ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 私の小説はとんでもない展開を常に書きたいと思っています。


 


俺流弟子育成方法

 トン爺さんの店でイトラの防具の調整を済ませ、おまけに武器もとんでもなく強化してもらったので昼食と適当な依頼の受注のために俺達三人はギルドへと向かった。

 

 

「二人ともこのあとは大物討伐に行くんだからしっかり食っとけよ」

 

 

 サラは言うまでもなくメニューを端から頼んで行ってるがイトラはなかなか注文が決まらずメニューとにらめっこしている。

 

 

「ちなみにこれは俺の奢りではなく、これから出る狩りの儲けから払ってもらうからな」

 

 

「なんだよ、ハターンのケチ!

 アンポンタンのおたんこなす!」

 

 

「で、でも私は役に立てないと思います……」

 

 

「誰もイトラがいきなり役に立つなんざ思ってないさ。

 俺の教え方ではてっとり早く強くなるためには危険を察知するためのセンサーとして恐怖を飼いならす必要があると考え、弟子にとった連中には毎回やってる修行でもある。

 決して怪我ひとつさせないから頑張ってみろ」

 

 

 もっとも俺はモンスターごときに恐怖を感じるほど弱い心をしてないからこの修行を自分にはしてないんだがな。

 

 

「は、はい、頑張ります。

 それと……あの……ハターンさん。

 ハターンさんのことをハターン師匠って呼んでもいいですか?」

 

 

 来たか……

 

 突然の展開だが俺はこの展開を予想していた。

 

 サラは相変わらず師匠らしくあろうという考えはないし、俺がこのままなし崩しで師匠になるんじゃないかと考えていたがその時がもう来ることになるとはな。

 

 やれやれだぜ。

 

 

「……まぁ、俺の家にやってきた段階でこうなるのはわかってたし、もう俺もお前を弟子として扱ってもいいと思う。

 が、それでもお前の現師匠はサラなのだから俺がお前の師匠になることはできない」

 

 

 きっぱりとここで断っておかないとトラブルの元だからな。

 

 俺のアホ弟子もいい加減人としても成長しなければ一生独身でいそうだし、弟子を育てることで人間的に成長してほしいものだ。

 

 イトラだけでなくサラにも成長してもらうためには俺がイトラの師匠になることは出来ないのだ。

 

 っておい、何だサラ? その不適な笑みは。

 

 

「ふっふっふ、ハターンはそう言うと思ってたぞ」

 

 

 先ほどから食事に集中していたサラが顔をあげて得意気に言う。

 

 つーかあれだけ頼んだ料理をもう全部食べ終わったのか。

 

 

「実はさっき料理を受け取りに行った時に、あたしとイトラの師弟関係の書類をちょいちょいっと書き直してもらってきたからイトラはハターンの弟子としてギルドに登録しといたのだ♪」

 

 

 なんとまぁ、勝手なことをのたまう弟子に呆れてしまい俺としたことが少しの間呆然としてしまった。

 

 

「おい、何勝手なことやってるんだ!」

 

 

 と、怒鳴ったところで今更なんだろうな。

 

 ギルドの書類をいじるなんてサラには出来ないだろうし……あぁ、またあのギルドマスターのイタズラだな。

 

 俺の嫌がることをすることに長けた奴だからな。

 

 

「だからイトラはあたしの弟子を卒業し、ハターンの弟子となったわけだ。

 これからよろしく頼むな♪」

 

 

 俺はもう何も言うこともできず机に突っ伏して食事も中断してしまった。

 

 

「あ、あの大丈夫ですか?

 やっぱりご迷惑でいしたら私出ていきますから」

 

 

 そう言いながらもイトラは今にも泣きそうになって俺にすがりついてくる。

 

 ……仕方無いか。

 

 

「わかったそれじゃあ俺が師匠になってやるよ」

 

 

「ほら見てみろイトラ。

 ハターンはこうやって強く言えばいつでも人助けをしてくれるんだぜ」

 

 

 これが俺の弱いところなんだよなぁ~、はぁ……もうサラの事は諦めよう。

 

 俺の弟子の中で一番腕はいいのに、どうしてこう俺に迷惑をかけるのか。

 

 他の弟子も人格破綻者ばかりだがそれでもサラと違って弟子を卒業してからは俺に迷惑をかけることはないというのに。

 

 

 

 なし崩し的に俺がイトラを弟子として認めたところで店の奥から一人の女性が近づいてきた。

 

 

「やっぱりぃ~、ハターン君はぁ~、イトラちゃんを弟子にしたのねぇ~♪」

 

 

「あんたも俺の嫌がることばかりしてくれるな。

 トイダーヴァの街のギルドマスター、マル・ギスタードさんよぉ」

 

 

 この年齢不詳の幼い外見をした女性がこの街のギルドマスターなのだ。

 

 

「やっほーマルちゃん。

 さっきぶり♪」

 

 

「あらぁ~サラちゃん。

 その様子だとぉ~、無事に丸めこんだみたいねぇ~♪」

 

 

 この二人は特に仲がいいもんだからさらサラは無茶やってもこの街のナンバー2のハンターをしてられるのだ。

 

 ぶっちゃけサラは飛竜の子どもが可愛いからと言って街に連れ帰ったり、狩猟が禁止されてる場所まで行って狩りをしたり、気に食わないという理由で他のハンターを病院送りにしたりという問題を数多く起こしてるからギルドに目をつけられているのだがそれを守っているのがギルドマスターのマルなのだ。

 

 出不精で滅多に人前に出てこないのだが出てくるときはサラ関連の揉め事か俺に嫌がらせをするためだけという変わり者なんだがな。

 

 

「ハターン君~、それじゃ~、私が意地悪みたいじゃないぃ~。

 これが私のぉ~、ハターン君に対する愛なのよぉ~♪」

 

 

「それがうっとうしいと言ってるんだ。

 それでこれ以上俺に厄介事を押し付けに来たのか!」

 

 

「まあ、そうねぇ~。

 それはさておきぃ~。

 実は今ハターン君にぃ~。

 王家からの依頼が来てるからぁ~、行ってきてほしいのぉ~」

 

 

 こいつの頼み事などすぐに断ろうと思っていたが渡された依頼書を見て考えは変わった。

 

 

「なるほど……これは確かに面白いかもしれないな」

 

 

 マルの奴もたまにはまともな物を持ってくるじゃないか。

 

 

「おいハターン何の依頼なんだそれ?」

 

 

 今度はデザートを注文していたサラが聞いてくる。

 

 相変わらず口の周りをべたべたと汚す子どもっぽい奴だ。

 

 

「ああ、場所はシュレイド城。

 討伐対象はミラボレアスだ」

 

 サラはどんなモンスターだっけ?と首をかしげているがイトラはその名を聞いただけで震えている。

 

 俺が新たな弟子に課す最初の試練としてはこんなものでいいだろう。

 




 いきなり何も知らないど素人の弟子をモンハンのラスボス的存在のミラボレアスに向かわせるというのは斬新な気がする♪

 明日はキャラ設定を投稿します。

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