試作小説保管庫   作:zelga

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久々にD灰24巻まで読んだら書きたくなった。ただそんだけ。


D・Gray-man
試作その1 プロローグ


 

突然だが、みんなは『転生』というものをご存じだろうか。

 

そう。二次小説等でよく使われる、神様が間違って殺しちゃったテヘペロからの特典をもらい記憶を引き継いで別世界に行くという、あれだ。まぁ最近ではテンプレになりすぎたせいか、少々別の方法でやるものもある。

 

まぁ、なぜこんな話をしたのかというと、俺は転生をしてしまったらしい(・・・)。

 

なぜ確証がないのかというと、神様に会っていないから。第一話やプロローグでよくやる神様との対話をしていないのだ。

だが転生をしたという確証はある。それは前世の記憶があるからだ。と言っても平凡な人生で、この間25歳の誕生日を迎えたばかりのサラリーマンの記憶だがな。

さらに、死んだ記憶はない。仕事から帰って晩飯を食らい、明日のことを確認して布団にもぐったのが最後におぼえていることだ。

 

 

 

 

そんで、目が覚めたらあたりは廃墟だらけのさびしい空間。

いやぁ、あの時は驚いた。夢かな~と思って頬をつねってみたんだが、普通に痛い。それなのに、一向に覚める気配がない。

そんでそのあとに気づいたんだが、自分の姿が変わっていた。というより若返っていた。たぶんこれは15歳くらいの時のだな。なぜか服装が当時通っていた高校の制服だけどまぁいいや。

で、そこまでは問題はなかった(まぁあったと言えばあったが)が、そのあとがまずかった。

 

 

 

 

 

化けものに出会ったんだ。しかも、漫画で見覚えがある化け物と。

 

そいつらは球状の巨大な体を持ち、空中に浮遊していた。さらにそこから棒状のようなものが何本も突き出ていて、非常に気色悪い見た目をしている。

 

そいつらを直接見て、俺は思考停止していた。完全に予想外の出来事だったのだ。

そうしていると、そいつらのうち一体と目があった。するとそいつは口角をゆがませて、その棒状なものを数本俺のほうに向けた。

 

 

 

そして、轟音とともに、俺は吹き飛ばされた。

 

壁に背中を打ち付けて、肺から空気が追い出される。必死に呼吸をおこなおうとするが、ショックからかうまくできない。

 

 

イタイイタイイタイイタイイタイ!!!

 

 

全身に激痛が走り、撃たれた個所から血が噴き出る。それだけじゃない。そこを見ると、傷口周りから星模様の斑点が浮き出ていた。それはどんどん体中に広がっていく。

 

あぁ、そうだ。あいつらは自らの血を弾丸に変換して撃ち出す。それに撃ちこまれると、弾丸に含まれた毒のウイルスが急速に体内を侵食して、最期には身体が砕け散る。

 

そうか。転生したが、これで二度目の人生は終了か。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ふざけるなよ。こちとら状況もよく把握できてないんだ。それなのに、こんなところで、こんな奴らに殺されてたまるかよ・・・・・っ!

 

死にたくない・・・死んでたまるか!!

 

 

 

 

 

 

瞬間、意識が暗転した。

 

 

 

 

 

 

そして、意識が戻ってきたとき、状況は変わっていた。

 

まず、生きてた。服はボロボロだし傷もあるが、体中に会った斑点はなくなっている。

次に、体が光っていた。別にご臨終して霊魂の類になったというわけではない。なんというか、静電気のようなものが体を覆っているような感じだ。さらに、俺の両腕には見たことのない腕輪がついている。

そして最後に、周りの景色が一変していた。もともと廃墟だらけだった周りの景色が、さらに破壊しつくされている。もはや瓦礫の山。

 

そして、少なくとも3体はいた奴らの気配を感じない。

だが、俺の中の何かが奴らが付近にはもういないことを告げていて。俺はそれをあっさりと信じていた。

 

 

 

そしてようやく、俺は自分の中でまとめていた考えを受け入れることができた。

 

 

AKUMA、それがあいつらの総称だ。そして、この世界は『D・Gray-man』なのだ、と。

 

 


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