リリカル・ストラトス 元織斑家の魔導師   作:妖精絶対許さんマン

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FGOでクレオパトラとヴラド三世(extra)当たりました。クレオパトラはアレですね、釘宮さんでしたね。


魔力の貯蔵は充分か!! by 高町秋

「ぐっ!」

 

〈左二の腕被弾!マスター!!〉

 

「わかってる!!」

 

秋は福音(ナハトヴァール)が展開した魔力弾からひたすら避けている。防ごうにも防御魔法を使うことも出来ず、追尾型のため逃げても追いかけてくる。

 

(一か八か・・・・・やるしかない!)

 

秋は体の向きを反転、迫り来る魔力弾の方に体を向ける。

 

「シュート!」

 

秋は二十個の魔力弾を作り、迫る魔力弾に当てて相殺する。相殺したさい、煙が上がる。秋は煙に紛れて転位魔法を使い、再び福音(ナハトヴァール)の前から姿を消した。

 

「aaaaaaaaaa!」

 

福音(ナハトヴァール)は再び姿を消した秋に対して怒りの咆哮を上げる。

 

〈チェーンバインド!〉

 

福音(ナハトヴァール)の首、左翼、右腕副腕、両腕、腹、両足を蒼色の鎖が拘束する。福音(ナハトヴァール)は上空を見上げる。そこには、十倍も大きい魔法陣を、足元に展開した秋が浮いていた。

 

「太陽の碑石、(おお)いなる巨石、宇宙(ソラ)を司るピラミッドよ!落ちよーーーーー光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)!」

 

秋の足元の魔法陣が光、魔法陣の下から蒼色の逆三角形のピラミッドが福音(ナハトヴァール)目掛けて落下する。ピラミッドは福音(ナハトヴァール)を拘束していた鎖を引きちぎり、福音(ナハトヴァール)を海面に叩き付けた。福音(ナハトヴァール)を海面に叩き付けた衝撃により、海水が浮かび上がり雨のように降り注ぐ。

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・!」

 

秋は肩で息をしながら油断なくブレッシングハートを構える。秋が使った魔法、“光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)”には欠点がある。それは大量の魔力を消費をすること。そのため、一回の戦闘で一回しか使えない。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

 

海中から福音(ナハトヴァール)が浮上する。福音(ナハトヴァール)の左翼があった部分が尻尾に変わっており、右腕副腕には一夏が落とした雪片弐型を握っている。

 

「雪片・・・・・っ!!」

 

秋が雪片に驚いていると、福音(ナハトヴァール)は右腕を前に突き出し、魔法陣を展開する。魔法陣から鎖の鎖が飛び出し、秋の首に巻き付いた。

 

「ぐっ!?」

 

秋はとっさに左腕を首と鎖の間に滑り込ませ、完全に締められることを防いだ。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

福音(ナハトヴァール)は鎖を引っ張り、秋を自身の方に手繰り寄せる。

 

「まずっ!?」

 

福音(ナハトヴァール)は右腕副腕に持っている雪片を秋めがけて振りおろす。

 

「ぐっ!?」

 

秋は振り下ろされた雪片をブレッシングハートで受け止める。だが、福音(ナハトヴァール)は尻尾を秋のがら空きの右横腹に叩き付ける。

 

「がはっ!?」

 

今度は秋が海面に叩き付けられた。

 

〈マスター!大丈夫ですか!?〉

 

「大丈夫だ・・・・・って、言いたいが肋を一本やられた」

 

秋は海面の上に立つように浮き、血を吐き捨てる。

 

〈マスター、朗報です〉

 

「こんな状況で朗報も何も無いと思うんだが・・・・・?」

 

〈いえ、この状況を覆せる程の朗報です。来てくれましたよ、皆さんが〉

 

ブレッシングハートがそう言った瞬間、福音(ナハトヴァール)の真下の海面に藍白色の光が浮かび上がる。

 

「縛れ、鋼の軛!!」

 

何処からか聞こえてきた声と共に、海中から杭が飛び出し、福音(ナハトヴァール)を貫き拘束した。

 

「今のは・・・・・っ!」

 

秋は辺りを見回す。

 

「ラケーテン・・・・・ハンマーァァァァァ!!」

 

赤いゴスロリ服のような服を着た少女が、手に持ったスパイク付のハンマーで福音(ナハトヴァール)の頭部を殴り付けた。

 

「紫電・・・・・一閃!!」

 

炎を纏った剣で福音(ナハトヴァール)を切り裂く、ポニーテールの女性。

 

「ブレイズキャノン!」

 

赤の少女とポニーテールの女性が福音(ナハトヴァール)から離れる。すると、青色の魔力砲が福音(ナハトヴァール)を直撃した。

 

「怪我はないか、秋」

 

秋の隣に全身黒色の少年ーーーーー時空管理局執務官・クロノ・ハラオウンが秋の隣に降り立った。

 

「・・・・・今の俺を見て怪我はないかって聞くか、普通?」

 

「ふむ・・・・・無さそうだな」

 

「おい、聞けよ」

 

クロノは秋の言葉を無視した。無視された秋はクロノにツッコミを入れる。

 

「秋。よく一人で持ちこたえられたな」

 

「シグナム・・・・・持ちこたえたと言うより逃げていたって言う方が正しいけどな」

 

「それでもスゲーよ、おめーは。ナハトヴァールとサシでやりあうんだからよ」

 

秋とクロノが浮いている場所に赤の少女ーーーーーヴォルケンリッターの一人“鉄槌の騎士”ヴィータと“剣の騎士”シグナムが降り立つ。

 

「秋君。傷を見せて」

 

秋に声をかけたのは“湖の騎士”シャマルだった。

 

「裂傷と・・・・・肋骨が一本折れてるわね」

 

シャマルは秋の体を触りながら怪我をした部分を調べていく。

 

「風よ、癒しの恵を運んで」

 

シャマルが両手を前に出すと、若草色のベルカ式の魔法陣が展開され、秋の傷を治していく。秋の傷は完全に治り、魔力も補給されていた。

 

「ありがとう、シャマル」

 

秋はシャマルに礼を言い、煙で姿が見えない福音(ナハトヴァール)の方を見る。

 

「今ので倒せたら良いんだが・・・・・」

 

「まあ、まず無理だな。アレはナハトヴァールとISの融合体だ。馬鹿げた再生能力とISの機動性を兼ね備えた正真正銘、化け物だよ」

 

煙が晴れていき、福音(ナハトヴァール)の姿が露になる。ヴィータの攻撃により潰された頭部は泥が蠢き、形を作ろうとしている。シグナムに斬られた部分からは十本の触手が生えている。

 

「下手物感がさらに増えやがった・・・・・っ!」

 

「アタシ、帰ったらアイゼンのヘッド磨くわ・・・・・」

 

福音(ナハトヴァール)の姿を見たヴィータは自身のデバイス・グラーフアイゼンのヘッド部分を磨くことを決意していた。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

福音(ナハトヴァール)は咆哮を上げながら、六人が集まっている場所に突撃する。

 

「散開っ!!」

 

シグナムの言葉に全員がその場から離れる。

 

〈マスター。魔力が回復した今ならあのモードが使えます〉

 

「あのモード・・・・・?でも、あれはまだ調整中じゃ・・・・・」

 

〈無理も承知です。ですが、ナハトヴァールを今度こそ破壊するには瞬間的火力で瞬時に蒸発させるしかありません。なら、あのモードで出せる魔法を使う他ありません〉

 

「・・・・・・・・・・」

 

秋は福音(ナハトヴァール)の攻撃を避けながら思考を繰り返す。秋が使うのを躊躇っているのは冬に闘ったナハトヴァール戦までに完成が間に合わなかった形態の使用について。秋は思考を繰り返しーーーーー決断した。

 

「・・・・・・・・・・やるぞ、ブレッシングハート」

 

〈イエス・マイ・マスター〉

 

秋は回避するのを止め、福音(ナハトヴァール)の方に体を向ける。

 

「ロード・カートリッジ!!」

 

〈イエス・マイ・マスター!!〉

 

秋はブレッシングハートを目の前に掲げるように構える。足元にミッド式魔法陣が展開され、柄のシリンダーが回転する。回転が終わると、秋は空薬莢を排出、カートリッジを装填する。それを三回繰り返す。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

 

秋の魔力に反応した福音(ナハトヴァール)は広域攻撃を止め、秋に向かう。

 

「逃げろ、秋!!」

 

「馬鹿!!とっとと避けやがれ!!」

 

「ザフィーラ!!」

 

「無理だ!間に合わない!」

 

「秋君!!」

 

五人が叫ぶが、秋は動かない。福音(ナハトヴァール)は副腕に握っている雪片を振り下ろす。

 

「ーーーーーモード・騎士王(キング・オブ・ナイツ)

 

〈オールラジャー。モード・騎士王(キング・オブ・ナイツ)起動〉

 

雪片が当たる直前、秋を中心に魔力の柱が空に登る。振り下ろされた雪片は魔力の柱によって跳ね返された。

 

「ーーーーー射殺す百頭(ナインライブス)

 

秋の声が響いた瞬間、福音(ナハトヴァール)の首・両腕・5本の触手に高速の八連撃が魔力の柱を斬り裂き、直撃した。

 

「aaaaaa!!!?」

 

福音(ナハトヴァール)はよろめきながら後ろに下がった。

 

〈魔力循環・・・・・問題なし。システム・・・・・オールグリーン。マスター、体に異常はありますか?〉

 

「いや・・・・・問題ない」

 

魔力の柱を斬り裂いて現れた秋は普段の蒼色のバリアジャケットではなく、蒼色のパーカーを被り、銀の鎧を纏い全体的な防御力が向上しているように思える出で立ち。そして、手には刀型だったブレッシングハートが西洋剣になっていた。秋はパーカーを脱ぎ、剣先を福音(ナハトヴァール)に向ける。

 

「行くぞ・・・・・福音(ナハトヴァール)。魔力の貯蔵は充分か!!」




次回は秋君&クロノ&ヴォルケンリッターVS福音(ナハトヴァール)戦第三ラウンドです。


秋君のモード・騎士王(キング・オブ・ナイツ)はfateの旧セイバーをイメージしてくれたら幸いです。

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