ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 またもや佃煮(ノリノリ)で書いちゃいましたがようやくモンハンらしさに近づいてきたかな。

 無事に未来に帰ってきたハターンを待ち受けるのは!?



第十二章:帰ってきたハターン編
跳んだ先でもまたまたトラブル


 前回までのあらすじ。

 

 

 天才鍛冶屋トン爺さんの発明したタイムマシンという胡散臭い乗り物に乗った俺はそのタイムマシンで過去へ跳び、謎のモンスターに両親を殺され、為すすべもなく殺されそうだった未来での弟子、イトラ・ウボンガを助け、トイダーヴァの街でギルドマスターのマルに預け、ノリで『ハターン農場』のワリサ達をからかって未来へと戻ろうと考えているところが現在であるというわけだ。

 

 

「それじゃあ未来へ帰るとするか」

 

 

 街外れの人気のない場所に移動し、タイムマシンを懐から取り出しその上に跨る。

 

 それにしてもこのタイムマシンは物凄い乗りにくいんだがトン爺さんは何を考えてこんなデザインにしたんだろうな?

 

 どうせなら中に入るような造りにしてくれればいいのに乗りにくいったらあらゃしない。

 

 だが、今更文句を言っても仕方がないので未来へ帰るイメージをする。

 

 

「無限の彼方に……ってこれも前回言ったからさすがにくどいよな」

 

 

 そして辺りは光に包まれ、俺を乗せたタイムマシンは未来へと時間を越えた。

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「さてさて、このタイムマシンは時間だけでなく場所までも移動するみたいだけどここはどこだろうな」

 

 最初にトン爺さんの工房から時間跳躍をした時はトイダーヴァから少し離れた草原に出たが今回はどうやら火山に来てしまったようだ。

 

 何しろタイムマシンは火山の火口の中の岩の小島のような場所に出ているのだから。

 

 

「クーラードリンクも常に持ち歩くようにしていて正解だったな。

 さすがの俺も気合を入れなければこの環境では体力を奪われかねない」

 

 

 すでにいつものブロミウス装備に着替えていた俺はタイムマシンをしまうと懐から取り出したクーラードリンクを飲み、一息つく。

 

 そして溶岩の上を右足が沈む前に左足を出すという歩法で走り、火口からの脱出を済ませる。

 

「さっき過去へ行った時みたいにタイムマシンで時間移動した先で時間だけでなく場所も移動したのには何かその場所でするべきことがあるからなのかもしれない。

 となると、この火山で俺が為すべきことでもあるのかもしれないな」

 

 

 タイムマシンのようなよく分からない物はよく分からない現象も伴うのだろうと納得し、しばらく道なりに進んでいくとそこには人が倒れていた。

 

 

「まぁた面倒事っぽいけど見てしまった以上は助けないわけにもいかないしな。

 おーい、大丈夫かー?」

 

 

 倒れている人物に近寄って見るとそれは人ではなく、人に見せかけた人形だった。

 

 

「かかったな、アホがぁー!」

 

 

 そして俺が人形に近づいたのと同時に跳びかかってきた小さな影が現れた。

 

 おいおい、これが近づく人を攻撃するための罠だとしたら跳びかかる時に声を出すのは駄目だろう。

 

 もちろん俺は華麗に避けて声の主を蹴り飛ばし溶岩に向かって落っことしてやった。

 

 

「だが、無駄に殺すのは俺の美学に反する。

 これこそハターンクオリティ」

 

 

 熱に強い糸を一瞬で周囲に張り巡らせ、襲ってきた奴が溶岩に触れるか触れないかの位置で止めておく。

 

 

「てゆーか熱いし!

 これ溶岩に触れてないけど熱すぎるってマジで!!」

 

 

 改めて声の主を見てみると随分と布地面積の少ない火山にふさわしくないような格好をした女の子だった。

 

 

「お前が攻撃してこなけりゃ俺もこんなことはしねーよ」

 

 

 火口から引き上げてその体を拘束していた糸を解いてやった。

 

 

「うちっちは火山を根城にするカーザン族の族長の一人娘!

 ヒノコ・カーザンじゃぞ!

 このような行いをすればうちっちの80万の仲間が報復に来るぞ!」

 

 

「いやいやお前、この大陸中を探しても80万もの兵士を保持する国はないのにカーザン族みたいな辺境部族がそんなに人数いるわけないだろ」

 

 

「じゃ、じゃあ8万もの仲間が……」

 

 

「俺の記憶が確かならば、カーザン族はラティオ活火山に住む少数民族で人口300人位の小規模ながらも争いを好まない連中だったはずだが」

 

 

 これでも俺はトイダーヴァの街の第一位の地位を利用して大陸中の書物を読み、長いハンター生活であらゆる場所に赴いているのでハンターとして以外の知識も豊富なのだ。

 

 それでも寡黙で渋いカッコいい男を目指していたので友人と呼べるような人間はほとんどいないのだがな。

 

 いまにして思えば言ってて悲しくなるだけの虚しさしかないがな。

 

 

「……そこまで分かっておられるとは。

 それならば旅のお方、うちっち達カーザン族の村をお救いください!」

 

 すでに糸による拘束から逃れていたヒノコと名乗った少女は突然飛びあがりジャンピング土下座をかましてきやがった。

 

 おいおいおいおいおい、これはまた面倒事の予感がビンビンするぞ。

 

 だが見て見ぬふりは出来ないしなぁ~。

 

 現実逃避をしようにも視線を向けるようなものも何もないので仕方なくヒノコを見るがその目は真に困っている者の眼だった。

 

 俺の心は噴火により舞い散る火山灰のように何か重いものが降り積もっていくのだった。

 

 ここでこの子を放っておいてトイダーヴァの街に帰るというのもありなんだろうけど、

 

 

「(俺ってば結局は助けてしまうんだろうな……)」

 




 火山~♪ 火山~♪ 火山~♪

 昔は紅蓮石やユニオン鉱石集めにせっせと汗水流してましたが、いつから火山はお護り採掘の場所になったのだろうか……。いや、それが面倒だから今のモンハンはすぐに飽きたんですけどね。

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