リリカル・ストラトス 元織斑家の魔導師   作:妖精絶対許さんマン

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遅れてごめんなさい!今回はアンケートの結果発表です!まあ、そのヒロインは出ませんけど。


あと、これだけは言わせてください。

篠ノ之束の技術力は次元世界一ィィィィィィ!!!!!
(スカさんは別格だからカウントしてません)


アタシ、子供は二人以上欲しいな by オータム

喫茶店。そこには母親譲りのオレンジ色の髪をストレートにして、左目の少し下に黒子がある六歳程の女の子と紫色の髪を束、目元は少し垂れ目の女性がいた。

 

「ねぇねぇ、ユーリちゃん」

 

「なーに、束おばちゃん?」

 

女の子は飲んでたジュースから口を離し、目の前に座っている女性を見る。

 

「ユーリちゃん、明日誕生日だよね?」

 

「うん!パパとママ達(・・・)がケーキ作ってくれるの!」

 

女の子は嬉しそうに言う。女の子にとって家族は何よりも大切な宝物。その家族が自分の為にケーキを作ってくれると成れば、喜ぶしかない。

 

「そっか・・・・・なら、束さんから一日早い誕生日プレゼントをあげよう!」

 

「本当!?何くれるの?お人形!?ぬいぐるみ!?もしかして・・・・・私だけのデバイス!?」

 

「ブッブー!外れだよ。デバイスはユーリちゃんのパパに怒られるから、ユーリちゃんが十歳になったらね?」

 

「えー!」

 

女の子は不満そうに頬を膨らませる。

 

「形には残らないモノだけど、ユーリちゃんの思い出に残るモノをプレゼントしよう!」

 

「?」

 

女の子には少し難しいのか頭に疑問符が浮かんでいる。

 

「たはは・・・・・ユーリちゃんにはまだ難しいかな?簡単に言うとね・・・・・ユーリちゃんのパパとママ達が若い時に会いたくない?」

 

「会いたい!パパとママが若い時ってどんな風だったの?」

 

「それは行ってからのお楽しみだよ?じゃあ、これつけてっと・・・・・」

 

女性はワンピースのポケットから手の平サイズのブローチを取り出し、女の子の胸元につける。

 

「これはね、束さんが作った簡易デバイス。まだ、試作品だけど設定を換えて、少しの間だけ昔に行けるようにしてあるんだよ!」

 

「ほえー」

 

女の子は女性の説明を聞いてもよく分かっていなかった。

 

「ブローチの真ん中が赤く光ったら帰る時間だからね?わかった?」

 

「うん!」

 

女の子は頷いた。女性はブローチの真ん中を押す。すると、女の子の足下にオレンジ色の魔方陣が展開された。

 

「それじゃあ、行ってらっしゃい!楽しんできてね!」

 

「うん!いってきまーす!」

 

そして、女の子は過去の時代に旅だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「IS学園に来るのも久しぶりね」

 

一週間。長くて短いような時間だったわ。こっそり秋の部屋に忍び込んで、秋のベッドを堪能したのは良い思い出ね。・・・・・土曜日だから誰も居ないわね。

 

「IS学園よ!私は戻ってきたわ!」

 

ふっ・・・・・言えたわ。ようやく言えたわ。一度言ってみたかったのよね、アナベル・○トーのこの台詞。

 

「・・・・・何言ってんだ、スコール?」

 

「・・・・・へっ?」

 

愛しの彼の声が聞こえて、後ろを振り向く。そこには彼が立っている。彼は私を呆れた目で見ていた。やだ・・・・・そんな目で見られるとゾクゾクしちゃうじゃない。

 

「・・・・・どこから聞いてたのかしら?」

 

「『IS学園に来るのも久しぶりね』から」

 

「最初からじゃない!」

 

私としたことが油断してたわ・・・・・秋の気配に慣れすぎて気づくことが出来なかったわ。

 

「それより・・・・・どうしてここに居るの?」

 

「・・・・・オータムに教えてもらったんだよ。今日戻って来るってな。それに・・・・・俺のせいでスコールが停職になったんだ。出迎えぐらいしても良いだろ?」

 

秋は頬を掻きながら顔を逸らす。もう・・・・・可愛いわね。

 

「なら、寮までエスコートをお願いするわね?」

 

私は秋の腕に私の腕を絡める。

 

「・・・・・腕を組む必要は無いだろ?」

 

「あら、私じゃ不満?」

 

「そう言うことじゃなくてだな・・・・・寮まですぐなのに腕を組まなくて良いだろ?」

 

まったく・・・・・普段は鋭いくせして女心には鈍いんだから。あれかしら、身近に女の子が多すぎて逆に気がつかないのかしら?

 

「もう・・・・・鈍いんだから」

 

「なにか言ったか?」

 

「いーえ、何でもないですよーだ」

 

私はよりいっそう強く秋の腕を抱き締める。服越しに秋の腕の逞しさを感じる。ああ・・・・・この腕に抱き締められたら、私は一体どうなるのかしら?

 

「もう、このままで良いから歩こうぜ。朝早いって言っても誰かに見らて、変な誤解されたら面倒だ」

 

「・・・・・そうね。なら、遠回りして寮に行きましょう」

 

いっそのこと誰かに見られて私と秋の関係を誤解してくれないかしら。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「スコール!」

 

「オータム・・・・・!」

 

スコールと遠回りで歩くこと十分。寮の前にオータムが立っていた。スコールの姿を見つけたオータムは走りながらスコールに抱き付いた。

 

「あらあら・・・・・どうしたの、オータム?」

 

「スコールが居なくて寂しかったんだよぉ~」

 

オータムはスコールの胸の中で号泣している。俺はその光景を見ながら胸中は複雑だ。

 

(マスター?どうかしたんですか?)

 

(・・・・・いや、何でもない)

 

俺は二人が抱き合っているのを見て、一番に抱いたのは嫉妬だ。それも、抱き付いているオータムにではなく、抱き付かれているスコールにだ。

 

(俺は・・・・・オータムのことを女性として意識してるのか?)

 

自分でも分からない。ただ、オータムがスコールに抱き付いているのが気に入らない。・・・・・夏休みに帰るからその時母さんに相談してみるか。

 

「・・・・・そろそろ行かないか?部屋で刀奈達が待ってるんだ」

 

内心の苛立ちを隠すようにして二人を急かして、俺は寮に入る。こんな気持ち・・・・・初めてだ。

 

(本当に何なんだよ・・・・・この苛立ちは)

 

オータムが俺に告白したのにスコールに抱き付いたからか?恋人なんだから普通のこと・・・・・だよな?そもそも、同性同士の交際って不純じゃないのか?でも、今の時代女性同士の恋人は当たり前だし・・・・・。

 

(ああ・・・・・イライラする。このイライラはマドカを愛でて発散するか?)

 

俺は二人に気付かれないように後ろを見る。オータムとスコールは仲良く話をしている。それを見てもイライラしない。・・・・・人間の感情って複雑だな。

 

「スコール。ドア開けてみてくれ」

 

「?わかったわ」

 

俺はスコールからキャリーケースを預かり、スコールはドアノブを回して、ドアを開けた。

 

 

パンッ!パンッ!パンッ!

 

 

ドアが開いた瞬間、クラッカーが鳴る。

 

「「「復帰おめでとう((ございます))!スコール(スコール先生)!!」」」

 

ドアの向こう側には私服姿の刀奈と簪、マドカが使い終わったクラッカーを手に笑顔で立っていた。

 

「これは・・・・・どう言うことかしら?」

 

「スコールの復帰祝いだよ。刀奈達には料理を作ったけどスコールには何もしてないから。俺の独断で料理にした。良かったか?」

 

「ええ・・・・・ありがとう、秋。いただくわ」

 

スコールはそう言って微笑む。

 

「おう・・・・・」

 

柄にもなくスコールの微笑みを見て照れてしまった。

 

「おい・・・・・アタシには何も無いのかよ?」

 

「・・・・・いるのか?」

 

「いるよ!!アタシだってお前のこと心配したんだから何かくれよ!」

 

「わかったから揺らすな!!」

 

オータムに肩を掴まれながら前後に揺らされる。あ、目回ってきた・・・・・。

 

(ねぇ・・・・・あの二人何かあったの?)

 

(わかんない。お兄ちゃんが怪我した次の日からあんな感じなんだ)

 

(どうしたの、簪ちゃん?)

 

(もしかして・・・・・二人ともヤっちゃった?)

 

(((!?)))

 

(や、ヤヤヤヤ、ヤったってエッチなこと!?)

 

(秋君の初めてが・・・・・オータム先生・・・・・ですって?)

 

(オータムが寝取られた・・・・・なのに何なのかしら、この胸のトキメキは?)

 

どうしたんだ、あの四人?絶望したような顔したり目を潤ませて頬染めながらこっち見てくるんだけど?

 

「・・・・・・・・・・?」

 

さっきまで俺のことを揺さぶってたオータムも不思議そうに首をかしげている。

 

「・・・・・とりあえず、食べないか?料理が冷めるし」

 

遠回りしたせいで料理が冷め始めてるから早めに食べないと味が落ちる。作った人間としては美味しいうちに食べてほしい。

 

「そ、そうね。食べましょうか・・・・・」

 

刀奈が部屋の中央に置いてある椅子に座る。マドカと簪、スコールも続いて座っていく。机と椅子は生徒会室に余っていた机を許可を貰って借りてきた。

 

「オータムも行こうぜ」

 

「ああ!」

 

俺とオータムも椅子に座ろうと歩きだす。すると、突然俺の頭上にミッド式の魔方陣が展開された。

 

〈マスター!魔力反応を感知!転移魔法です!〉

 

「わかってる!オータム!」

 

「えっ!?きゃあ!?」

 

オータムを俺のベッドの方に突き飛ばし、ブレッシングハートの基本形態・ソードフォームを部分展開して後ろに下がる。

 

〈来ます!!〉

 

俺はブレッシングハートを構える。魔方陣は光だし、人が飛び出してきた。ーーーーー俺の真上に。

 

「ーーーーーえっ?」

 

魔方陣からではなく、何も無い虚空から人が飛び出してきたことで変な声をだしてしまった。

 

「はにゃあ!?」

 

「がっ!?」

 

飛び出してきた人物の足が俺の脳天に命中。体勢を崩して床に後頭部を強打。意識が遠退いていく。最後に見たのは縞模様の布だった・・・・・。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あいたたぁ・・・・・お尻打っちゃった・・・・・」

 

私、更識簪は現状把握の為、頭をフル回転させている。秋に乗っている女の子はオータム先生と秋を足した感じの顔付きをしていて、服装は白色の半袖に藍色のスカートを着ている。お姉ちゃんとマドカ、スコール先生は突然のことでフリーズしている。

 

「あっ!!」

 

女の子は私達を見るとそれはもう花が咲いたような満面の笑顔で近寄ってくる。女の子は私達の方まで近づいてくる途中、オータム先生と目があった。うん、ここから二人を見るとそっくり。

 

「ママッ!!」

 

女の子はオータム先生に抱き付いた・・・・・って。

 

「「「「「マ、ママァァァァァァァァァァァァァァァ!!!?」」」」

 

えっ・・・・・お、女の子はパッと見、小学生ぐらいだから・・・・・オータム先生が十七歳の時に出来た子供!?

 

「えっ!?えぇっ!?」

 

抱き付かれたオータム先生も驚いている。女の子は不思議そうな顔をした後、何かを思い出したのかオータム先生に抱き付きながら両手をあわせた。

 

「・・・・・あっ、そっか。私、まだ産まれて無いんだった(・・・・・・・・・・)

 

産まれて無い?女の子はオータム先生から離れると、私達全員を見える場所に立った。

 

「初めまして、昔のママ達!!未来から来た高町秋と高町オータム(・・・・・・)の子供の高町ユーリです!よろしくね♪」

 

女の子はウインクをした。何だろう・・・・・オータム先生と同じ顔だけに違和感がすごい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「美味しいー!やっぱりパパが作ったご飯は美味しいね!ね、ママ?」

 

「そ、そうだな・・・・・」

 

テーブルを挟む形で女の子・・・・・未来から来た秋とオータム先生の子供を名乗る女の子、高町ユーリちゃんは秋が作った料理を食べながらオータム先生に話し掛ける。オータム先生も反応に困っている。

 

「ええっと・・・・・ユーリちゃん?」

 

「なぁーに?」

 

ユーリちゃんは唐揚げを食べながら返事をした。

 

「ユーリちゃんは本当に未来の秋とオータムの娘なの?」

 

「むっ!スコールママ信じてないね!なら、証拠を見せてあげる!」

 

ユーリちゃんは床に置いていたポシェットから手の平サイズの機械を取り出して、操作する。て言うか、スコールママって言わなかった?

 

「これが証拠だよ!」

 

ユーリちゃんは機械をテーブルに置いた。機械から写真が投影された。写真には翠屋の前で身長が伸びた秋と髪を一つに縛って肩より前に出しているオータム先生に似ている女性、何処かの学校の制服を着ているユーリちゃん。それだけじゃない。私とお姉ちゃん、マドカ、スコール先生、なのはちゃんに似ている女性、士郎さんと桃子さん、恭也さん、美由希さん、それから知らない女性も写っている。まるで家族写真みたい。

 

「この人がパパでこの人がママだよ!」

 

ユーリちゃんは秋とオータム先生に似ている女性を指さす。やっぱり、オータム先生なんだ。白色のブラウスに紺色のスカートを履いている。何だか落ち着いている感じがするね。

 

「それでね、この人が自由ママ(・・・・)でこの人が鳴子ママだよ!」

 

ちょっと待って。自由ママと鳴子ママって誰?私、そんな人知らない。マドカとスコール先生は二人の名前を知っているのか固まっている。

 

「ま、待って、ユーリちゃん!鳴子ママって・・・・・遊佐鳴子のこと!?」

 

「うー、鳴子ママの元の名字なんて覚えてないよ。あ、でも、鳴子ママがパパと幼馴染みって言ってた」

 

なん・・・・・だと・・・・・?私とお姉ちゃん以外に幼馴染みが居たなんて・・・・・これは秋に問い詰める必要があるね。

 

「ユーリちゃんはさっきから私のこともママって呼ぶけど、どうしてかしら?」

 

・・・・・それは気になっていた。オータム先生のことをママと呼ぶのは分かる。でも、スコール先生をママと呼ぶ理由がわからない。

 

「それはね・・・・・ここにいるみーんながパパと結婚してるからだよ!」

 

ここに来て驚愕の新事実!まさか、未来の秋がハーレムを形成してるなんて・・・・・でも、それなら私達が知らない人と秋が結婚することが無い。ある意味WinWinだ。

 

「な、なら、私もお兄ちゃんのお嫁さんなの・・・・・?」

 

「そうだよー。マドカママもパパのお嫁さんだよ」

 

「そっか・・・・・私もお兄ちゃんと結婚できるんだ・・・・・えへへっ」

 

普段私達の前以外仏頂面がデフォルトなマドカがあんなはにかんだような笑顔をするなんて・・・・・よっぽど嬉しいんだね。すると、何処からかピコーン!ピコーン!と言う音が聞こえてきた。

 

「あ、そろそろ帰る時間みたい」

 

音源はユーリちゃんがつけているブローチからだった。ブローチの中心が赤くし点滅している。

 

「ママ。耳かして」

 

「何だよ・・・・・」

 

オータム先生はユーリちゃんの方に顔を近づける。

 

「未来の娘からのアドバイスだよ。あのね、パパはーーーーー」

 

ユーリちゃんはオータム先生の耳元で何かを呟く。やがてオータム先生の顔が首から赤くなって行く。

 

「ほ、ホントか!?」

 

「うん!パパが言ってたから本当だよ!」

 

「そ、そうか・・・・・秋がそんなこと・・・・・」

 

ユーリちゃん、オータム先生になに言ったんだろう?生徒の間じゃ凛々しく、強くて頼りになるから“オータムお姉様”なんて呼ばれてるけど・・・・・今のオータム先生を見たら驚くだろうね。

 

「バイバイ、ママ!未来でまた会おうね!」

 

ユーリちゃんの足元にオレンジ色の魔方陣ーーーーーミッド式だっけ?ーーーーーが現れて、光だした。

 

「ーーーーーうん、バイバイ、ユーリ(・・・)

 

あ、オータム先生・・・・・始めてユーリちゃんの名前を呼んだ。

 

「ーーーーーうん!バイバイ!」

 

ユーリちゃんも手を振る。魔方陣は一層強く光り、光が消えると、そこにはユーリちゃんは居なかった。

 

「つぅ・・・・・何があったんだ?」

 

ベッドの上で気絶していた秋が頭を押さえながら起き上がった。オータム先生が立ち上がって、秋に近づく。。

 

「なあ、秋」

 

「ん?何だ、オータム?」

 

「アタシ、子供は二人以上欲しいな」

 

「ぶふっ!?」

 

あの人いきなりなに言っちゃってんの!?秋もなにその反応?いつもの秋なら「はぁ?なに言ってんだ、お前」とか言うのに!

 

「そ、そそそそそ、そう言うのはちゃんと手順を踏んでだな!!」

 

なにあの秋・・・・・可愛い。顔を真っ赤にして慌ててる秋なんて滅多に見られない。写真・・・・・は無理だね。脳内保存脳内保存っと。

 

「復帰パーティーがとんだことになったわね・・・・・」

 

「うん、そうだね」

 

私とお姉ちゃんは慌てる秋とオータム先生を見ながら、そう話すのだった。




未来から来た秋君とオータムさんの娘の設定です。

名前・高町ユーリ

年齢・六歳

容姿・オータム譲りのオレンジ色の髪に左目の少し下に黒子がある。

所属・St.ヒルデ魔法学院一年一組

好きなモノ・家族、秋が作った料理

嫌いなモノ・虫系全般

秋とオータムの間に産まれた第一子。天真爛漫で好奇心旺盛。母親は血が繋がったオータム以外に六人いる。近々妹と弟が生まれる予定。


こんなところですかね?

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