比企谷八幡が海浜高校で生徒会長をしたら   作:時雨煉

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今日のは中途半端になっているんですけどすみません。時間がちょっとなくて……。毎日投稿を目指しているので。あくまで目指しているだけですけど。


15話

 以前、送り届けた時に家の場所は把握している。

 俺の家からそう遠くない。

 だから、帰ろうと思えばすぐ帰れる距離だ。看病はしやすいだろう。

 とはいえは、折本の家に入るのは初めてだ。それどころが、他の人の家に入るのが初めてだ。他にいるだろうか、俺以外にこの歳まで他の人に入ったことのない奴は……。いないだろうな。

 折本の家の前までは既に来ている。

 あとはインターホンを押すだけだ。

 そろそろ押さないと不審者と間違われても嫌だからな。

 

『ピンポーン』

『はい……って比企谷なんだよね……』

「悪いな、俺で」

『とりあえず入って来て……ごほ、ごほ』

 

 言われたとおり、折本の家に入る。

 鍵はかかっていなかった。事前に開けておいてくれたのだろう。

 家に入った所で折本が待っていた。見た感じかなりしんどそうだ。

 

「かなりやばそうだな」

「うん、熱もけっこうあってね……」

「薬はあるのか?」

「うん」

 

 薬があるなら、ひとまずはいいだろう。

 折本は熱のせいか顔が赤い。というか、全体的に熱を帯びている。いつもより少し、色っぽく見える。

 少し、汗もかいていて……嫌でも、意識してしまう……。

 少しいつもと違って、素直と言うか……なんというか………。

 

「とりあえず、寝とけよ」

「うん……」

「飯食えそうか?」

「少しなら……」

「りんごとかとお粥どっちがいいんだ?」

「お粥……」

「分かった。ちゃんと寝とけよ」

「うん……」

 

 折本はふらふらしながらも自分の部屋に戻っていく。

 大丈夫か、あいつ。電話越しに聞こえてた声より今のほうがしんどそうに聞こえる。

 俺は台所を借り、お粥を作り始める。

 専業主婦になると言ってるんだから、料理ぐらいはできる。

 小町が風邪を引いた時にはよくお粥を作ってあげていた。

 最近はあまり風邪を引くことはないが、俺が引いた時には小町が作ってくれた。

 初めて作ってくれた時なんて、焦げてたけど、小町が頑張って作ってくれたと言うことだけで美味しかった。

 お兄ちゃん、大丈夫? って本気で心配してくるんだから、天使と見間違えたかと思った。

 そんな間にお粥は出来上がった。出来はまあ、上々だ。

 俺は折本の部屋にお粥を運んで行く。

 折本の部屋は意外と女の子って感じだった。

 こいつが熊のぬいぐるみ? まじかよ……。

 女の子っぽい所あるなとは思っていたけどここまでだったのか……。

 折本はベッドの上で寝ていた。

 こうゆうときは起こしていいもなのだろうか。小町の時は起こしているしいいよな? 怒られたりしないよな?

 っていうか、寝顔見ちゃっていいものなんだろうか?

 こうやって見ると、折本はかなり可愛い。クラスの中でも1、2を争うぐらい、いや、学年でもトップ5には入るだろう。

 昔とはいえ好きになっているのだ、可愛くないはずがない。

 見ていると、不意に折本と目が合った。

 

「わっ!?」

「うおっ!?」

 

 折本が急に声をあげるので、俺も驚いた。

 やばいな、見ていたことバレたな……。

 

「何見てたの……?」

「えっと……」

「……」

「寝顔です……」

「変態」

 

 睨まれたら正直に言うしかないよね。

 普通に寝顔見てるとか変態か。これがギャルゲーなら選択肢間違えてるな。

 

「そ、それより、お粥食べないと冷めるぜ」

「食べさせて」

「はあ?」

「食べさせてって言ってるの!」

 

 今日の折本はおかしい。熱のせいで頭がやられているのだろう。

 俺からしてみれば役得でしかないのだが、正常な状態の折本からしてみたら、嫌だろう。

 でも、食べてもらわないと困るな。うん、仕方ない。

 

「ほらよ」

「あーん……」

 

 さすがにやばい。

 これは折本じゃない。折本の形をした何かだ。折本がこんなに可愛いわけがない。


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