ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 一番愛用しているオトモはもちろん『かぼたん』とその相方の『ハクオロ』。

 モンニャン隊専用ネコには『自殺志願』、『愚神礼讃』、『少女趣味』、『人間失格』の四匹。

 それと『死線の蒼』と『死色の真紅』のブーメランコンビに『ビヨール』と『オストラヴァ』の爆弾コンビ。

 他にもいますが全員が可愛くて仕方がない!

 その中でも一番可愛いのが『かぼたん』です♪

 デモンズソウルは神ゲー!!

 と言う事は かぼたんは神キャラとでも言えばいいのだろうか。

 あそこまで心惹かれたキャラは見たことありませんし。





アイルガーⅩ・剛(ゴー)

 トン爺さんの依頼を結局引き受けることになった俺は先に家を出た弟子三人を追って爺さんの店に向かったわけだが三人は店の前で立ち止まっていた。

 

 

「おいお前ら何やってんだよ」

 

 

「あ、師匠。

 インターフォンを押してみたんですけど開けてくれないから鍵を開けて中に入ろうと思ったんですけどなんかトンお爺ちゃんのお店の鍵が新しい物に付け替えられてるんですよ。

 おかげで私はもちろんディオシキさんの鍵開け術も通用しなくなってるんです」

 

 

 イトラは自分に出来ないことがあるのが許せないらしく説明しながらも試行錯誤をしているがディオシキに出来ないことが今のイトラに出来るとは思えない。

 

 見ればディオシキとサラは他のルートから入ろうとしているが工房は窓は全てトン爺さんの手作りだから俺でさえ壊すことは不可能だからな。

 

 

「まぁここは俺に任せろ。

 壊すことも開けてもらうことも出来ない場合の対処方法を教えてやるから」

 

 

 あまり使うことはないかもしれないが鍵開けのテクニックはもしも悪の組織に拉致された時なんかに役に立つだろう。

 

 イトラは強くなったがまだ最強無敵と言えるほどでもないし。

 

 

「まずは鍵の形状をよく見て鍵の内部構造を想像する」

 

 

 頭の中でイメージし、地面の土を少し握って『気』を込めることで合鍵を作る。

 

 

ガチャ

 

 

「ほら開いた。

 イトラも次からは壊したりピッキングしたりするより合鍵を作るやり方を覚えろ。

 ディオシキはこだわりがるからピッキング以外で鍵開けをしないらしいがこの技術があった方が今後に役立つはずだ」

 

 

 振り返るとイトラは取り出したメモに色々と書きこんで自分でも土を手に取って試していた。

 

 一回見ただけでこの技術を身につけてしまったようだ。

 

 

「お、なんだハターン来てたのかよ。

 それにもう玄関の鍵を開けるなんてさすがだな」

 

 

「ふふん、ハタっちには色々教わったけど僕様ちゃんは合鍵を作るなんて卑怯な真似だけは出来ないよん。

 鍵はピッキングか破壊に限るんだからね」

 

 

 サラは覚える気がないから仕方がないとしてディオシキはどうにも変わったところでこだわりを持っているから扱いにくいんだよな。

 

 

「とりあえず中に入ろう。

 どうせ大したことないだろうけどトン爺さんの頼みごとは面倒な展開が多いと相場が決まっているのだ」

 

 

 店の奥へ進んでいくといつものようにトン爺さんの鍛冶の部屋の中から声が聞こえてきた。

 

 

「おいチカ!

 そっちの調子はどうだ?」

 

 

「こちらも順調だよ爺ちゃん!

 だけどちょっと煙が出てるのが気になるわね」

 

 

「む? いかん!

 爆発するぞ!」

 

 

「え? キャー!

 こ、これって放射能漏れてるんじゃない!?」

 

 

 ……出来ることならこのまま放置して帰りたい。

 

 絶対に面倒なことになってるぞこれは。

 

 

「さぁさ師匠。

 中に入りましょうよ♪」

 

 

 おい押すなイトラ!

 

 これは絶対にヤヴァイ気がする!

 

 

「そうだぜハターン、入りにくいならあたしが開けてやるよ。

 それガチャっとな♪」

 

 

 俺が止める間もなくサラは部屋の戸を開けて中に入る。

 

 そしてそれに続いてイトラとディオシキが入っていくので仕方なく流れ的に俺もそれに続くことになった。

 

 

「おぉう、ハターン坊や達じゃないか。

 もしかして依頼を受けてくれたのか?」

 

 

「お、お久しぶりですハターンさん。

 ハ、ハターンさんが来るって分かってたらもっとおしゃれしてたんですけど……」

 

 

 先ほどまで危ない会話をしていたとは思えないほど部屋の中はきれいでいつも通り気楽に話しかけてくるトン爺さんと心なし顔が赤いチカ。

 

 この様子だと依頼事態も大したこと無いんじゃないだろうか?

 

 

「ところでトン爺さん、依頼ってなんだ?

 別に俺達を名指ししてたわけじゃないけど序列の高いハンターを希望するほどの問題でもあるのか?」

 

 

 そう言うとトン爺さんは目を輝かして何かの箱を取り出した。

 

 

「実は新発明の性能を調べるために強いハンターに来てほしかったのじゃよ。

 それでこれが発明品」

 

 

「きっとハターンさんも見れば驚きますよ♪

 なんてったってこれが実際に大量生産出来たらハンターの時代は終わるかもしれないってくらいすごいものなんですから」

 

 

 チカが発明品を箱から取り出した。

 

 すると出てきたのはネコだった。

 

 ただし機械じかけのカラクリのようだ。

 

 

「天才鍛冶屋トン・カンジヤの新発明!

 機械ネコ『アイルガーⅩ・剛(ゴー)』じゃ!」

 

 

「ち、ちなみに私はこの機械ネコの左手を作りました」

 

 

 自慢げに言われても反応に困る。

 

 

「あー、俺は太った猫と切りそこなった たくあんは嫌いなんだけど」

 

 

「なんじゃハターン坊やのくせに生意気な!

 この美しいフォルムが分からんのか!」

 

 

 機械ネコはでっぷりと太ったネコの姿をしていたのだった。

 

 機械なのになんでこんなに太っているのだろうか?

 

 

「でも師匠、この機械ネコちゃん触るとけっこう柔らかいですよ♪」

 

 

「確かにこの手触りはすげーな。

 ディーちゃんは触んねーのか?」

 

 

 俺以外ではディオシキもトン爺さんの発明の機械ネコに近づかないようにしている。

 

 

「僕様ちゃんはそういう動物系を見ると殺したくて壊したくてたまらないから近づけないわ。

 だって触れた瞬間分解したくなっちゃうもの」

 

 

 確かに動物を見ると殺したくて仕方がないディオシキが近づくのは危険かもな。

 

 理解、分解、溶解まであらゆる手段で破壊してしまいそうだし。

 

 そういえばこれの性能テストが目的だと爺さんは言ってたけどもしかしてこれと闘うのか?

 

 

「ハターン坊やはすでに察しているみたいじゃから言うが今回の依頼とはこいつを起動したあと、暴れだすから戦って止めてほしいんじゃよ。

 このアイルガーⅩ・剛には、考えうる限り最高の装備を持たせたから電源を入れたら命令を聞かずに暴れ出してしまう構造になってしまったんじゃ」

 

 

「ちょっとそれはハタ迷惑すぎるぞ爺さん……」

 

 

 ハターンジョークってわけじゃないぞ。

 

 だが爺さんは俺達が来たことに安心してしまったようでいきなり電源に指を掛けて……

 

 

「それ、ポチっとにゃ~♪

 なぁ~んて今のは冗談♪

 まだ押してないぴょろろ~ん♪」

 

 

「おい爺さん!

 語尾をネコっぽくしても全然可愛くねぇぞ!

 この発明品が暴れるのが分かってるなら起動なんかせずに作り直せばいいだろ!」

 

 

「あ、あのハターンさん。

 その説得はすでに私もしたんですけどこの機械ネコは起動しなければ分解できないような仕組みにしちゃったから電源を入れてない時は壊すことも分解することも出来ないようになってるんです」

 

 

 そう説明するチカ。

 

 なるほど、起動しなければ壊すことも出来ない仕組みなら仕方がないか……って仕方無くない!

 

 それなら溶鉱炉でまた溶かして再利用すればいいのに!

 

 

「でも可能な限りの戦闘手段を仕込んでるなら火薬とかも使ってそうだしやっぱりこれは戦うしかなかったんじゃないですか?」

 

 

「ぎゃはは。ハタっちってば心配症だねい。

 壊してもいいなら僕様ちゃんが殺してば解して並べて揃えて晒してあげるわよん♪」

 

 

「きゃっほう♪ それにしてもあたしら4人が揃って狩りをするなんて久しぶりじゃねーか♪

 血が騒ぐぜ!」

 

 

 弟子三人はすでに戦闘態勢に入っている。

 

 

「はぁ……それじゃ俺も頑張るしかないな」


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