今日はクリスマス。非リア充がリア充の爆発を願う日だ。
かくゆう、俺もそのうちの一人だ。葉山なんかは特に爆発しろ。どうせ、あーしさんとデートだろ? 爆発しろ。
今はもうすっかり朝なのだが、超眠くて仕方がない。
3時間しか寝てないからちょー辛いわー。
と言うのも、サンタさんとして活躍したからである。
折本の家を去った後は、小町にもプレゼントを渡そうとしたのだが、まだ寝ていなかったため寝るまで待ってた。こんなに夜遅くまで勉強だなんて、お兄ちゃん感心しちゃう。
あと、そう言えば、折本の家が若干ハイテクだった。
あの後、鍵の事を思い出し引き返したのだが、鍵はしまっていた。なんだっけ? オートロックとか言うやつだ。科学の進歩は目覚しいな。
「あ?」
携帯の音が鳴った。
誰だ? こんな時間に……メールみたいだが……。
内容はこうだった。
『我はこれから、秋葉原に行って、にゃんにゃんしてもらいに行くのだが』
「……」
相手は材木座だった。
何の報告だよ。いちいち、メイド喫茶に行く報告とかしないでいいから。
俺は返信をすることなく、そのメールを削除した。
「何だよ、またかよ……」
再び、携帯の音が鳴った。
やっべ、一日に貰うメールの量の記録更新じゃね? スパムメールは除く。
相手は再び、材木座かと思ったが、相手は一色だった。
うわー……見たくねぇ……。見たくはないのだが、見ないと一色が怖い。
『先輩、今日暇ですかー? 暇ですよね。遊びに行きませんかー? 折本先輩も風邪みたいだし、二人で』
「暇なこと確定してんのかよ……暇だけど」
ぼっちに予定などあるはずがないだろう。予定があったら、ぼっちやってないわ。
でも、意外だ。誘って来るということは一色に予定がないということになる。実はぼっちだったりして……。あ、でも、葉山達がいるか……。同年代で友達がいない可能性もあるが。女子は完璧すぎると同性から嫌われるって聞くからな……。あいつの場合はあざとくて、同性から嫌われている可能性もある。
あとは、誰かの好きな人に好かれたとかだろうな。一色とはあざとくなければ、気があっていただろうに……。甘党とかな。残念だ。
さすがに、材木座と違い、一色には返信をしなくてはならないだろう。
あとが、めんどくさいというのもあるが、それ以上に女子のメールを無視するのはいけない。だから、女子も男子のメール無視しないで下さい。
俺は別にいいと送る。
すると、すぐに返信が返ってきた。
何この早さ、送って数秒できたんだけど……。しかも、それなりの量がある。既に送る内容が決まってたんじゃないかって言うぐらいに。
『やけに素直ですね……。なんなんですか、デレたんですか? 先輩のデレとかきもいんでやめてもらっていいですか。それと、先輩の家の前にいるんで出てきてもらっていいですか』
「はあ!?」
これってあれ? 今君の家の前にいるよって言うホラー? 一色はお化けだったの? なら、出ない方がいいな。
だが、そうゆう、訳にもいかず、渋々ドアを開けた。
「メリークリスマスです。先輩!」
「メリークリスマス……」
ほんとに居やがったよ、こいつ。
一色はニコニコしてながら、俺を見つめる。
めんどくさいな……。
「何? お前、暇なの?」
「失礼ですね。何人にも誘われわしましたよ。断りましたけど」
「なんで?」
「だって、めんどくさ……一人だけ遊ぶっていうのも不公平じゃないですかー?」
いちいち言い直さなくていいよ……腹黒って言うのはこうゆう奴のことを言うんだろうな。
それに、一人だけ遊ぶのが不公平なら俺でも駄目じゃね? ラッキー。
「不公平が良くないなら、俺も駄目だろう」
「あえて、誘ってない先輩にしといたら、丸く収まるかなーって」
「知らん」
誘ってもないんだから、誘ってる奴と遊べよ……。
俺、小町と家でいる方がいいな。勉強してるから構って貰えないだろうけど。
「先輩……だめ……ですか?」
「だ、駄目じゃないけど……」
「じゃあ、決まりですね!」
しまった! 一色のあざとさに騙されてしまった。
だって、目をうるうるしながら、しかも、上目遣いで甘えた声で言ってくるんだもん。男ならしょうがない。
それにしても、クリスマスに出かけるなんて久しぶりだな。
いつもはゲームをしている。それで、NPCリア充を爆発さしてる。ロケランとかで。
一色のせいで出来なくなるな……。まあ、数少ない女子との遊びだと思えばいいか。
材木座あたりにいったらどうなるんだろうか? 今からにゃんにゃんらしいが。
俺は今から女子と遊ぶと送ってみる。
すると、一色と同じぐらいの早さで返ってきた。
なんなのこいつら……早すぎだろ……。
『悩みがあるのか? 我でよければ相談にのるが……』
心配されちゃったよ……。こいつに心配されるとかもう終わりだな。
当然このメールは返さない。めんどくさいから。
「先輩、どうしたんですか?」
「なんでもない」
「はあ……そろそろ行きましょうか」
「ああ」
一色と遊びに出かけるのだった。