るろうに使い魔‐ハルケギニア剣客浪漫譚‐   作:お団子

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第十九幕『前夜』

「うぇ…ウェールズ殿下…なのですか…?」

 空賊の頭が、アルビオン皇子ウェールズだと知ると、ルイズ達も慌てて姿勢を正した。ウェールズは和かな笑みを崩さずに、それを止めてくれるように言った。

「それにしても、君は随分強くて頼れる使い魔を持っているね。彼みたいな人間が一人でもいれば、このような惨めな今日を迎えることもなかったろうに」

 そう言って、逆刃刀を納める剣心を見ると、ウェールズは残念そうなため息をついた。

 それを聞いて、ルイズは少し顔を赤くすると、思い出したように懐から一通の手紙を差し出した。

「アンリエッタ姫殿下より、密書を言付かって参りました」

 ウェールズはそれを受け取り、手紙を広げて読み始めて…最後の一行を呼んで一瞬だけ悲しそうな顔をすると、再び微笑みを作った。

「了解した。しかしながら今、目的の手紙は手元には無いのだよ。済まないが、ニューカッスルまで足労願いたい」

 

 

 

 

 

                第十九幕 『前夜』

 

 

 

 

 

 ウェールズ率いる軍艦『イーグル号』は、アルビオン大陸の真下を隠れるようにくぐり抜けて、しばし雲の中をさまよい始めた。

 やがて雲を抜けると、光の当たらない真っ暗闇な世界が辺りを覆われていたが、魔法の灯火を頼りに進んでいると、大きな穴が姿を現した。

 イーグル号はそれに入り込み、上手く停船させると、剣心達はその鍾乳洞のような地に降り立った。

「ああ僕の可愛いウェルダンデ!! わざわざ僕を追いかけてくれたんだね」

 そう叫んで愛おしそうにギーシュがモグラを抱きしめているのを尻目に、ウェールズ達は運び込まれている物質を指して言った。

「喜べパリー。硫黄だ!!」

「おお、硫黄ですと!!」

 パリーと呼ばれた、老将軍は嬉しさと感動で涙を流した。

「先の陛下よりお仕えして数十年…こんな嬉しい日はありませぬぞ。反乱が起こってからは苦渋を舐めっぱなしでありましたが、これだけの硫黄があれば……」

「ああ、王家の誇りと名誉を、叛徒共に示しつつ、敗北することができるだろう」

 ウェールズの言葉に、パリーと他の一味は歓声を上げた。

 ルイズは唖然として、ウェールズの方へと詰め寄った。何で負けることを知って笑いあっているんだろう。死ぬと分かってどうして喜び合っているのだろう……。それが分らなかった。

「あ、あの…殿下…」

「ん? ああ、手紙の事だね。しばし待ってもらいたい」

 それだけ言うと、ウェールズは臣下の一人にルイズ達を案内するよう頼み込んだ。

 

 

 

 

 

 城内での居間にルイズとワルド、そして剣心は案内された。

 ウェールズはその机の中から一つの小箱を取り出して、それを開けた。その中には、古くなった手紙が一通。

 それを開いて、再度読み直すと名残惜しそうに手紙を畳んでルイズに渡した。

「これで君達の任務は達成したわけだ。明日の朝『イーグル』号が非戦闘員を乗せて出港する。それでトリステインに帰りなさい」

 ルイズは確かにそれを恭しく受け取ったが、まだ何か言いたげにウェールズを見つめた。

「あの…殿下、敗北ということは…その…」

「そう、勇敢な死に様を、奴等に見せるだけだ。当然僕も、真っ先に死ぬつもりだよ」

 ウェールズはさらりと言った。

 自軍は五百近くなのに対し、敵は五万。目に見える戦力差を覆すことは、今のアルビオン王家には無かった。

「殿下、恐れながら申し上げたいことがあります。この手紙の中身は…これは…」

「…そう、恋文さ」

 ウェールズは一瞬話そうか迷っていたようだが、今更もう大丈夫だろうと思い、口を開いた。

 もしこの手紙がゲルマニア皇帝に知られたら、重婚の罪で同盟を取り消されることだろう。そうなればトリステインは、誰の力も借りられず、一国だけで強大な反乱軍と戦わなくてはならない。

「殿下、亡命なさいませ! トリステインに亡命なさいませ!」

 ここでルイズが、懇願するかのように叫んだ。ワルドが何とか宥めようとが、それでもルイズは止まらない。

「殿下、姫様は多分、手紙の一文に亡命することをお勧めになっているはずです! あの姫様が、ご自分の愛した人を見捨てるはずがございませんわ。おっしゃってくださいな、殿下!!」

「…その様な事は、一文も書かれていない」

 ウェールズは、少し苦々しげにそう言った。その反応から見て、図星だとルイズ達は確信した。

 しかし、ウェールズは静かにルイズの肩に手を置いた。

「私は王族だ。私と…彼女の名誉に誓って言うが、本当にそのような事は書かれてはいない。本当に…」

「でも……」

 なおも食い下がるルイズだったが、今のウェールズには、何を言っても聞き入れて貰えなさそうだった。

「そろそろパーティーの時間だ。せっかく来てもらったんだ。是非君達も参加してもらいたい」

 話を切り上げるように、ウェールズは皆の方を振り返った。表面上は努めて、笑い顔を作ってはいるが、剣心にはこの上なく辛そうに見えた。

 

 

 

 

 

「諸君、よくぞ今の今までこの王に忠誠を尽くしてくれたこと、心より感謝する」

 大ホールから現アルビオン国王、ジェームズ一世の声が響いた。

 おそらく彼らにとって、最後の晩餐になるであろうその会場は、異様とも言える熱気と歓声につつまれていた。

 皆明日には命を絶つだろうに、そこには死への恐怖や悲観というものがなく、ただ誇りある名誉への殉職に狂喜し合っているのだった。

 そんな熱中の会場の中を、剣心はただ周りをうろついていた。暫くして…そんな彼に声が掛かる。

「おや? 君は確かヴァリエール嬢の使い魔君だったね」

 声の主は、アルビオン現王子のウェールズだった。相変わらずその表情はにこやかなものだ。

「さっきは済まないことをしたね。……しかし、人を使い魔にするとは、トリステインも変わったところだね」

「まあ、あっちでも珍しいと言っていたでござるよ」

 そんな風に会話していると、おもむろにウェールズはテーブルからワイン瓶を取ると、平民であるはずの剣心にこう言った。

「折角だ。お詫びも兼ねて一杯付き合ってはくれないかい?」

「…別に構わないでござるよ」

「では、決まりだね」

 ウェールズは嬉しそうに笑うと、先程の王子の部屋へと、剣心を案内した。

 

 

 

(何で……?)

 ルイズは、ひっそりとこのホールから抜け出した。死ぬと分かってあの熱気、愛する人や残される人を考えず、ただ名誉と誇りのために命すら厭わない。それが当たり前のように振舞うあの空間が、堪らなく嫌だったのだ。

(姫様が逃げてって言っているのに…どうして…? どうして殿下は死を選ぶの…?)

 ルイズはこの国がイヤになった。周りは皆自分のことばかり、あの王子でさえ、トリステインで待っている恋人の事を考えていない。何もかもが嫌いだった。

 気付けば頬に伝う涙を、ルイズは手で拭った。どこに行くかは考えていない。ただ宛もなく…否、彼の姿を無意識に探していたのだった。

「どこ行ったのよ…あのバカ…」

 アイツなら、何て言ってくれるのだろうか? そんな蜘蛛の糸のようなか細い期待を胸に秘めながら、ルイズは只、己の使い魔の後を追った。そんな時―――。

「ん……?」

 手紙を受け取りに行った、ウェールズの私室から、何やら声が聞こえてきた。なんだろうと思い、近付いて覗いてみると、そこには…。

「……ケンシン…?」

 

 

 テーブルを挟んで、剣心とウェールズは向かい合うように座ると、グラスにワインを注ぎ込んだ。

「明日の名誉のために…」

 ウェールズはそう言って、グラスを持って傾けると、そのままグイッと煽った。

 剣心は、飲もうとはせずにしばしウェールズの方を見ていたが、やがて意を決したように口を開いた。

「何故戦うでござる?」

「…何がだい?」

「お主にも待つ人がいるのに、誇りのために今ある命を捨てる気でござるか?」

 剣心のその言葉に、ウェールズはグラスを下げた。

「命を捨ててでも、守りたいものがあるからさ…」

 そして改めて、真剣な眼差しで剣心を見た。

「我々の敵である貴族派レコン・キスタは、『聖地』奪還という馬鹿げた理想のために、血を流す民や荒れる国土のことを考えぬ。そんな奴相手に、引くわけにはいかないのだよ。これは我等王族としての義務だからね。内憂を払えなかった王家に、最後に課せられた義務なのだ」

「そのために、一人の少女を不幸にするでござるか?」

 一瞬、ウェールズは言葉が詰まった。

「…貴族というものは、そういうものなのだよ…彼女も分かってくれるさ」

 だが、その声には力が無かった。アンリエッタからの、亡命を勧めた手紙を読んでからというもの、彼女を連想する言葉が出るたび、ウェールズの表情が固まるのだ。

「お主は分からないでござろう、姫殿が、どれほどの思いで拙者達を送り出したのか…ルイズ殿に頼んだのも、彼女なら姫殿の意図を汲んで、お主を呼び戻せるのではないかと、一縷の希望に賭けたのでござるよ」

「………」

 しばらくの間、黙って話を聞いていたウェールズだったが、フッと小さく渇いた笑いを漏らした。

「…愛するがゆえに、知らぬ振りをせねばならぬときがある。僕たちは王さ…自分の民を見捨てて逃げ出すわけにもいくまいし、たとえ亡命するとしても、トリステインへと渡ったらそれこそ貴族派が攻め入る格好の口実を与えるだけさ…だからここで―――」

 そこまで言ったとき、ここで急にドアが開いた。

 思わぬ来訪者に、ウェールズ達は一瞬驚いたが、同時に目を丸くした。そこには、半泣きの表情をしていたルイズが、立っていたからだ。

「殿下は、嘘つきでおられるのですね…やはり書いてあったんじゃないですか…逃げてくれって…」

 ポロポロと涙を流しながら、ルイズはウェールズに詰め寄った。そして、その胸に縋り付くような格好でただ嘆願した。

「お願いです…逃げてください…まだ間に合います…私は姫様の悲しむお姿を見たくありません…」

 ウェールズは、そんなルイズを優しく宥めつかせた。

「想いというのは、時には枷にもなる。断ち切って忘れた方が、彼女の幸せにもなるんだ」

「好きな人を忘れることの、どこに幸せがあるというのですか!!」

 ルイズの叫びにも、ウェールズはただ首を振るばかり。彼にとってはもう決めたことだった。こればかりは、揺らぐことがない。

 どうにもならないの…? そんな考えがルイズの頭をもたげた時、剣心の言葉が聞こえた。

「…生きる意思というのは、何よりも強い」

 剣心は、思い返すようにそう言っていた。それは、かつて生と死の狭間の中、師匠が教えてくれた言葉。

「生きていれば…何度だってやり直すことが出来る。体勢を立て直して、いずれ王政を復活させることだって出来るでござろう」

 剣心は、死地へと赴くウェールズの気持ちがよく分かっていた。自分も、ほんの昔まではそうだったから。大切な人を危険に晒したくない。だから巻き込ませないために、その人の幸せを望むために死を恐れずに戦場へ赴く。

 だけど、幾多もの激闘死闘を経て、それは間違いだと気付いた。自分もまた、死ねば悲しむ人々がいる『一人の人間の命』なのだと。

 だから、昔の自分と同じ事をしようとする彼には、そういうことをして欲しくなかったのだ。

「民のためとはいうが、同時に人一人の幸せも軽くはないでござろう。お主が死んだら、お主を想う少女が一人確実に不幸になる」

 死を恐れている訳ではない。死んだら裁かれる身の上だということも重々承知している。

 だがそれでも、忘れてはいけない。どんなに強かろうと、立場が偉かろうと、その前に自分は一人の人間なのだ。自分の命も同等に扱って欲しい。そう、願いを込めてのことだった。

「お主達は、ここで死んでいい人間ではござらんよ」

 その言葉に、ルイズとウェールズはしばらくの間剣心を見ていた。

 そして、今度は期待の目をルイズはウェールズに向けた。剣心の言葉が届いてくれたのかと。

 ウェールズは少しの間、考え込むように項垂れていたが、やがて心から案じてくれる剣心に向けて、作り笑顔ではない…本当に嬉しそうな表情した。

「参ったな…君とは初めて会ったはずなのに、まるで心の置ける友人を持った気分だ」

しかし、吐く言葉はどこかやり切れなさそうだった。

 ウェールズは、一旦卓から立ち上がり、幕を開けて夜の窓を見た。背後から見る剣心達には、彼が今どのような表情をしているのかは分からない。

「それだけに残念さ…君とは…もっと早くに出会いたかったよ…そうだったら…僕も…」

 しかし、出てくる言葉の一つ一つが震えているのを感じて、ルイズは思った。彼だって、死にたくて行く訳じゃない。国の上に立つ皇子として、向こうで待つ恋人に迷惑を掛けないため、自分の気持ちを押し殺して決めたことなのだ。

 本心は…アンリエッタに会いたいはずなんだと。

「殿下!! でしたら…」

「コラコラ、嫁入り前の女の子が、そんなに涙で顔をグショグショにするもんじゃないよ」

 ウェールズは、静かに振り返ってルイズの肩を叩く。その顔はいつも通りの優しい笑顔だった。

 しかし、ルイズはそのウェールズの言葉に、ほんの少しの間体が固まった。

「え……?」

「聞いたよ。明日子爵と結婚するそうだね。彼が僕に婚姻の媒酌を頼んできてね、何ともめでたいことじゃないか、是非引き受けることにしたんだよ」

 ルイズはハッ、とした表情をして、反射的に剣心を見た。剣心の方も、これまた驚いたような様子だった。

 ウェールズも、この二人の反応には少々首をかしげた。

「知らされてなかったのかい? まあ多少ごたついていたからね、無理もないか。だから明日に備えて、君も早くに寝たほうがいい」

「でも…えっと……」

「僕が掴むことができなかった幸せの分だけ、君達は生きて欲しい」

 ウェールズにそう言われると、ルイズは何も言えなくなってしまった。剣心の説得に、ほんの少しだけ揺らいだかに思えたが、相変わらず彼の決心は堅いようだった。

 ルイズは、俯きながら考えた。明日結婚するなんて、いくらなんでも聞いていない。ワルドは何時でも待ってくれるっていっていたのに……。

 でも、もしかしたらこの滅びゆく王国に、ワルドも思うところがあったのかもしれない。ここで無闇に断って、媒酌を引き受けてくれたウェールズの顔に泥を塗るのもどうかとも、思っているのだ。

(でも…それでいいの…わたしの気持ちは…?)

 すっかり混乱してしまったルイズに、ウェールズは優しく頭を撫でながら言った。

「僕も明日早いからね、今日はお開きにしよう。―――最後に会話できたのが、君達で良かったと心から思うよ」

 最後に、ウェールズは剣心を見た。剣心は、ルイズと共に静かに退室する時、帰り間際にこう言った。

「もう一度、拙者の言ったこと…姫殿のことを思い返してほしいでござるよ」

 ウェールズは、微笑み返すだけで何も言わなかった。

 

 

 

 ホールでのパーティーも終わったのか、辺りは準備に勤しむ兵隊たちの足音以外、何も聞こえなかった。

 ルイズは、剣心の姿を見失わないように歩いた。

「ねえ…ケンシン…」

「何でござる?」

「……何でもない」

 用もないのに呼び止めてしまった。でも、剣心は嫌な顔一つしなかった。

 思えば、自分がウェールズを強く説得する筈だったのに、彼がそれを代弁してくれた。泣いてるだけで蹲るだけだったのに、彼はいち早く動いてくれた。

 思い返せば、この旅に出てからというもの、剣心にはとことん助けになりっぱなしだった。フーケの時も、船でのことも。

 使い魔だから当然。そのような感じに割り切れれば幾拍か楽にもなるだろうが、そう考えるには、あまりにも彼の力に頼りすぎた。

 本当なら、ここで感謝の言葉でも言わなければならないのだろうけど、その前に一つ、どうしても聞いたいことがあった。

 多分、ここでの機を逃せば、もう永遠に来ないと思ったから。

「…ケンシン」

「何でござる?」

 相変わらず、なんでもないような風に剣心が応える。ルイズは、彼の刻まれた十字傷を見つめながら、意を決して言った。

「私…ワルドと結婚する…らしいけど、ケンシンは…その…どう思う?」

 他人事の様な口調だったが、ルイズにとっては真剣そのものだった。これで、剣心が自分のことをどう思っているのか、知りたかった。ただの使い魔? それとも別の…。

「ルイズ殿、何も変わらないでござるよ」

「え…?」

 剣心の答えに、ルイズは目を丸くした。

「ルイズ殿が結婚しようと、拙者はルイズ殿が困ったときには、何時でも駆けつけるでござる」

 それは、ただの使い魔としてってこと? 

 その考えが頭をもたげた時、ルイズは悲しくなった。所詮、剣心もその程度でしか考えていないんだと――――。

 でも……ふと剣心が、優しく頭を撫でてくれたとき、そんな考えは無くなった。

「誰かを守る、というのは簡単なようで難しい。特にその人を想う人間は、もしいなくなってしまったらその人は、悲しみを背負ったまま生きていかなくてはいけない。そういう人達を見るのは、拙者はもう沢山でござるよ。だから―――」

「…だから?」

「その人が笑顔になれるまで、拙者は離れたりしないでござるよ―――約束でござる」

「―――ケンシン……」

 その言葉の意味をとったルイズは、心から安堵する。

 正直に言うと、怖かった。ワルドと結婚したせいで、剣心が急に自分の元から居なくなってしまうのではないかと。何ていうか、そんな気がしたからだ。

 でも、彼の優しい笑顔は、そんな不吉なことを吹き飛ばしてくれる。いつもそうだ。剣心の微笑みは、自分の心の中を暖かくしてくれる。

 どうして、彼の笑顔にはそれがあって、ワルドには感じないのだろう?

「じゃあ、拙者はこれで」

「…うん」

 ルイズの部屋の前まで来て、剣心は言った。アルビオンまで来て同室というわけにはいかない。

「また明日、でござる」

「うん。…また、明日」

 ルイズは、剣心と別れた後、ベットに潜り込んで考えた。ウェールズの事、ワルドの事、剣心の事……。

 一体自分は、誰のために結婚するんだろう? 本当に明日、結婚してもいいのだろうかと。

 

 

   『結婚というのは、誰のためでもない。自分のためにするものでしょう?』

 

 

 ふとキュルケの声が、頭の中で聞こえてきた。でもそれは、本当にそうだと思い始めた。結婚というのは、本当に大切なものだ。よく考えないと、周りにも迷惑しかかけないだろう。

 もう少しよく考えなきゃ…そう思いながら、ルイズは静かに寝息を立てた。

 


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