を聞いてみようかしら?

 

目が覚めた時、もうあの子の姿はない。この前お母さんを説得し、住み込み組になったのだ。最近ドンドン強くなっているけど、まだ足りないみたい。私が鍛えてあげようかと言ったが、それじゃ全然足りないんだと一蹴されてしまった。……これが反抗期か、寂しい。

 

 

さてと、今日も頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇月◇日

 

今日は雨。しとしと降る分にはいいけど、本降りになられると少し困る。

 

今日の予定は色々あったけど、急遽中断。最上さんから連絡があり、アリステラに向かう準備をすることになった。なんでも近々攻め込まれる可能性が高く、そこを落とされると次の狙いは高確率で私たちの世界になってしまうらしいのだ。

 

準備を終え、トリオン体の動きを確認していると突然あの子が来た。なんでも護衛の仕事はつまらないので、勝負に勝ったら任務を変わってほしいとのことだ。最初は断ろうと思ったが、目が真剣だったので勝負を受けることにした。さすがに差があるのであの子の師匠である最上さんにルールを設定してもらい、10本勝負で1本でも取れたらあの子の勝ち、と言うことになった。

……結果から言うと、私の勝ち。でも驚いた、あんなに強くなっているとは思わなかったのだ。前半は私が圧倒していたが、後半は私の攻撃を先読みして避けるようになり、最後の1本は取られる寸前だったのだ。こんなに成長しているなんて、気づけなかった自分が恨めしいことこの上ない。だけどあの子はこの結果が相当ショックだったようで、しばらく唖然としていた。だから慰めた後にどうだ、姉さんはこんなに強いんだぞと言ってやった。そしたら久々に私の顔を見て、気を付けてと言ってくれた。

……確かに、アリステラでは本格的に戦火に身を投じることになる。そして私は最前線に出ると思うので、それが不安だったのだろう。よしよし、かわいい弟め。

 

 

みんな、頑張って生きていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、みんなは帰れただろうか。

 

 

周りに山のように積み重なった残骸を踏みつけ、周囲を見渡す。

 

 

あちらこちらで門が開き、続々とトリオン兵が顔を出す。どうやら諦める気は毛頭ないようだ。

 

 

もうここに立っているのは、私しかいない。私しか、いなくなってしまった。一緒に残って戦ってくれた仲間たちは、もう誰も動かなくなってしまった。

 

 

チラリと視界の端に映る建物を見る。もうそこに、私たちの乗ってきた遠征艇の姿はない。

 

 

よかった、みんな無事に脱出できたんだ。

 

 

その事実を確認できたことに安堵し、再び構えて走り出す。私がやるべきことは変わらない。

 

 

目の前の敵を、叩き潰すことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……もう、どの位たっただろうか。

 

 

 

 

 

体に力が入らない。トリオン体なので疲れ知らずのはずなのだが、精神的に限界が来たみたいだ。

 

 

 

 

 

朦朧とした意識の中、聞きたくないが聞きなれた音が聞こえる。そちらに顔を向けると、追加のトリオン兵だ。

 

 

 

 

 

全く、本当にあきらめる気がないのね。……でもこれだけ私に集中しているってことは、みんなは追撃に合わずに逃げ切れたと思っていいはず。

 

 

 

 

 

そう思っていると、周囲から地響きがなり始める。どうやら、本格的にこの世界が崩壊を始めたらしい。

 

 

 

 

 

よかった、そう思って目を瞑る。

 

 

 

 

 

多分、私はこの崩壊に巻き込まれて死ぬ。でも別に後悔はない、この選択をしたのは私自身なのだから。

 

 

 

 

 

……嘘、後悔はある。目を瞑るとどうしても浮かんでくる、最期に見たみんなの顔が思い浮かぶから。

 

 

 

 

 

ゆりちゃん、真都ちゃん、レイジ君、桐ちゃん、ごめんなさい。あんなに泣かれたのは初めてだった。最後に私、悪い子になっちゃったみたい。

 

 

城戸さん、林藤さん、忍田さん、桐山さん、ありがとう。私のわがままを聞いて、みんなを止めるのはつらかったと思う。最後に私、ちゃんと笑えたかな?

 

 

ミカさん、瑠花ちゃん、頑張って。みんないい人だし、大丈夫。弟の陽太郎君だって、きっといい子に育つはずさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当にごめんね。最上さんを失ったばかりなのに、私まで消えちゃって。

 

でも、悪いのは私だけじゃないよ? 未来視ができるってことを私にずっと隠してたんだから、分かってたらあの日の行動の意味も分かったのに。……なんていうのは、意地悪かな。

 

多分だけど、全部知っていても私の行動は変わらなかったと思う。だって、愛すべき弟がこんな目にあう可能性があったんでしょ? そんなの私が許すはずがないんだから。

 

もうそろそろ目が覚めているのかな。無理矢理トリオン体破壊して気絶させたから、もしかしたら怒っているかも。

 

 

 

 

 

……あぁ、そろそろ限界だ。

 

 

 

 

 

 

 

あなたなら大丈夫。だから、頑張って生きて。

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあね、悠一――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ゴボボ(いや、こんなん重すぎてどないせえっちゅうねん)」

 

 

――以上、目が覚めたら知らない水槽に浮かべられていた上、この身体の持ち主の過去をフラッシュバックして知った私が放った一言目でした。

 

 

 




救うためにシリアスにしたいが、コメディも含みたいこのジレンマ。



次回、
数年後の様子➡有吾、黒鳥化➡遊真と別れ、いざ玄界➡大学生活スタート

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。