比企谷八幡が海浜高校で生徒会長をしたら   作:時雨煉

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物凄く遅くなって申し訳ない。
高校生活が思ったより忙しくて……。
これからは、気分転換とかに書くことになるかも。
あと、もしかしたら、次の更新は、違う作品かも知れません。
覚えていないかも知れませんが、前にとったアンケートのいろはすメインのやつです。
どっちを更新しているかは、分かりませんが、出来れば見てください。


22話

「綺麗ですね……」

「そうだな」

 

 クリスマスツリーは思ったよりでかくて凄かった。

 リア充ならここで、お前の方が綺麗だよとか言うんだろうけど、俺は思っても言わない。

 

「折本も風邪じゃなければな……」

「む……」

「何だよ?」

 

 一色は、頬膨らませて、こちらを睨む。

 俺、何かした? 俺のせいで、クリスマスツリーの魅力が失われてるとか?

 でも、そういう訳では、ないようだ。

 

「他の女の人の名前出すのは、ダメですよ?」

「別いいだろ? 彼氏彼女の関係じゃあるまいし……」

「……まあ、先輩ですもんね……」

「……ほっとけ」

 

 俺は、彼女が出来たことがない身だ。

 そんなことを期待されても困る。

 クリスマスツリーは、キラキラと輝いていて、とても綺麗だ。

 柄にもなく、儚いとかそんな言葉が浮かんでくる。

 

「もう満足したか?」

「はい……」

 

 満足してもらえたなら良かった。

 もう日も沈んでいる。早く帰らないと。

 

「やあ、いろはに比企谷君」

「あ? 葉山か……」

「こんばんは、葉山先輩」

「こんばんは」

 

 後ろから声をかけてきたのは葉山だった。

 クリスマスに一人とは……イケメンらしからぬ行動だな。

 お前は彼女とデートでもしていろ。そして、爆発しろ。

 

「君はいろはを選んだのかな?」

「選ぶ? 一体何をだ? 意味が分からん」

「あまり中途半端なことはしない方がいい」

「は?」

 

 葉山は俺の肩に手を置くと目線を違う方へ向けた。

 その視線の方には人混みの中で一人突っ立っている女を見つけた。

 それは折本だった。

 

「折……本……?」

「君は一体どちらを選ぶんだい?」

「……」

「それとも、誰も選ばないのか……」

「……」

 

 流石に俺でも分かった。

 選ぶとはどちらと付き合うかと言うことだ。

 でも、それは違う。初めから選択肢は一つだ。

 選ぶ、選ばない以前に俺にはその権利がない。

 一色や折本が俺を好きな訳がないし、仮に好きだったとしても、付き合うべきではない。

 俺と付き合うことにはデメリットにしかならない。

 二人共、そこまで考えが回っていないそれだけだ。

 他の人に嫌われたりするリスクを犯してまで俺と付き合うメリットはないだから、選択肢は一つしかない。

 

「じゃあな、葉山」

「比企谷、君は……」

「お前にとやかく言われる筋合いはねぇよ。じゃあな」

「……先輩? 帰るんですか?」

「ああ、お前ももう帰るなら送って行く」

「……大丈夫です」

「そうか、じゃあな」

「はい」

 

 今日はクリスマスだって言うのに……最悪だ。

 俺のところにはサンタさんじゃなくてサタンさんが来たのかもな。

 ――――最悪のクリスマスだ。


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