東京喰種『蜘蛛』   作:BEBE

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この話の前半に主人公の設定書いておきました。

それでは2話です。


工藤智樹

主人公設定

 

名前 工藤智樹

 

通称:『蜘蛛』

 

赫子:甲赫型

虫の脚のような細い形をしている黒い赫子を八本生やす。この姿から『蜘蛛』と呼ばれるようになり、マスクはそれに合わせて作った。この赫子には三つの関節があり、一定の方向にしか曲がらず、さらに殆ど伸ばすことが出来ないため少々扱いづらいが、その細さからは想像できないほどに硬く力強い。

また、甲赫型でありながら非常に素早く、赫子を刺すことにより、壁面も走れる。

 

特徴:快楽的に人間を殺す喰種、もしくは人間の犯罪者のみを狙って補食しており、人間に迷惑をかけないことを信条にしている。

喰種にしては嗅覚が利かず、人間のそれより少しマシといった程度。

霧島董香とはクラスメイトであるが、互いに喰種であることは知らない。

 

 

 

では、本編です。

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「トーカ様、課題を見せて下さい。」

「殺されたいの?」

 

 

工藤智樹は唯一と言っても過言ではない女友達(工藤がそう思っているだけかもしれないが)である霧島董香に瞬殺されていた。

 

 

「頼む!晩飯奢るから!」

 

 

だが、この男はその程度ではへこたれない。

 

 

「大体、アンタ男子の知り合いがいるでしょ。そいつらに頼めば?」

 

「俺の周り真面目に課題してくるやつなんているはずねえだろ。」

 

 

『類は友を呼ぶ』というのはこのことかもしれない。

 

 

「はあ、仕方ないわね、ほら。」

 

 

そう言って荒っぽく一枚のプリントを智樹に渡す。

 

 

「ああ、晩飯の話は別にいらないから。」

 

「マジで!サンキューさすがツンデレ「ぶっ殺すぞ」嘘ですごめんなさい。」

 

 

そう言って智樹は少し離れた自分の席へと逃げ帰った。

 

 

「何だかんだ言っても結局助けてあげるんだね。」

 

 

智樹と入れ替わりで董香に話しかけてきたのは董香の唯一の友達(やはり智樹は入っていなかった)である小坂依子だった。

 

 

「渡したのは前回の課題よ。今回のはこっち。」

 

 

そう言って董香は別のプリントを依子に見せた。

 

 

「うわー、ちょっとひどくないかな?」

 

「課題サボるほうが悪いのよ。」

 

 

こうして授業開始のチャイムが鳴った。

 

 

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「チクショウ、トーカの野郎嵌めやがったな。」

 

 

勿論おもいっきり先生に怒られた。

文句を言おうとしたが、董香はすでに帰っていた。

智樹の完全敗北である。

だが、智樹は人間として過ごせるこの時間が気に入っていた。

 

先程のように、先生に叱られたり、男子で集まり下らない話で盛り上がったり、董香に辛辣な言葉をぶつけられたりする、そんな日常が好きだった。

 

だから、彼は人間を守る。

 

 

「さてと、もう少し暗くなったら殺るかな。」

 

 

ここからは喰種の時間だ。

 

 

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ところ変わって、ここは20区にある喫茶店『あんていく』。

 

 

ここは喰種達の情報の交換場所でもある。

 

人間の客も来ることがあるが、今居る客は二人の喰種だけである。

 

 

「なあ、また『蜘蛛』が出たらしいな。」

 

 

一人の喰種が仲間に言った。

 

 

「らしいな。しかも今度殺られたのはあの『蟷螂』らしいぜ。」

 

「マジかよ!Sレートの喰種だぜ。」

 

「聞いた話じゃ『蜘蛛』の野郎はSSレートにあげられたらしい。」

 

「白鳩だけじゃなくて蜘蛛にも気を付けなきゃならねえのかよ。最悪だな。」

 

 

そう言ってその二人は店を出ていった。

 

 

「・・・・大分暴れてるみたいですね。」

 

 

董香はマスターである芳村に話しかけた。

 

 

「そうだね、だが蜘蛛は本当にただ暴れているだけなのかな?」

 

「どういうことですか?」

 

 

董香の質問に芳村は答える。

 

 

「蜘蛛が殺してきた喰種は皆かなり残虐な者たちだったらしい。おまけに、蜘蛛が食べる人間は犯罪者ばかりだ。」

 

「つまり、正義の味方気取りってことですか?」

 

「『蜘蛛』が何を考えているのかは、私達にはわからないがね。」

 

 

董香達がそんな話していると、別の客がやって来た。

 

 

「いらっしゃいませ。」

 

 

とりあえず、今すべきことは仕事である。

 

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真夜中の路地裏、神代利世は食事をしていた。

 

彼女は喰種である

 

今回も獲物は若い男性だ。

 

(うーん、ちょっと期待ハズレね。やっぱりそろそろあの子を食べようかしら。)

 

 

喰い殺された上に期待ハズレと言われては、この男性も散々なものだ。

 

すると、背後から自分に近づいて来る気配に気づいた。

 

 

「どちら様かしら?私、食事中なんだけど。」

 

 

リゼが振り向くと、そこには蜘蛛のマスクをした少年がいた。

 

 

「『大喰い』だな。あんたを殺しに来た!」

 

 

そう言い、少年は背中から八本の赫子を出す。

 

これより『大喰い』対『蜘蛛』、の大一番が始まる。

 

 

 

 

 

 




次回、『大喰い』戦開始です。

このSS初めてのちゃんとした戦闘シーンなので頑張ります。

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