葉side
葉「ん…」
夜中に目覚めてしまいました。
葉「あれ?絆さんは?」
絆さんの布団が空です。外にいるのでしょうか?
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葉「絆さん!」
絆「葉、起きてたのか。」
葉「夜風にあたるなら誘ってください。」
絆「ああ。」
葉「悩み事ですか?」
絆「ちょっと…ね。今でも信じられないんだよ。ゆかりんが僕たちを襲ったのが。」
葉「…そうですか。」
絆さんの育ての親が式を使って襲ってきたんですから、ショックでしょうね。
葉「…昔のお話、聞かせてもらっていいですか?」
絆「うん、そうだね。
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まず、僕の本当の両親は事故で死んだ。
でも、即死ではなかったんだ。
まわりが、すぐ良くなるって言ってたし、僕も忙しくて見舞いに行けなかった。
あのときはすごく後悔を…いや、今でも後悔してる。
見舞いにいけばよかったって。
その後、身寄りのない僕を引き取って育ててくれたのがゆかりんだ。もっとも、家事は全部僕がやってて時々マッサージを頼まれたこともあったけど。
洞窟で倒れてた猫ちゃんは僕が猫を飼ってみたいって言ったらゆかりんが連れてきたんだ。良くいっしょに遊んだよ。
学校で猫ちゃんと遊んだ時のことを聞かせてなんて言った人がいたんだよ。すみれちゃんだったっけ、けっこう嫌われ者だった。でも、話をして見るとけっこう息合って。すごいこと出来たよ、みんなみたいに。
なんか軽いノリで遊びにきた人達がいたよ。ゆかりんにかるくにらまれてたけど。同い年くらいなのに私は神様なの!なんて言ってたよ。
もう一人はメイドさんだったね。咲夜さんみたいな。だけど、奴隷とか言ってたから、コンビネーションはお嬢様と咲夜さんの方が良いかな。神様にいじられてたし。
学校で朝顔っていう花を育てた時、知り合いのお花屋さんをゆかりんが連れてきたんだ。育て方を教えてもらったよ。土とか、水やりの方法とか。お陰ですごい咲いたよ。先生もびっくりしてた。
……もう、今から8年前ぐらいの話だけどね。全部。
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葉「昔から、いろんなつながりがあったんですね。」
絆「いまはいい思い出さ。楽しかったよ。」
葉「幻想郷にきて何年ぐらいなんですか?」
絆「たしか、7年ぐらいだよ。」
葉「その間はどうしていたんですか?」
絆「紅魔館で働いていたよ。」
葉「え、7年間も!?」
絆「はい。」
葉「そうなんですか……」
幻想郷に来てからまだ日が浅いと思ってました。絆さんのこと。
絆「葉はお姉ちゃんがいたんだよね。」
葉「はい!楽しかったです。」
絆「…やっぱり、ゆかりんが僕たちを襲ったなんて信じられないや。ゆかりんにちょっと聞いてくるよ。」
葉「気をつけてくださいね。まだ暗いですから。」