シンフォギアにファフナー要素をぶち込みたかった。
試作その5 プロローグ
ーーオイ、出ろB-66--
なぜこうなってしまったのだろう?
ーーチ、反応すらなしか。こいつももう終わりだなーー
何が駄目だったんだろう?
ーーしかし、B-66は最高の素質を持った被検体です。事実【】の浸蝕に耐え、唯一想起状態に持って行くことに成功していますーー
ーーだが小規模な起動ができてもこれではな……。もう意識もないのだろう?--
あいつらが現れたから?
あの場所に、家族みんなで行ったから?
あの時、俺だけあそこから離れてしまったから?
……あの時、俺に力がなかったから?
ーーいえ、意識はまだ存在しています。ただこのまま最終実験に入れば高確率で廃人になってしまいます。それでは……--
ーーやかましい。なんにせよB-66が最高の逸材なのは間違いない。これで失敗するのなら、今の技術では不可能に近いということだーー
そう簡単に変えれるほど、運命は優しくない。そう聞いてはいたが、その通りでただの人間である俺は運命を変えることができなかった。
運命の地へ行かないよう手を尽くした。脅威から守れるよう身体も鍛えた。いつ起きてもいいように、常に策を考えた。
でも、ダメだった。守りたいと思っていた大切な人を、だれ一人守れなかった。
……あぁ、もう考えるのも痛い。毎日毎日、痛いことばっかりだ。
ーーいいから連れていけ。もはや我々には他の方法を探す時間もない。【】を起動できるとしたら、B-66だけなのだよーー
……景色が動いていく。またあそこに連れて行かれるのか?
あそこに行くのはイヤだな。またよくわからないものを打たれて、アレに会わされるのか。
ーー配置完了、被検体B-66に狂歌薬及び増幅剤の投与完了。【】の起動実験プランΣを開始しますーー
あぁ、まただ。勝手に身体が動き、知らない歌を歌いだす。その様子を周りの大人たちが見ている。
始まってから少し経つとあれから声が聞こえてくる。
もう何度も聞いた声。男性とも女性ともとれる中性的な声で、感情が全くこもっていない機械のような声。
『----ーーー?』
いつも俺に何かを問いかけてくる。だが、今日も何を言っているのかはわからない。
別に言語が分からないわけではない。聞いている余裕が俺にはないのだ。なぜなら……。
「------っ!」
ーーっ、浸蝕現象が始まりました。依然、【】に変化なし!--
ーー問題ない、続けろ。どのみちB-66は限界だ、今日で使い潰すつもりでやれーー
まただ。声が聞こえ始めたら、いつも身体が痛くなる。
いつも通りだとしたら、しばらくすればこの痛みはなくなる。しかし、今日は痛みがいつまでも続く。どうやらあいつらはやめる気はないらしい。
ーー浸蝕率、なおも増大中。しかし【】に変化はありませんーー
ーー狂歌薬を増やせ。限界まで投与するんだ!ーー
ーー……はい。狂歌薬、追加投与しますーー
痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛ィィィ!!
ーー起動だ。起動さえすれば……っ!ーー
……フザケルナ。ナゼオレガコンナメニアウ?
イッタイナニヲシタ?
『-------?』
ーー被検体の損傷率が規定値を超えています! このままではあと5秒で崩壊が!ーー
ーーなぜだ? なぜ起動しない、【】!!--
アァ、ソウダ。カンタンナコトダッタンダ。
アイツラサエ、アイツラサエイナケレバ……!
『--エテ?』
アノBaケMoノサEイナケレバ、オレHa!
ーーっ、【】のアウフヴァッヘン波形が増大!ーー
ーーなに!?--
『おしえて?』
アイTuラヲコRoスチカラサEアレBa、オReハ!!
『私はなぜ、ここにいるの?』
『あなたはなぜ、ここにいるの?』
『教えて? 私がいる理由を』
……コエGaキコエRu。ココニイRuリユウGaホシイ?
ソレNaラカNタンDa。
ーー【】のエネルギー量、なおも増大! 想定値を大幅に超えています!--
ーーハハハ、素晴らしい! この力があれば、ノイズ共も殲滅することができる!!--
ヨコセ、チカラヲ。アイツラヲケス、アットウテキナチカラヲッッッ!!
ーーーお前はそのために、今ここにいる!!
『ーー了解、認識した。これより私は、君と共にあろう』
『あぁ、懐かしい感情だ。この憎悪の黒い叫び。本当に懐かしい……』
意識を失うその直前、声が聞こえたような気がした。
意識覚醒
↓
状況理解
↓
研究所脱出、旅に出る。
↓
遺跡侵入
ここまで書きたい。