東京喰種『蜘蛛』   作:BEBE

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戦闘シーン難しい(;´д`)

でも書いててわりと楽しいですね。

では5話です。


赫者

智樹が赫子を出したのに反応し、ヤモリとアヤトも赫子を展開する。

 

「俺らを殺るだと・・・・・思い上がってんじゃねえぞ!」

 

一番に動いたのはアヤトだった。

 

羽赫を智樹目掛けて連射する。

 

しかし撃ち出した全ての羽赫が八本の赫子で叩き落とされた。

 

「アヤト君、独り占めはよくないな。」

 

ヤモリも智樹目掛けて鱗赫を振るう。

しかし智樹はそれをかわしながらヤモリに肉薄し、

 

 

「死ね!」

 

 

右側の四本の赫子をヤモリに突き出す。

 

 

「チッ!」

 

 

ヤモリも赫子で防御するが、数発かすめたようだ。

 

 

「コイツ!!」

 

 

ヤモリが赫子を降り下ろす。

が、そこに智樹の姿はない。

 

 

「ああ!どこ行きやがった!」

 

アヤトが智樹を探すが、その隙を狙って上から赫子突き出された。

 

 

「な!クッソ!」

 

 

アヤトはそれをかろうじで回避し、攻撃が来た方を見る。

そこには空中で赫子を突き出した智樹の姿があった。

 

「馬鹿が!狙い撃ちだ!」

 

アヤトが羽赫を放つが、またも赫子で防がれる。

 

「チッ!本数が多いと厄介だな。」

 

しかし、今度は一、二発かすっていた。

 

そして着地を狙ってヤモリが赫子を突き出す。

 

「チッ!」

 

智樹はそれを足で着地する前に赫子を地面に刺し、強引に回避する。

 

そしてそのまま一本の赫子をカウンターでヤモリの腹に突き立てる。

 

「ガアッ!!」

 

ヤモリは刺された腹を押さえて苦しむ。

 

「テメエエエ!!絶対に喰い殺す!!」

 

そう叫び、ヤモリの体に赫子が巻き付いていく。

 

その過程で腹の傷は再生している。

 

「あの馬鹿!赫者になるつもりか!命令は捕獲だぞ!」

 

アヤトが悪態をつきながらヤモリから距離を置く。

 

そして、赫子を体に巻き付けた異形の姿になったヤモリは、一瞬で智樹に肉薄し、赫子が巻き付き巨大化した右腕で殴り付ける。

 

智樹は八本の赫子全てでガードするが、

 

拳は八本すべての赫子をへし折り、智樹を捉える。

 

「グガアア!」

 

智樹はそのまま数メートル飛ばされ、廃ビルに激突し、停止する。

 

さらに智樹の四肢にアヤトの羽赫が刺さる。

 

「これで動けねえだろ・・・たく、手間掛けさせやがって。」

 

「まだだ!まだ足りねえ!殺してやる!」

 

ヤモリはまだ興奮状態である。

 

「だから捕獲だって言ってんだろうが!クソ・・・・ニコの野郎も連れてくるんだったな。」

 

アヤトはため息をつきながら智樹に歩み寄る。

 

(クソ、手足が動かねえか。・・・・・流石にこのままだとまずいな。このレベルの相手に二対一はきつかったか。)

 

智樹は自分の現状に少し焦る。

 

(あんまり使いたくないんだけどな。あれは・・・・・そうも言ってられねえか。)

 

智樹は覚悟を決め、自身のRc細胞を活性化していく。

 

「オラ、さっさと連れてくぞ・・・・・・ん?」

 

アヤトが智樹の異変に気づいた。

 

智樹の体から黒い赫子が何本も出ている。

 

そして、その赫子が全て智樹に巻き付いていく。

 

「な!!まさかこいつも・・・・・」

 

アヤトの目の前には、まるで全身に黒い鎧を身に纏ったような姿になった智樹がいた。

 

顔に着けていたマスクは先程のヤモリの一撃で壊れたが、赫子が顔まで覆い、同じような蜘蛛の顔を形作っている。しかし、その顔はより怪物のようになっていた。

 

そして、背中から蜘蛛の代名詞である八本の赫子をもう一度展開する。

 

これが智樹の赫者状態だ。

 

「ハハハ!良いぞ!その方が喰いがいがある!」

 

ヤモリは智樹を壊す楽しみが増え、嬉しさのあまり絶叫し、智樹に赫子の拳を振るう。

 

しかし、その一撃は、赫子を纏った智樹の素手で受け止められる。

 

そして智樹は四本の赫子をヤモリに突き出す。

 

「チイッ!」

 

ヤモリは赫子の拳でガードするが・・・・・・

 

智樹の赫子はまるで何もなかったかのように、軽くヤモリを赫子ごと貫き、強引に引き抜く。

 

「ゴガアアア!」

 

ヤモリはその場に倒れ伏す。

 

辺りは血の海だ。

 

「クソ!フザケやがって!」

 

アヤトは羽赫を放つが、智樹は避ける素振りを見せず、そのまま直撃する。

 

・・・・・しかし、赫子の鎧に阻まれ傷ひとつつけられない。

 

そして智樹はアヤトに一瞬で肉薄し、ボディブローを入れる。

 

「カハッ!」

 

アヤトは一瞬気を失いかけるが、何とかこらえる。

 

しかし、その直後、下からアッパーを入れられ、今度こそ気を失う。

 

(さてと、ジェイソンは殺すとして・・・・・こいつはどうしよう。こいつから情報を聞き出すべきかな。)

 

そんな思考に耽っていると、背後に気配を感じ、とっさに振り返る。

 

すると、そこには鉄製のマスクで顔の下半分を覆った男がヤモリを担いで立っていた。

 

「蜘蛛、まさか赫者だったとはな・・・・少し誤算だったか。」

 

「・・・・お前もアオギリの樹か?」

 

「そうよ。」

 

背後から声がし、振り返ると、そこにはアヤトを担いだオカマがいた。

 

「オカマまでいんのかよこの組織は。・・・・まあ関係ねえ、全員殺す。」

 

智樹は赫子を大きく広げ、戦闘体勢を取るが、

 

「ニコ、撤収するぞ。」

 

「ハーイ。」

 

「ふざけんな!逃がすか!」

 

智樹は八本全ての赫子で総攻撃を仕掛けるが、すでにそこには誰もいなかった。

 

「クッソオオオ!」

 

『大喰い』に続き『ジェイソン』、大物を連続で取り逃がしたのは智樹にとってこの上ない痛手である。

 

腹いせとばかりに廃ビルに赫子を突き立てる。

 

そのとき、廃ビルの割れたガラスに写る自分が見えた。

 

そこに写っていたのは、どこからどう見ても蜘蛛を模した怪物だった。

 

智樹が極力赫者にならない理由は・・・・・

 

自分も所詮化け物であると再認識させられるからである。

 

(ああそうだよ、俺は化け物だ・・・・だけど、)

 

智樹の頭の中に、学校の友達や董香の顔が浮かぶ。

 

(俺はアイツらを守れるなら化け物でもいい・・・・・せめて、人を守る化け物でありたい。)

 

 

 

智樹は赫子をしまい、その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




智樹さんまたも取り逃がしました。

智樹の赫者は亜門のアラタみたいな感じです。

次回から原作に絡んでいこうと思います。

次回もよろしくお願いします。

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