比企谷八幡が海浜高校で生徒会長をしたら   作:時雨煉

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折本目線のをやってほしいと言うのは2人いたのですが、5人以上来たらやろうかなと思います。来なくてもやる可能性もありますが……。


第7話

「次どこ行きますー?」

「そうだね……」

 

 微妙な空気ではもうない。

 いろいろ回って、次の場所を決めているところだ。

 服屋に行こうと言ったときは俺が止めた。

 さっきの空気になる恐れもあるし、店内に男がいたら怪しまれる。

 

「行きたい所あるんですけど、いいですかー?」

「どこ行くの?」

「スポーツショップに」

「いろはちゃん、何かスポーツやってるの?」

「私はやってないんですけど、マネージャーをしてて」

「へぇー、そうなんだ」

「私はスポーツショップでもいいよ。比企谷は?」

「まあ、いいんじゃあねえの? そろそろ、修学旅行だし」

「あー、もうそんな時期か……」

 

 海浜高校では、冬に二泊三日の修学旅行がある。

 基本的にはスキーと自由行動だけだ。

 俺はスキーは小さい時に小町が行きたいからと言って家族でよく行っていた。

 小町達は未だに行っている。俺? 置いてかれてる訳じゃないよ? めんどくさいだけだからね。

 

「じゃあ、決まりですね」

 

 向かっている途中でチャラうざい奴が話しかけてきた。

 

「あんれぇー、いろはすじゃね?」

「ちょ、いろはす〜」

「なんなんですか? 戸部先輩」

 

 一色がとてつもなく、嫌そうな顔をしている。この戸部とか言う奴が可哀想なレベルだ。

 

「やあ、いろは。君も遊びに来ているのかい?」

「葉山先輩」

 

 えっ、何この反応の違い。

 もう一人いたのは、葉山と言うらしい。

 何この、爽やかイケメン。常に太陽拳放っているじゃあないかってぐらいに眩しい。

 目がぁぁぁ! 目がぁぁぁ!

 

「はい、他校の人達と遊びに来てて」

「そうか、この前行ってた生徒会の人達かい?」

「はい、比企谷八幡生徒会長と折本かおり副会長さんです」

「君が、生徒会長……」

「悪かったな、生徒会長っぽくなくて」

 

 主に目が腐っているのが原因ですね、分かります。

 

「いや、そうゆう訳じゃ……」

「いいんですよ、葉山先輩。先輩が生徒会長っぽくないのは今に始まったことじゃあありませんから」

「お前は少しは気を使え」

「えへへ」

 

 葉山とか言う奴が来てから一色のあざとさが少し違う気がする。

 葉山は特別な存在と言うことだろうか? イケメンだから、一色が手を出しそうな相手ではある。

 

「いろはす、あの人達なんなん?」

「はあ? 話聞いてなかったんですか? 生徒会長と副会長ですよ」

「えっ、マジでなん! めっちゃ、生徒会長に向いてなさそうじゃん」

「あー、そうですね」

「ちょ、酷くね!?」

 

 戸部とかの言う奴マジで可哀想になってきた。一応先輩なんだろ? 一応。

 

「仲がいいんだな……君達は」

「仲良くねぇよ、別に」

「いろはは、色んな人に可愛い自分を見てもらおうとする」

「でも、君とは接し方が違うように感じる」

「可愛く見られたくないってことなんじゃないか?」

「そうは思わないな。俺はむしろ……」

「あ、せんぱーい、そろそろ行きますよー」

「いや、やっぱりいい」

「変なところで止めるなよ」

 

 思わせぶりな所で止めやがった。

 なんなんだ? むしろって……。

 

「せんぱーい、早くしましょうよー」

「呼んでるぞ」

「分かってる」

「君とはまた会いそうな気がする」

「そうか、俺は会いたくないな」

「っ」

 

 葉山は驚いた顔をしていた。

 こんな爽やかイケメンともう一度会うなんて御免だ。

 早く行かないと一色がうるさそうだ。

 

「もぉ、先輩遅いですよ」

「悪かったな、早く行こうぜ」

「なんか、すごかったね」

「そうだな……」

 

 葉山とか言う奴は嫌いだ。いけ好かない。

 

 

 

 

「この、スキーウェア可愛くなーい?」

「あ、可愛いですね」

「でしょ!」

 

 女子達はスキーウェア選びでキャッキャウフフしてる。

 俺は親父のを借りるので買う必要はない。

 俺は店内をうろうろすることにした。

 俺はスポーツはやっていない。運動が苦手という訳ではない。そこそこの成績は取っている。

 テニスなんかは割かし得意だ。

 ダブルス以外は基本的個人競技だし、俺向きだ。

 チームスポーツと言うのは好まない。そいつが嫌いなだけでパスは出さないし、嫌いな奴がミスをすれば、責める。

 中学の時のサッカーは辛かったな……。

 それで、俺が点を取ったりしても、誰も喜ばないんだよ。何この理不尽。

 

「ちょっと、比企谷ー、勝手にどっか行かないでよ」

「いや、暇だったし」

「比企谷って団体行動向いてなさそうだよねー」

「よく分かったな」

 

 ぼっちは団体行動に向いていない。ぼっちとは孤高なのだ。何それかっけー。

 

「これ、どう?」

 

 折本はピンク色のスキーウェアを見せる。

 

「まあ、いいんじゃあねえの、お前らしくて」

 

 ピンクってなんだかビッチっぽい。

 

「私っぽいか……」

「どうかしたのか?」

「ううん、買ってくるね」

 

 どうかしたのだろうか? 少し、にやけているように見えたがそんなにあのスキーウェアを気に入ったのだろうか。

 

「せーんぱい!」

「あ?」

「先輩もなかなかやりますね」

「何がだよ」

「ふふっ」

 

 一色いろははたまによく分からないことを言う。俺には理解できない。理解する気もない。

 

「買って来たから次いこー」

「はい」

 

 このあと、いろいろ回ってまたサイゼに行くことになるのだった。


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