リリカル・ストラトス 元織斑家の魔導師 作:妖精絶対許さんマン
本年度も今作“リリカル・ストラトス~元織斑家の魔導師~”をよろしくお願いいたします。
近況報告としてはFGOの福袋ガチャにてなんと!
玉藻さんが来てくれましたー!私的にはジャックが来てほしかったんですが、2体目の星5なので満足です。興奮しすぎで再臨3段階まで行っちゃいました。
それじゃあ本編どうぞ!・・・・・ちょっとエッチかも。
「・・・・・・・・・・ん?」
いつの間にか寝てたのか?それに・・・・・何だ?さっきから背中に冷たいモノが・・・・・って、背中!?
「誰だ!!」
勢いよく起き上がると、下着姿のマドカが俯きながら、俺の隣に座っていた。なんで下着姿?
「ねえ・・・・・お兄ちゃん」
マドカは俯きながら俺の名前を呼んだ。
「その背中の傷痕・・・・・何?」
やっぱり見られてたか・・・・・。
「傷痕?何言ってるんだよ、マドカ。俺の背中にはそんな痕は無いぞ」
何が何でも誤魔化すんだ。背中の傷痕のことはなのはとマドカ以外の家族と幼馴染み3人、間違えて風呂場に入ってきたオータムしか知らない。
「嘘・・・・・嘘だよ!私ちゃんと見たもん!お兄ちゃんの背中に抉られたような傷痕があるの見たもん!!」
「・・・・・・・・・・」
がっつりと見られたみたいだな・・・・・。
「お兄ちゃん!!」
マドカは目に涙を浮かべながら睨んでくる。・・・・・別に口止めはされてないから良いか。
「マドカ・・・・・」
俺はマドカを抱き寄せる。マドカは俺の背中に腕を回してきた。
「ごめんな。別に黙ってた訳じゃないんだ」
本当は背中の傷痕のことは話したくないんだけどな。
「背中の傷痕は・・・・・まあ、母さん逹に引き取られた時からあったんだ」
「引き取られた時からって・・・・・」
俺が母さんに引き取られた時、一番酷かった怪我は頭部と背中だったらしい。頭部の怪我は綺麗に治ったが背中の怪我だけは痕が残った。
「転校したての時は酷かったな・・・・・」
小学3年と言えば自分とは違う者を無視や仲間ハズレにしたがる奴が多い。例に漏れず俺が転校した時もクラスの男子が俺の背中の傷痕を目敏く見つけた。“ヤクザの息子”だなんだと適当なことを言って、周りの男子も便乗した。まあ、言い出した奴と便乗した奴を叩きのめしたけど。
「それがマズかったんだろうな・・・・・」
叩きのめした相手は全治1ヶ月の大怪我だった。そりゃあ、顔面を壁に叩きつけて壁版犬○家をしたら大怪我もするか。
「それから・・・・・どうなったの?」
マドカが俺の胸に顔を埋めながら聞いてきた。
「それからは簡単なことさ。怪我した奴は病院送り。相手の親が学校に来て怒鳴り散らし始めたのさ。で、校長室で怪我させた方の親の1人が俺のことを叩こうとしたから思わず・・・・・」
「思わず?」
「叩こうとした腕を掴んで顔面にパンチを喰らわせた」
「ぷっ・・・・・。お兄ちゃんらしいね」
あれは条件反射だったのかもしれないな。殴られた親は後方に鼻血を撒き散らしながら飛んでいった。他の親共の顔は今も覚えている。あり得ないといった顔をしていた。
「あれ?でも、お兄ちゃんってその時小学校3年生なんだよね?子供の腕力で大人は殴り飛ばせないよね?」
「どうも頭部を怪我してから、脳の力を抑えるストッパーが壊れたみたいなんだよ」
スチール缶なら握り潰せるし、本気になれば裏拳でコンクリートの塀ぐらいなら粉砕できる。
「話を戻すな。俺が相手の親を殴ったのをタイミング悪く母さんに見られたんだよ。で、母さんは必死に相手の親に謝ってくれたんだ。当時の俺はその母さんの行動が理解できなかった」
無口無表情無愛想の3拍子揃っていた当時の俺は、まったく可愛いげが無かっただろうな。それなのに母さんは謝ってくれた。
「学校の帰り道に母さんと手を繋ぎながら聞かれたんだ。『どうしてあんなことしたの?』って」
今でも覚えている。頭ごなしに怒鳴るわけじゃなく、優しく、諭すように、何より他の親なら顔を真っ赤にして怒鳴り散らすところを、母さんは安心させるように微笑んでいた。
「あの時、何て答えたのかはもう覚えていない。ただ、逆に聞き返した。『どうして他人の俺のために謝ったんですか』って。そしたら母さん、何て言ったと思う?」
「何となく予想できるなぁ・・・・・」
マドカの予想は当たってると思う。血は繋がっていなくても、“高町桃子”の娘なんだから。
「『親が子供のために謝るのは当たり前じゃない。それが例え、血が繋がらない子供でもね?』だとさ。言われた時はそれはもう驚いたさ」
「あはは!お母さんらしいね」
「だろ?・・・・・本能的にわかったのさ。『この人には勝てない』って。それからは・・・・・まあ、あれだ。父さんと兄さんに弟子入りして力の抑えかたを習ったり、店の手伝いをしたりしてたな」
壁版犬○家にした奴等は俺の顔を見るたびに発狂、号泣するので転校した。そんなに怖かったのか?
「そんなことがあったから俺はクラスから浮き始めた。ほとんどの生徒は俺を避けたが、1人だけ、1人だけしつこく話しかけてくる奴がいた」
「それが・・・・・遊佐鳴子?」
「ああ。アイツだけしつこく話し掛けてきた。アイツもクラスでは浮いていた方だしな。1人だけシャーロック・ホームズみたいな服装で、キラキラした瞳で聞いてきた」
放課後も家が一緒の方角だとか言って一緒に帰って、学校でも席が近くで、しまいには母さんに『あの子友達?』って聞かれる始末だ。
「だから・・・・・なんだろうな。初めての友達が鳴子だったのは。お互いに浮いていたし、何より波長があったんだよ」
「ふ~ん・・・・・」
マドカは拗ねたような反応をする。
「ねぇ・・・・・お兄ちゃん。お兄ちゃんはさ、私のこと・・・・・どう思ってるの?」
マドカが突然変な質問をしてきた。
「どう・・・・・って、可愛い俺の妹だぞ?」
「か、かわっ!そそそそそそ、そうじゃなくて!!私のことを1人の女として見てほしいの!!」
1人の女として・・・・・?
「私・・・・・お兄ちゃんになら何されても良いんだよ?それこそ、エッチなことでも」
「はぁ!?」
スコールか・・・・・!純粋無垢なマドカに変なことを吹き込んだのは!!
「マ、マドカ?だ、誰にそんなことを教えられたんだ?」
「誰にも教えられてないよ。私のこの気持ちは私だけのモノだから。だから・・・・・」
マドカは俺を押し倒してきた。何故か、抵抗する気になれない。
「だから・・・・・お兄ちゃん。刀奈逹は当分帰ってこないみたいだし・・・・・エッチなこと、いっぱいしよ?」
マドカは頬染めて、瞳を潤わせて、顔を近づけてくる。
「ストップ!マドカストップ!俺とマドカは兄妹!!兄妹どうしの恋愛とかダメだし、エッチなことも法的に禁止じゃなかったか!?」
「日本には近親相姦罪は無いよ。それにね、兄妹同士でも愛があれば問題ないよ?私はお兄ちゃんのことが好き。異性として大好き。お兄ちゃんは?お兄ちゃんは私のこと好き?」
「好きだけど妹としてだから!?」
・・・・・たまにマドカのことを異性として意識しているなど口が裂けても言えない。
「それでも良いよ。それにね・・・・・お兄ちゃんの赤ちゃんが出来ても、ちゃんと私が世話するから」
「話が飛躍しすぎじゃないですか!?」
交際云々から結婚、妊娠、出産を蹴飛ばして子供の世話の話になったら普通、混乱するだろ?
「往生際が悪いよお兄ちゃん。・・・・・私に溺れて?」
マドカがだんだんと近づいてくる。あと、数Cm。マドカの睫毛までくっきりと見える。・・・・・間近でマドカを見るとやっぱり可愛いな。いっそのこと・・・・・マドカが言ったみたいに、マドカに溺れるのも良いかも知れないな。
「お兄ちゃん・・・・・」
「マドカ・・・・・」
あと、数mm。少し頭を上げるだけでキスが出来る距離だ。
「おい、秋!遊ぼうぜー!!って、何してんだマドカ!?」
キスする直前にドアが勢いよく開き、オータムが入ってきた。
「秋からはーなーれーろー!!」
「いーやーだー!!」
オータムは持ってきていた袋を普段、簪が寝ているベッドに放り投げて、マドカを俺から引き離そうとする。マドカはマドカで俺の首に腕を回してしがみついてくる。
「何でお前下着姿なんだよ!?服着ろよ!!」
「オータムこそ何なのさ!せっかくお兄ちゃんと良い感じの雰囲気だったのに!!」
マドカ。頼むからしがみつくのを止めてくれ。スコールやオータム、刀奈逹程胸は無いけど当たってるから。俺も一応思春期男子だから。それと窒息しそうなんだけど。
「それより何で秋に馬乗りになって乗っかってんだよ!!」
「オータムが来なかったらお兄ちゃんに私の初めてを貰ってもらうつもりだったの!!具体的には口とか手とか胸とかお尻とか処○とか!!」
あ、ヤバい。意識が・・・・・。
「お前胸ないだろ!!」
「なっ!!人が気にしてることを・・・・・!何さ!私よりワンカップ胸が大きいからって!!私の胸のサイズは日本人女性の一般的な大きさなの!!オータムやスコールみたいに将来シワシワになって垂れ下がる脂肪の塊じゃないの!!今の流行りは巨乳じゃなくて美乳なの!!」
「テメェ、それただの嫉妬だろ!?そ、それに秋だって胸が大きい方が好きに決まってんだろ!!」
「にゃにおー!!」
あ、意識が飛んでく・・・・・。俺が最後に見たのは、マドカの白色の下着だった・・・・・。