なろうとかでも書きたいと思ってるので交互になるかもです。
新人賞にちょっと書いてたりする。
これは、趣味って感じで書いてます。
クリスマスの次の日だって言うのに、学校に行かなくてはならない。
冬休みがまだと言うわけでもなく、ただ単に生徒会のお仕事と言うわけだ。
とにかく、休みたい。
冬休みは、休むためにあって、仕事をするためではない。
俺には、休むと言う重要な仕事があるのだ。
休むためには、休むと言う仕事をしなくては、ならなくて、休みには、仕事はしてはいけなくて……。
端的にいうと、学校に行きたくない、だ。
ただでさえ、仕事がめんどうなのに、折本と会うのが、なんだが、気まずい。
昨日、葉山に言われたことが少し引っかかる。
『君はどちらを選ぶんだい? それとも、どっちも選ばないのか……』
選ぶとか選ばないとか、わけがわからない。
選ぶとは、一体何を? 選ばないとは、一体何を?
……分かってる。
本当は、分かっている。でも、分かりたくない。
俺は、誰からも好まれず、嫌われているのが当たり前なんだ。
一色だって、生徒会長としての務めを果たしているだけで、折本だって、同じ生徒会だからだ。
特別な感情なんて、一つもない。
仮に抱いたとしても、それは間違いだ。
見せかけで、虚像で、偽物だ。
全ての感情は、偽物だ。
本物なんて、ありはしない。
何故、そんな感情を抱くのか? それは、簡単な話だ。
だって、人間だもの。
みつを君が言っている通り、人間は間違いを起こす。
俺だって、人間だし、折本達だって、人間だ。
だから、こうして、間違いを起こす。
それが分かっている俺だからこそ、踏みとどまらなくてはいけない。
人の幸せは、平等にあるべきだ。
それを俺が奪ってはいけない。
「お兄ちゃん! 何ぼうっとしてるの? 遅れるよ?」
「あ、ああ」
小町の怒号でふと現実に戻された。
小町は、俺の顔を除きこんだ。
「大丈夫?」
「ああ……行ってくるよ」
小町は、大丈夫と心配してきたが、大丈夫と言って、そのまま、学校に向かった。
小町を心配させるわけにもいかないし、行くという選択肢しかなかった。
選択肢、一つとかどんなクソゲーと思ったが、今までだって選択肢は一つだった気がする。
神様は、きっと、俺の設定をミスったんだ。
選択肢の二つや三つぐらい用意して欲しいものだ。
非常に行きたくなかった学校も、行ってみると、案外、早く着く。
自転車を駐輪場に置き、自動販売機へと向かう。
もちろん、買うのは、MAXコーヒだ。
糖分は、疲れた頭を回復させてくれること間違いなし。
なんなら、ベホイミ以上の回復力だ。
ベホマには、勝てないけどな。
「ん……?」
「あ、比企谷おはよー」
「げっ……」
やはり、神様は、俺の設定をミスっている。
俺のラックどうにかなりませんかね? 俺を二体合成すると上がるとか……。
……むしろ、下がりそうだな。
そんな、俺の心中を知らない折本は、笑顔で駆け寄ってくる。
「比企谷、早いねー」
「そ、そうか? 時間通りだと思ったんだが……」
「三十分ぐらい早いよ?」
「時計ずれてやがる……」
腕時計を確認すると、集合時間になっていたが、本当は、三十分ぐらい早いらしい。
くそ、神様の馬鹿!
ラック上げるシステム、早く実装してくれよ。
そんなものがあったら、いくらでも買うね。
でも、そんなものはないため、こうして、折本と出会ってしまった。
「これ、買っといたよ」
投げるように渡されたのは、MAXコーヒだった。
「お、おう……ありがとな」
「……どうしたの?」
「いや、何でもねぇよ」
「そう?」
「ああ、だから、行くぞ」
何でもない。本当に何でもない。
何かがあるはずがない。
そう、心の中で呟きながら、生徒会室に向かった。
****
生徒会には、生徒会のメンバーはすでに揃っていた。
何が早いだ。他の奴らの方がはやいじゃねぇか。
あとは、風紀委員のメンバーだけか……。
今日は、風紀委員と会議をすることになっている。
来週ということだったが、少し早めることになった。
平塚先生の都合らしい。
わ、横暴……。
「お、集まってるな、感心感心」
平塚先生が生徒会室に入って来た。
「風紀委員のメンバーを呼んでこよう。君達は、待っていたまえ」
急に来て、急に出ていったなあの人……。
まあ、また来るわけだが……。
えっと、会議内容は、風紀が乱れてるとかなんとかだったな。
スカートが短すぎるとか、不順異性交遊とかだろう。
まあ、適当に玉縄の話に合わしておけばいいだろう。
変な方向に行った場合は、止めるが……。
「比企谷君、おはよう」
「ああ、玉縄か」
「今日は、フレキシブルにセンセーションをあおりたてるような有意義な会議をしよう」
「おう、任せとけ」
玉縄は、嬉しそうに笑った。
半分以上何言ってるのか分からなかったけど、大丈夫だ。
会議中では、あれが見られることを祈ろう。
ちょっとだけ、面白いからな。
玉縄の後ろには、意識高い系の奴らが何人もいた。
折本の空気を読まない感じを大事にすれば、うまく会議は回る。
「では、会議を始めようか」
平塚先生がそう言うと、皆席に着いた。
話は、玉縄から切り出した。
「前にも言った話だけど、校内の風紀が乱れてる」
「それある!」
玉縄は、うんうんと頷いた。
やっぱ、駄目だわ。折本使い物にならない。
「問題は色々とあるけど、まずは衣服の乱れから直していこう」
まあ、予想通りだな。
俺達で出来ることと言っても限られているし、何かキャンペーン活動をすることぐらいだろう。
制服見直し週間とか必要あんの? みたいなやつをやればいいだけだ。
でも、この会議は普通には進まない。
「まず、皆の意見を聞こうか」
風紀委員の一人が手を挙げた。
あ、やべ、出遅れた。
「いっそのこと、私服にするって言うのはどうかな?」
『……』
場が静まった。
さすがに、皆分かってくれたか……。
でも、イレギュラーである、玉縄と折本が声を上げた。
「それある!」
「いいね、それ。アグレッシブっていうか、斬新な発想だよ」
「確かに……」
「いいかもしれない」
風紀委員のメンバーと折本がこの意見を肯定し始めた。
ダメかー……。
平塚先生は、立ちながら寝ているし……ダメ教師と言わざるを得なかった。
仕方ない……ここは、俺が、
「でも、校則を変えるには時間が必要だ。先にそれ以外で考えた方がいいんじゃないか?」
「それある!」
「仕方ない……その方が現実的ではあるね」
「それと、並行して、進めていくのはどうだろう?」
「それある!」
折本に助けられ、一応、まともな方向に進んだ。
そのまま、特に問題なく、会議は終わった。