試作小説保管庫   作:zelga

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お宝ゲット
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中ボス降臨



文字数落ちてもいいので、無印編終了までは毎日投稿できるくらいの気軽さで。


試作その5 第3話

 

「チィ!!」

 

 

飛んでくるノイズのうち一体を避け、二体をまとめて蹴りで吹き飛ばす。その後位相差障壁が消える前に地面にめり込んでいるノイズを踏みつける。3体消えたことを確認し、再び走りだす。その背中を数多のノイズが追いかけてくる。

 

一度逃げることには成功したが、安全な状況は30分と続かなかった。最深部を目指して走り続けていたところ、再び前方の空間が歪んだのだ。再び道をふさがれるのはまずいと判断した俺は中傷程度の傷は覚悟でノイズ共を無視して通り抜けることにした。

 

もちろんそれをみすみす見逃すわけもなく、数体のノイズが紐状となって特攻してくる。そのうち致命傷となり得るものだけは避け、その他はあえて受けつつ走った。

 

その判断が功を奏し、足止めを喰らわずに進んでいると言うわけだ。その代わり、後方から大量のノイズが押し寄せてくる今の状況が出来上がっているのだが。

 

 

「このままでは……っ!」

 

 

このままではただのイタチごっこだ。この状況を打開するべく、この通路を走り続ける。一歩一歩踏み締めるごとに床が砕けるほどの加速力を持って移動しているのだが、いまだになにかしらの扉は見えてこない。

 

こうして走っている間にもノイズへの対処を続ける。結果的に少しずつだが確実に対応できているので、このままなら追い込まれることも『カチッ』ないだろ……う……?

 

 

「カチッ……?」

 

 

妙な音を感じ、後方を見る。全力で走っていたため気づかなかったが、僕の足跡である凹みの中に一つ、妙な突起が見える。

 

これはもしかしなくてもあれだろう。この手の類ではお約束とも言われるあれだろう。

 

 

 

音が聞こえる、後方から何か巨大なものが転がる音が。走って移動しているにもかかわらず、その音は徐々に近づいてきていた。その圧倒的質量は、俺はもちろんノイズであろうと一時的に行動不能に追い込むだろう。

 

転がってきたものの名前。それはーーー

 

 

 

 

 

「全く、こういったお約束はどの時代でも変わらんものだなぁ!」

 

 

 

ーーー鉄球だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやくだ、ようやくたどり着いた…………」

 

 

息も絶え絶えに、扉をくぐる。何回か深呼吸をし、整ってきたところで改めて前を見る。

 

あの鉄球以外にも、いくつかのトラップはあった。鉄球以外の仕掛けを俺は起動させることはなかったが、他の仕掛けは追いかけてきたノイズが起動させてしまったのだ。

 

まぁそのおかげか、今はこうしてノイズに追われることもなくなったわけだが。

 

 

「さて、目的のものは…………あれか?」

 

 

今現在いるのは最深部と思われる広い部屋。しばらく進んだ先にある階段を下りて行くと、その先には台座があった。それを見てとりあえずそこに向かうことにする。

 

カツカツと階段を下りる音が部屋内に響きわたる。先ほどまでの喧騒が嘘のように、この空間は静かだった。

 

 

「おそらくここなのだろうが……」

 

 

なにもないな、それが俺が最初に抱いた感想だった。もしこの遺跡に宝があるとしたら確実にここにあると思われる台座。しかしそこには何もなかった。

 

普通ならハズレだと判断して戻っている所だが、今回は妙な違和感が残っていた。あまりにもきれいすぎるのだ。まるでここには最初から何もないかのようになっている。

 

 

……そう言えば資料に書いてあったことだが、聖遺物同士は共鳴し合うらしい。

 

ならば見つからないのであれば、見つけることができるよう起こしてやればいいのではないか?

 

そう思った俺は自身の聖遺物を起動する。しかし特に台座は反応しない。だがしかし、心の中にある違和感は増大する。つまるところ……。

 

 

「出力不足、か…………っ!?」

 

 

轟音。今までの静寂な空間を打ち破り、何者かが階段状に降り立つ。それを確認した俺は、思わず目を見開く。

 

 

そのノイズは、今までのものとは違っていた。

 

まるでブドウのような実を体中に付けた人型のノイズ。ダチョウを彷彿とさせるノイズや、タコと気球を合体させたかのような外観を持つノイズ。今まで見たこともない未知のノイズが現れたのだ。

 

 

「ここにきて新型か。……エンキドゥがここにある可能性が高い以上、ここを離れるわけにもいかないな」

 

 

俺の戦う意思を感じ取ったのか、人型が体中の実を飛ばす。それらは一応の方向性はあるものの、ほとんど無制御にばらまいているように見える。

 

その内こちらへ飛んできた一つを慎重に弾く。特に硬くもなく、軟らかくもない。ボールのような感触をしたそれは、周りを傷つけることなく周囲に転がった。

 

 

「一体何のつもりだ? 触れただけで炭化する一般人なら確かに有効だが俺には無意味…………っ!!」

 

 

背筋を走る悪寒。直感にも近い警報が頭中を駆け巡る。それに従い、全力で上空へ飛んだ。

 

その直後、轟音とともに先ほどまで俺がいた場所が爆発する。煙が晴れてくると、そこはクレーターとなっていた。

 

 

「先ほど天井を破ったのはこれか……。随分と厄介だがっ!」

 

 

人型がとりあえずの脅威と判断した俺は、上空から奴らに襲い掛かる。するとまるで奴らを守るように中型のノイズが軌道上に現れ、いくつもの触手による刺突が襲い掛かる。さらにそれに合わせるかのようにブドウのような実が空中にばらまかれた。

 

 

「まさかとは思ったが、この爆弾は任意で起爆するのか……!」

 

 

爆発の方が厄介だと判断し、いくつかの刺突を受ける。僕の身体を抉りながら進む触手をつかみ、反対側の壁へと投げ飛ばす。特に抵抗することもなく中型のノイズは吹き飛んでいき、敵の陣形に穴が開いた。

 

今ならばいける。人型が再び起爆しようと実体化したその瞬間、奴らの身体を貫いてやる。そう思い、奴らが攻撃しやすいよう先ほどの傷が響いているかのように動きを鈍らせる。それを感じ取ったのか、人型が再び身じろぎを始めた。

 

 

ここだ! そう判断し、人型の懐に飛び込む。地面に降り立つその瞬間、人型が実体化するのを確認した。あの中型は足が遅いのか戻ってくるのに時間がかかっている。

 

 

「もらった!!」

 

 

とったことを確信した俺はそう叫び、拳を突き出す。その拳はまっすぐにノイズの胴体へと迫りーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……な、に?」

 

 

ーーー粘着質の液体に、絡め取られた。

 

明らかに音速に迫った一撃。生半可なものでは止められないと自負はしていたが、まさかノイズに止める術があるとは思わなかった。

 

そう考えつつ、この液体を放った存在……ダチョウのような外観を持つノイズに目を向ける。先ほどから何も行動していないので不審に思ったが、そういうことか。こいつは捕縛専用のノイズだったと言うわけだ。

 

 

「こんなもの、すぐにほどいて……まずいッ!?」

 

 

とりあえずこの場を離れるために飛ぼうとするが、いつの間にか足元にも液体がかかっている。身動きが取れなくなったのを見たのか、複数体のノイズから同時に爆弾が放たれる。

 

先ほどの爆破の規模からして一つ一つの威力はそう大きくない。だがこれほどの数ともなると重傷は避けられず、下手すれば死に至るだろう。

 

 

「クソ……動け! 今動かずにいつ動く!?」

 

 

胸元で淡く光る聖遺物に対して叫ぶが、反応は帰ってこない。

 

 

「……ふざけるな。皆を守る力【奴等を消す力】をくれるのだろう? お前がそこにいる理由を求めた時、俺はそう答えたはずだ!」

 

 

頭の中に走る雑音も気にせず、心のうちから湧き出てくる感情のまま叫ぶ。死が目の前に迫っているというのに、その叫びは止まることを知らない。

 

 

 

「俺はまだいなくなるわけにはいかない! 目的を果たすその瞬間まで、僕は生き続けるんだ!」

 

「もしも忘れているというのなら何度でも言ってやる!」

 

「あいつらを! ノイズ共を消す(・・・・・・・)【皆を守る】、圧倒的な力を!!」

 

 

 

 

 

「俺に、与えろぉぉぉっっっっ!!!!」

 

 

直後、目の前は真っ白になり、轟音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 




覚醒、戦闘
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お宝ゲット&【】BOU☆SOU



結局目標の半分しか行かなかったよ……

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