西の村の高台では、闇の世界の絆と葉が一進一退の攻防を繰り広げていた。
闇葉「あなたは、私に生きていて欲しいと、消えて欲しくないと願った!
だから、私は、何がなんでも生きようとした!」
闇絆「……………!」
この闇葉が放つ言葉に嘘偽りのないことは闇絆自身が一番知っていた。
葉に生きていて欲しいと願ったのは、ほかでもない闇絆自身であるからだ。
闇葉「だから霊夢さん達、いや、幻想郷を敵にしてまで私は生き残った!なのに、なのに、、、!残ったものは何もなかった!」
闇葉の放つ閃光は戸惑う闇絆をなすすべもなく貫いた。
闇絆は吹き飛び、そのまま崖から落ちていく。
しかし、吹き飛ばされた闇絆を突然現れた者が受けとめる。
霊夜「この世界では飛べないんだね。まぁ能力で代用できるみたいだからさほど問題はないけどね。」
闇葉「あなたはだれだかしりませんが、邪魔しないでください。」
そして、陸路から崖に絆と文花も追い付く。
絆「いいえ、あなたは…葉は、まだしなければいけないことをしていない。」
霊夜は闇絆を抱えて崖に降り立ち、闇絆を文花に託す。
闇葉「いま、私がしなければならないのは生き延びることです。」
霊夜「それは違う、今しなければいけないのはあなたの抱えた植物の力を植物達に帰すこと。」
闇葉「そ、そんなの……関係ないです。私は妖怪として、生きることを選択したのですから」
すこし、寂しそうな顔をするものの、闇葉はそれを拒否した。
霊夜「今からでも、遅くはない。」
闇葉「なにをいってるんですか?もうもとになんて戻せませんよ。それに、それをしてしまったら今までの苦痛は全て水の泡…そんなことしたくないです。」
?「本当にそれでいいんですか?」
そこに現れたのは、他でもない、葉自身だった。
葉「私だって、生きていたいと思いました。でも、私は幻想郷の植物全てを背負っています。生きていたいのは私だけではなく、植物の皆さんが、そう思っているんですよ。」
闇葉「……つまり、私は消えないとダメなんですね。」
葉「それが、指命ですから。」
しばしの静寂。しかし、闇葉の様子がどこかおかしい。
闇葉「………私は、私は私は私はワタシハワタシハワタシハワタシハ!?」
霊夜「!?何か来るぞ!!!」
闇葉が狂い始める。それと同時に周りの雰囲気がおかしくなる。
空は太陽とともに赤く燃え上がり、風が強く、そして荒く吹き荒れる。
闇葉の目は真っ赤で、そこにはなにもかもを壊すかのような狂気が放出されていた。
闇葉「イキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキルイキル
…ワタシガ イキルニハ ゲンソウキョウヲ コワス!
Spell Card『崩壊の1ページ"
闇の葉が放ったのは、弾幕でもなんでもなかった。ただただ赤黒い、不気味な光。
幻想郷の崩壊を告げるその光が幻想郷を覆った。
それと同時に、何かがプツリと切れたような音がして、意識が遠退いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
闇魔理沙「ガルルル……」
魔理沙「くそっ!攻撃が、、、」
魔理夢「通用しねぇ、、、」
二人は攻撃を全て切り裂く闇魔理沙に攻撃出来ずにいた。
魔理夢「くそ、なんとか策を練らねえと…」
闇魔理沙「!?」
魔理沙「な、なんだ!?」
魔理夢が策を練ろうと頭を抱えていると、闇魔理沙は突然怯えて、背を向けて逃げ初めた。
そして、魔理沙が後ろを振り替えって目にしたのは赤黒い光だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
闇レミリア「ウガアアアアアアアア!」
闇フラン「アアアアアアアアアアア!」
目を真っ赤に燃えあげ、互いに互いを攻撃しあう吸血鬼姉妹。
それはまるで獣のようで、とても肉親と思っている様子はない。
咲夜「お嬢様!」
ディア「危ないといってるのに…まさに外道だな。」
咲夜が突然飛び出し、後に続いてディアも飛び出し、二人の間に二人が割って入った瞬間、赤黒い光が辺りを静寂に包んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
闇妹紅「ウガアァァ!」
闇輝夜「アアアア!」
二人の喧嘩を見守る妹紅と輝夜。しかし、今理性のない状況では、力でまさる闇妹紅に分があった。
ダーク「あいつ、輝夜に勝ちそうだな。妹紅」
妹紅「……………」
ダーク「けど、なんだか腹が立たないか?こんな野蛮な勝負で妹紅がかつなんてさ。」
妹紅「…………ちょうど私もそう思ってたところだ。」
二人は飛び出して二人を殴り飛ばす。
そして拳が当たるとともに、全ては赤黒い光に飲まれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
闇葉「これで、邪魔をするものは、もうなにもない。
早く、幻想郷に終わりを告げますか。」
全てが静寂な赤黒い光に包まれた中、彼女は歩みを進める。
しかし、そんな中でも立ちふさがる二つの影。
「な、何故あなたたち……いえ、あなたは動けるのですか!!」
そこには、二人の闇絆の姿があった。
幻想郷「………まずいね、これは。」
紫「………薄々感じてはいましたが、この世界は繋がった……
絆の闇の守絆然と光の守絆然が。そして、下手をすると……光を失いかけない。」
幻想郷「その逆だってありうる。注意が必要だね。」
二人は、なおも見守っている。。。